東宝怪獣コレクションは定期購読しているので、月に2号いっぺんに届く。
この7月分でパーツが揃ってくれた、1967年『ゴジラの息子』に登場するカマキラス君の紹介です。
やっぱり、小型~中型の怪獣の方が好き! 大型のボリュームも好きなんですけどね。
サイズが小さい分、ディテールが凝縮されていて、彫りの深さを感じることができる。
このカマキラスなんて、本当に今にも動き出しそうで怖いくらいです。
正面から。
付属冊子を読むと、足は少々太くなっているそうなんですが、全然気にならない。
節くれだっている様子とか、肢の方々への伸び方とか、凄く「それっぽい」んです。
横から。
カマキラスというだけあって、カマを持ち上げたポーズで立体化。
この華奢な感じは、中に空洞を作ることが前提のソフビでは再現しきれないものかも。この前ムビモン・ドリーム5でソフビ化したカマキラスが出て、そのクオリティに感動したんですけど、ほっそり具合で見れば、やっぱり東宝怪獣コレクションの方に軍配が上がるかなあ。
体表のざらっと感も素晴らしい。
本当に生きている虫みたい。
カマキラスは、『ゴジラの息子』本編でも操演が素晴らしく、操り人形と同じやり方で撮っているとはとても思えないくらい動きが自然で、気持ち悪くて、リアルだった。
この動きに感動したからこそ、『ゴジラ FINAL WARS』においてCGでアクションが再現されてしまった時には、心底がっかりしたわけです。
背中。
羽が開いて、薄羽がちょっと覗いているのも、それっぽくて非常にリアル。
ここに少々色が足されていて、より生々しく見える。
羽の狭間の棘とか節とか、そこより前の部分の棘が並んでいる感じとか……
普通のカマキリにはない意匠であっても、違和感なく見えてしまう。でもやっぱり、こいつはカマキラスだって分かる。
怪獣って、面白いなあ。
裏側。これが本当に気持ち悪い!
褒めてますよ(笑)
肢の付け根の膨らみとか、何とまあ……ここまで気持ち悪くリアルにできるものだ。
顔のアップ。
ここは、むしろシンプルなデザイン。
煌々と輝く目が不気味です。
触覚は先端の膨らみを間違って切り取らないように注意。
目の部分もじんわり塗分けられている。
鎌のギザギザ造形。見事ですねえ。
小さいながらも部位のディテールが細かく分けられていますね。
クモンガとの比較。
キモ虫怪獣たち。
ただ、見慣れてくると丸くて大きなお目目が可愛く見えても来るから不思議。
カマキラスとクモンガは気象コントロール実験の失敗により怪獣化したもの。
生まれたてのミニラをいじめるイやな奴……と、昔の怪獣の本とかには書かれていたんですが、
体高差がえげつなすぎる。
これ、いじめとかじゃなくて捕食ですよ。
『ゴジラの息子』における死闘。
ゴジラだけ、『怪獣総進撃』のバージョンなんですが、中々な体高差ですね。
クモンガが予想以上にでかいし、カマキラスもゴジラと並べるとデカいんですよね。
だからこそ格闘が映えるというか、
この華奢ながらも巨大な身体を、ゴジラがひっつかんで、投げ飛ばすアクションが楽しめるのが『ゴジラの息子』。
ゴジラのデザイン自体はどうかと思いますが、映画としてはとても完成度が高く、面白い。
ゴジラ怪獣は、ガメラ怪獣ほど突飛だったり、ユニークな奴はいないかも知れませんが、こうした生物的ディテールが緻密な怪獣が多く、フィギュアやソフビなどの「立体化」においても、その生物的ディテールの再現度が試されると思っています。
そういう面では、やっぱりこのカマキラスは随一!! というか、東宝怪獣コレクションの虫型怪獣はどれも素晴らしい再現ですよね。今にもがさがさと、あの不気味な音を立てて動き出しそうで。そんなリアルで生々しい虫型怪獣のカマキラスが、当時キャラクタリスティックさを獲得していたゴジラと戦いを繰り広げていた。そういうところに生じる面白い違和感も、カマキラスやクモンガの魅力であるように感じます。