このゴジラが出てくるのを待っていた!!
『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃』に登場する、太平洋戦争による犠牲者の残留思念の集合体、ゴジラ2001です。
シンプルに白目。
この怖カッコよさは、他の何にも代え難い。
旧規格の大きいソフビは2体持っているのですが、やっぱり現行のムビモンの大きさで並べたくて……。ずっと出てくれるのを待っていました。発表から発売まで、けっこう早かったイメージ。ムビモンを発売日当日に買いに走ったのは、久しぶりでした。
正面から。
初代ゴジラと同等かそれ以上にシンプルなデザイン。
それを造形の力でここまで威圧感たっぷりに仕上げるのは、本当に凄い。
めちゃめちゃ渋いゴジラです。
横から。
以前に紹介した怪獣番外地のGMKゴジを、そのまま小さくしたようなディテール。
彩色がシンプルで、そんなに色を増やす必要がない分、余力を造形に回したような肌理細かさ。
映画そのままな感じは、一番出ているかも知れません。
全体的にかなりどっしりしているゴジラです。
ミレゴジはどちらかというとスリムスタイルなので、その中で際立った異彩を放ちますね。
特に足の爪の造形はずごく独特で、日本画の筆運びの立体化のようでもある。
後。
初代ゴジラを思わせる背鰭。
足部分の弛みなど、どの角度から見ても隙がありません。
体表ディテールも細かいこと細かいこと。
鱗状のディテールの流れがとっても奇麗。
ゴジラの立体物を作る人の指先の細かさには毎度毎度、頭が下がります。
頭部のアップ。明らかに険のある眼差しが最高ですね。
この角度からだと、狂暴化方向に突っ走ったモスゴジのようでもあります。
ミレゴジがキンゴジの意匠を多分に継承している一方で、GMKゴジは、初代ゴジ→モスゴジの流れの中にあるデザインですね。口吻の膨らみなんかは、モスゴジに似ている。
特筆すべきは、この白眼、そしてそれを最大限に際立たせる顔の厚み!!
原点回帰って、GMKゴジのためのあるような言葉ですよね。
初代ゴジラの怖さを踏襲しつつ、それをさらに高める方向に持って行った結果の、この素晴らしいデザインと造形!!!
この頭部を推し頂く首の逞しさや長さも、絶妙なバランスです。
この黒と白しかない感じが、和風テイスト。
モノクロ時代の初代ゴジラを彷彿とさせるだけでなく、映画そのものが「護国聖獣伝記」など民俗学的、郷土信仰的な、和テイストを帯びている作風であり、そこにすごく合っていると思います。
口の中まで奇麗に塗分け。
白眼なので当然ながら両瞳の向く方向を気にする必要はなく。
非常に満足度が高いです。
可動は四肢のみ。
腕が縦ロール可動なので、動きは付けやすいと思います。
これほどボリュームのある首だと、動かしにくい。今回の可動部は、これで良かったのでしょう。
腕の上げ下ろしだけでも、それなりに雰囲気は変わる。
下半身が逞しいからか、腕を降ろすと一気に不良(ヤンキー)感が出ますね。
動きを付けて、岩山を蹴り砕くシーン。
箱根の大涌谷でのバラゴンとの死闘は、未だにその部分だけ見返すほど大好きなシーンです。
引きの画になった時の、睨み合う両者がカッコよくて気絶しそうになる。
街中に置いても映えますね。
初上陸の時は、かなり怖かったですよね。篠原ともえが入院している病院の窓に尻尾を叩きこんだり、逃げ惑う人たちに向かって熱線を吐き散らしてキノコ雲をあげたり。当時でできる最大限の恐怖を演出していたと思います。
破壊された建物に手をかけるゴジラ。
ゴジラは非常にシンプルな輪郭なので、こういう建物と簡単に組ませられて楽しいです。
GMKはナイトシーンも多かったので、
夜をイメージした写真も一枚。
闇の中に浮かび上がる白眼が印象的です。
英霊たちの怒りとして登場するゴジラ。
宥めるには、大魔神レベルの偉力が必要かもしれません。
コンビナートの危機。
漆黒に白という際立つ対比は、引きの画でこそ映えるかも知れません。
頭部に凶暴さや闘志が宿っているので、ちょっとした動きでも迫力を出せる。
いや~、楽しいです。
我が家のミレニアムシリーズのゴジラたち。
一体ごとに特徴も魅力も好き嫌いも全然違う。
ただ、作品によっていろんな解釈ができて、ゴジラデザインとて必ずしもシリーズを通底する「基本の型」は別になくとも良いということを示す好例にはなったのだと思います。ここで色んな可能性を試した、その過程が『シンゴジ』や『マイワンゴジ』にも活きているのだと思うしね。
今年に入ってムビモンはゴジラ関係しか買っておりませんが、これ、買いです。
この後、よっぽどお気に入りの怪獣ソフビが出てくるとかしない限り、2024年のムビモン個人ベスト1はこれです。
元々が好きなデザインのゴジラだからと言うだけじゃない。GMKゴジと言ったらこれ! というキモの部分を余すところなく抑えた上で、現行規格までぎゅっと凝縮させて見せた、とにかくクオリティが頭一つスバ抜けたゴジラソフビの傑作です。このゴジラだがアマだと2800円台、他のところでもそれくらいで買えるというのは、本当に幸運なことなんですよ。これだけ色んなものが高騰して、ウルトラソフビシリーズなんて安くする代わりに塗がどんどんオミットされている中、ムビモンは、そりゃ昔に比べたら遥かに値上がりしているだろうけれど、このレベルのモノを、在庫十分に用意して、何ならリアタイで買うというところさえ我慢すれば、それなりに値段が下がった状態でも買えなくはない。そういう恵まれた時代の中で、こうした素晴らしいGMKゴジラに出会えるというのは、もう一怪獣玩具ファンとしては言葉にできない嬉しさです。
こればっかりは、ゴジラが好きな人も、そうでない人も、絶対におさえておかないとダメ! 11月? に出る初代ゴジラと合わせて、おススメの一級品です!!