マラソンリオ五輪代表の低迷・混乱を青学パワーで誤魔化すな | 昼は会計、夜は「お会計!」

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東京マラソンは、日本人トップが8位、一般参加の高宮選手(ヤクルト)でタイムは五輪代表基準の6分30秒から大きく遅れる2時間10分57秒だった。もう無残というほかはない。そんな中中継した日テレをはじめ各局のスポーツニュースでは、もっぱら日本人2位、3位となった青学パワーを盛んに取り上げ盛り上げていた。こんな事しか話題が無いとも言えるし、リオ五輪を展望するどころか男子マラソンの長期低迷状況の中で青学と原監督を取り上げることでお茶を濁しているともいえる。もちろん従来考えられていた、箱根駅伝偏重主義と卒業後マラソンを目指させるという方法ではなく、在学中にマラソンの練習もさせていた事、その方法や内容もここのところ陸上競技会に新風を送ってきた原監督ならではの発想がかなりあって、10代のマラソン記録を大幅に塗り替えたことなど確かに新しい風には違いない。一方で社会人ランナーの候補選手達が牽制し合って、ある人などは「30キロまでは力が余っていた」というような信じられないレース経過を話していたことなどと比べると、確かに青学の練習の様子や試合に臨む態度、レース直後のしっかりとした歩容など従来のマラソンのイメージを大きく変えるものなので、箱根だけでなくマラソン界への大学生選手の取り組み方が大きく変わっていくのだろうという感じを持った。
 しかしこれまでの長距離界に君臨されてきたコーチや指導者のみなさんにも言い分はないのか?気になるのは、青学原監督は確かにユニークな経験で確実に実績を残したが、(本人も意図してメディアへの露出をされているとのことだったが)ここのところ、首相官邸に出向き安倍首相との面談で、箱根駅伝の改革などまで「直訴」したと報道されていることである。メディアへの露出には原さんの意図する事があるらしいのでそのことはいいとして、時の首相に箱根駅伝を全国を対象にとか提言とか直訴したと報道されていることなどはあまりにも行き過ぎた行為だろう。映像からも政権への諂いすら感じたことも含めて、不愉快に思う人は私だけではないだろう。問題提起としては手っ取り早いかもしれないが、陸上競技界での議論や単なる地域的大学生スポーツ(箱根は関東学連の主催)を一新聞社・テレビ局財閥が日本の正月の風物詩にまで高めた商魂の是非こそ、まず議論するべきではないのか。駅伝大学選手権もすでにあるし、大学生の駅伝やマラソンなど長距離走全体の発展のためにそうしたらいいのかなどの議論がもっと必要なのではないのかと思う。それは当然、日本男子マラソンの低迷は日本陸連そのものにも問題があるのんだが、そのことも関係全体での議論にはなっていないように思う。それは代表選考が男女とも各テレビ局と結びついた複数以上レースが対象になっているなど、テレビ局との関係を一度断ち切った上での議論が必要だと思う。
 今問題になっている女子は、先の大阪マラソンで標準記録を超えたものの代表確定をいえないために福士加代子選手が名古屋に出場強行するということだ。これぞ、テレビ局の思惑を尊重しすぎた体質が生み出したもの以外何物でも無い。代表選考レースを一つにすべきかどうかと言う以前にテレビ局との関係で競技団体独自の見解を持てなくなっている。局毎にレースがあるような実情とそのまま選考レースにするしかないということが今日の事態を生み出した。こうした選手本意にはなれない体質が強くある。日本のあらゆるスポーツはテレビ局が中継につくかどうかなどで、人気が左右される。結論的には、それは各競技団体が、テレビ依存になりすぎていると言うことだろう。テレビ依存ではなく各スポーツや競技の普及にもっと工夫や努力が必要なのではないのかと考える。今風にいえばSNSやネットをもっと活用したスポーツの普及や、スポーツ競技人口自体を増やすことなど底辺拡大など、取り組むべき課題は多い。小学生や中学生の保健体育の授業や中学・高校の部活(最近、教師の部活ブラックというのが大きな話題になったが、もっと早く真剣に取りくまなければならない事だった)の有り様などから見直さなければなるまい。
 通常の教員資格とは別な教師補助員のような制度は海外ではあるらしい。スポーツだけでなく芸術や科学など、それぞれの学科を補助する専門員制度を普及することは教師の生活を守ること以上に教育の充実や先の述べたスポーツの底辺拡大にとっても大きな意味を持つのではないか。一方でプロスポーツ選手とアマチュアの交流問題などでも野球など壁が高い。こうしたもろもろのことをスポーツ界真剣に取り組まなければ、日本の陸連・水連・スケート連盟などがスポーツ団体が政界財界のボスによって支配される体質からの脱却も同根だ。