S.H.モンスターアーツ ゴジラ(1972) | 怪獣玩具に魅せられて

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つい先日発売された、『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』に登場したゴジラ(1972)。

一般販売で今でも定価以下で買えるのは、これと1954年版の初ゴジくらいかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

裏面はこんな感じ。

ガイガンと闘った時のゴジラって、ベビーフェイスになる一歩手前。ゴジラ造詣の中でも特に人気がない。

それが、酒井ゆうじさんの手にかかると、あれ? 意外とカッコいいかも……ってなるんだから、不思議なもんです。

 

 

 

さっそく開封してみました。

あれ? こいつ、めっちゃカッコよくない??

長らく踏襲されたモスゴジのイメージを色濃く残す、非常に渋くて凛々しいゴジラ。

おいおい、こいつは快作の予感だぜ……。

 

前から。

この時期のゴジラの一番気に入らないところは、目つきと豚鼻。

それは、このアーツでも忠実(笑)に再現されています。

この画角だと、MEZCOの怪獣総進撃フィギュアのゴジラとよく似ていますね。

 

 

横から。

アーツのゴジラは体表の彫りが深くて、それがこのサイズに凝縮されるもんだから、元のデザインよりも遥かに緻密に見える。それが造形の渋さ、カッコよさに繋がっていると思います。

この時期のゴジラなんて、着ぐるみの劣化が著しかった頃なのにね。ちなみに写真で見るよりも実物は緑がかっています。

 

 

この時期のゴジラは足の角度に迷いますね。

本編に忠実にするなら直立が望ましいんですが、どうしてもある程度の角度を付け、やや股割り加減で立たせたくなりますよね。

 

背中。

尻尾は短め。ただ良く動く。

この尻尾の短さも含めて、全体的にコンパクトにまとまっている感じは、この時期のゴジラの美点の一つかもしれません。

 

背鰭。

ウレタン感があって、良いですね。

この辺の再現度の高さは、モンアツでもムビモンでも素晴らしいものがあります。

 

顔のアップ。

ベビーフェイスゴジラじゃないんですね。

この渋い顔つきと、凛々しい眼差し。

あれ? めちゃめちゃカッコいいじゃないか……ちょっと惚れたぜ。

 

 

左右で若干目の位置が違うので、

画角によっても少々印象が変わりますね。

 

 

口は開閉します。

歯の乱雑さは、本編を忠実に再現している感じがあります。

口を開くと、一気に本編のゴジラらしくなりました。

 

僕の好きなゴジラデザインと比較すると、目の部分の高低差に対して、ちょっと鼻づらが短すぎるんですよね。

ただ……このアーツで見ると、そこまで悪くも感じない。

 

う~ん、でもやっぱり口閉じている方が、凛々しいかなあ。

 
 
飾っている棚の位置だと、口を開き気味にしている方がカッコいいかも知れない。

image

 

 

さて、可動ですが、僕の引いた個体は両腕に若干の制限がありました。

それでも、ぐりぐりと動かすのが楽しいです。

歴代ゴジラの中でも、「キャラクター」っぽいゴジラなので、色んなアクションがしっかり決まるところに魅力があります。

 

 

首が長いのも利点で、

見得を切るような、ある程度の体の捻りが必要なポーズも可能です。

 

 

 

本編自体が、両腕を使った格闘アクション多めだったのもプラスに働いている。

それが本編以上にカッコいいゴジラで再現できる嬉しさ。

シンプルな上に、前述の通りコンパクト目にまとまっているので、アクションの「定着感」が良いんですよね。

 

足上げ。

身体はかなりの部分まで傾けられます。

これにより、下を向いて吠えるなどのアクションも可能。

 

 

腕がいいアクセントになりますね。

ただ、寄りの画よりも、引きで全体を撮った方が映えるゴジラだと思います。

 

 

首の角度次第で、目に影と落とすことも可能。

これがまた、中々渋い。

目部分の凹凸が極端なこの時期のゴジラだからこそ、宿る陰影の妙ですね。

 

お相撲さんのように、どっしり構えさせてみる。

こうして見ると首が長くで撫で肩。

恐竜人間(ディノサウルロイド)のようなシルエットですね。

個人的にはこういう恐竜人間っぽいのはあんまり好きじゃないので(例外はありますが)、アクションや構えなどで、少しでも怪獣らしさを出せるように飾りたいです。

 

 

爪をひらめかせるゴジラ。

腕がしっかり持ち上がってくれるから、ダイナミックなアクションが撮れる。

 

 

 

箱の裏に乗っていたポーズ見本で試してみた。

良いですね。よく分からないけれど、すごく良いですね。

 

 

地球攻撃命令――!

宿敵をぶっ倒せ!!!

 

 

 

ガイガンの爪がひらめき、

ゴジラの額に深く食い入った。

 

 

必死にかじりつくゴジラ。

 

ぶつかりあう巨大怪獣。

お互いにちょっと腕のリーチが短いので、しっかり組み合えないところも怪獣の哀しき性。

 

 

頭部は、ダメージバージョンに変更可能。

頭部から血が流れている以外に、大きな変化はありません。

 

 

 

ただ、これがあるとなしとでは、けっこう印象に違いが出ますね。

ほら、何か、満身創痍って感じがしません??

事実、『地球攻撃命令』『対メカゴジラ』『メカゴジラの逆襲』は、正直どうなのってくらいの流血がありますからね。額からの流血なんて、まだまだ大人しい。これより少し前、大映では『ガメラ』シリーズがバンバン流血していたんですよね。それの逆輸入じゃないけど、ゴジラも血を吹き出す時代でした。

 

 

 

初代ゴジラとの比較。

むしろモスゴジと比較して、あれこれ言いたいんですが、持ってなくて……。

プレバン限定だったから、再販は難しいのかなあ。再販して欲しいなあ。

 

とりあえず買っておくか……ぐらいのテンションでポチったゴジラ1972でしたが、

すみません。完全に虜です。

以前、ファイナルウォーズのアーツとソフビの時に、「映画よりもカッコいいフィギュア」を手に入れる嬉しさについて書きましたが、このゴジラ1972も、映画を超えて魅力的なアイテムになっていると思います。逆に、このアーツを手にして、「こんなカッコいいゴジラが出てくるなんて、どんな映画なんだろう」って思って『地球攻撃命令』を観たとしたら、あまりの残念っぷりに唖然とするかも。詳しくはゴジラのざっくり感想で書きましたが、『地球攻撃命令』で良かったのはガイガンのデザインくらいです。

 

逆に、あの『地球攻撃命令』のゴジラから、ここまでカッコいいアイテムに昇華させたことが驚きですよ。本編のゴジラから乖離しているわけではないし、確実に『地球攻撃命令』のゴジラだってことは分かるのに、なぜかめちゃめちゃカッコよく見えてしまう。これには驚いた。この手腕をもってすれば、豚鼻とメタボ体質が不人気ぶっちぎりな『ゴジラの息子』のゴジラ(ただしこっちは、映画本編は相当面白い)、ベビーフェイスの極致で、もはやセサミストリートのクッキーモンスターみたいな『ゴジラ対メガロ』のゴジラも、カッコよくなるのかも知れません。

 

正直、72年版のゴジラってメジャーどころではないので、手が伸びないでいる人もいるかも知れません。が、個人的には、定価以下で買えるチャンスに恵まれている今、チェックは必須だと思います。本当に、意外にカッコいいし、遊びごたえがあるし、よくできている。独自の味わいと魅力を持つゴジラフィギュアとして、このゴジラ1972、僕は超お気に入りです。