熊本地震の対応にみる社会の対応にみる「日本」は劣化しているのか | 昼は会計、夜は「お会計!」

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 熊本はお袋の出身地で今ではほとんど付き合いはないが親戚もいる。また熊本県境に数百メートルにある福岡県の医療法人ではかなり面倒を見た病院や法人本部がある。職員のかなりが熊本県内に在住している。そこは2つの病院のうち一つはかなり老朽化しているし、もう一つも老朽化していて移転新築の工事中のはずだ。それらも心配だが、熊本からの要請に応えた医療支援・生活支援なのでてんてこ舞いしているだろう。
 14日に発生した震度7に驚いていたら、それは「前震」であったと26日午前1時25分発生した「本震」は震度6強で、その後も震源域を異動しながら、阿蘇、大分県にまでひろがった。あれよあれよという間の被害の広がりだ。特に、阿蘇地方の被害は、山体崩壊による山崩れや橋の崩落国道の寸断などで各地位区で孤立した集落が出など、例を見ない被害の様相となった。
 安倍首相の「今夜中に避難者を屋内避難所に収容する措置を執る」「後手にならない支援の手を」などの話しを対策会議で発言したものが何回も報道されるがいつのことだったか。今朝の報道番組を観ていても、2時間並んでもパン1個であったとか、昨日は並んでも結局整理券しか貰えなかったなどの報道がされている。また、各地で避難所となった学校の校庭に「のみ水ください」とか「SOS*カミ、パン」などと書いてヘリコプターに見えるようにしている。
 どうみても東京の会議室での対策会議での威勢のいい発言を報道しているが、一方で自局や系列局の取材を通して見える実態との矛盾を暴き切れていない。
東北大震災のような500キロに及ぶ被害地域の広がりもなく比較的局所的な被害であるのにいっきに支援の手が届いていないのに安倍さんの口調だけは相変わらず口先だけ。それどころか、米軍の支援要請を最初に言い出したのは安倍さんで、ところが今朝になると「米軍の協力申し入れ」を「ありがたく受け入れることにした」という。一方自衛隊は2万人体勢にするというがまだ東北の時を考えればまだまだなのに、予備自衛隊員の招集を決めたというし、米軍とどんな話し合いか解らないが、オスプレイを動員するという。これこそ、地震の「政治利用」というか「軍事利用」ではないか。
 東北大震災の時に、八回道の自衛隊を派遣する際に米軍に協力依頼したら、米軍艦船はなんと上陸用舟艇を用意して、結局、民間のフェリーなどに依頼すれば1日以内に被災地へ行けたのに、結局、7日間係ったと言うことが最近になって報道されたことがある。「オトモダチ作戦」と美化された報道ばかりだったが、裏でこんな事が起きていた。
 今回も、自衛隊のフル動員前から米軍への依頼と、よりにもオスプレイで、被災者支援でオスプレイのアレルギー反応を押さえようという意図が丸見えだ。食料品などの空輸にしても自衛隊の艦船やヘリコプターなどが動員されたとの報道もないから、こんなときにも「日米安保体制」を締めそうと言うことか。東北大震災の時は、三陸沖を航行中の米艦船がいたので米軍からの申し出から支援・協力が始まった。その逆の教訓なのか、いちはやく米軍を持ち出してきた。
 また、今回の地震が活断層の横ずれ地震の典型例を示したと言うことで、地震研究者もまだ知られていない断層などからも地震が起きかねないことなどあげているので、ネットでツイッターやブログで原発への影響を不安視する意見が出るとネトウヨ達が「地震の政治利用だ」と攻撃しているというし、また一部では「朝鮮人が井戸水に毒を撒いた」などのヘイトデマを流しているという。
 こうした状況といい前段に書いたような被災者救援などは東北大震災後であること南海トラフなどの巨大地震を前にした減災が言われている折にしては、随分と手間取っていて観ていて歯がゆいものがある。
 東北大震災の時との大きな違いは、活断層の横ずれ地震と言うことで震源が浅く直下型の横ずれと言うことで、揺れ方が全く想像を絶する。最大で2メートルも田んぼのあぜ道がずれていた。地中で、そんな幅で揺れたのだから低層建物が多い地方であったが建物倒壊が大きかったし、道路や橋梁などの被害も大きく、道路の寸断、九州新幹線やJR九州など主要交通網がずたずたになっているいうことだから、陸路からの支援が困難になる。
 このことからみるとやはり活断層が多い日本では原発は大変難しいというのは、正しい今回の教訓であることは間違いない。震源が地表から10キロの深さでずれていると言うが、地表表面にまで断層があらわれているというところが、何キロにも及んでいるという。
 被災地が東北大震災の時よりも被害が限局しているなかで新幹線や高速道路の被害も少ないはずなのだが、大都市熊本市ですら市内の避難所で食料も水もないというのだから、どうみてもおかしい。今朝のテレビでは熊本市内の高校や中学校、民間病院は「指定避難所ではないが住民でいっぱい。食料が乏しく生命の危険すらある」と訴えていた。多くはSNSで呼びかけて、それから直接的な支援を受けたという。こうした傾向は、東北の時よりもSNSの活用が図られているようだが、やはり、この辺は人災と言うほかないだろう。熊本市内がもう少し耐えられる体勢であったら、ここが益城町や南阿蘇への支援の大きな拠点になり得たはずだ。
直接被害が多かった益城町や南阿蘇村などでは細かく国道が寸断されているが、熊本市はででそのようなことはないのだが、避難所に人が詰めかけたりして事などへの対応が十分でなかったことからパニック状態を防げなかったようだ。
 熊本市内のパニックは、指定避難所だけでは全く足りなかった、ということと、避難所はイヤダが屋内では怖いと言うことでマイカーでの避難による駐車場問題が深刻だという。この辺がどうやら、国や県の第一次対応での大きな弱点だったようだ。
 こうしたことから、日本は震災対策などで進化しているのではなく、かえって劣化しているのかも知れないと思うのである。
 もう一つは、勇気ある発言だが、地震研究者で「14日の地震の時に、活断層の状況から見て、余震に気をつけるではなく、もっと大きい今回本震を予測できたのではないか。その出し方次第で被害はもっと減ったはずだ」と話しを聴いた。確かに14日の震度7を何とかやり過ごして家に帰った人が、本震で被害に遭ったという。活断層の見方が気象庁の判断が間違えているまで言っておられた。詳細はよくわからないが、やはり活断層への理解が市民的にも今回のことで初めて理解がすすんだようにもみえる。

しかし、熊本へ全国の目が集まっているときに、地球的には南米エクアドルでマグニチュード7.8の大地震が起きて240人を超える犠牲者がうまれたという。地球は、自然は、人間に何かを伝えようとしているのかも知れない。