邪神 メガロゾーア(第二形態) | 怪獣玩具に魅せられて

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ウルトラマントリガー、テレビシリーズ最後にして最大・最恐・最凶の敵。
メガロゾーア第二形態、こちらもウルトラ怪獣DXシリーズからの登場です。

 

 

僕はJoshinの安売りで買いましたが、アマでも値段は2300円前後で定着した感がありましたね。

このソフビ、けっこうボリュームあるんですよ。で、買いに行ったときに袋忘れちゃって、むき出しのまま持って帰ったんですが、「何? あのペット……」的な、周りの目線が痛かったですね。往年のウルトラ怪獣のデザインとは、やっぱりかけ離れているから、ソフビだと分かっても何のキャラクターか分かってなかったんでしょうね。

 

 

正面から。

DXシリーズの中でも、けっこう重いです。手にずっしり来る感じが好ましい。

基本的には左右対称構造ですが、蟹のハサミのような部分の開きが違っていたりと微妙な部分に拘りがあります。

 

 

横から。

何に一番目が行くって、やっぱり両肩部分のアンモナイトみたいな奴。これのボリュームが相当に凄い。

そこから一本、タコ足がにゅるっと出ているなど、海生類、しかもちょっと見た目には気持ちが悪い、「初めて食った奴の気が知れない」シリーズの筆頭に挙げられるような生き物が、全体のモチーフとして取り入れられていますね。アンモナイトは食った人間いないけどね。

 

しっかし、第一形態からだいぶ変わりましたな。

第一形態が、こんな感じでした。

それが海帰りして、海生類のモチーフと融合して、顔がさかさまになって、「スマイル・スマイル」したら――

こうなるわけですね。

貝のような造形が、全体デザインの大きな要素になるところとか、禍々しハサミとか、もちろんさかさまの顔などは、ティガのラストの敵であったガタノゾーアを共通する点ですが、メガロゾーアはそこに、第一形態時点でのスタンダードな怪獣スタイルをも取り入れている。その結果、クトゥルフ神話をウルトラ怪獣の文脈で読み替えていたガタノゾーアとは少し違って、クトゥルフ的なグロテスクさはそのままに、一方でウルトラ怪獣らしさを意識させるデザインや造形になっていると思う。

 

後からみると、ガタノゾーア的な意匠を、水泳で使うヘルパーのように両肩に装着しているようにも見える。

尻尾などは、第一形態そのままですもんね。

 

 

 

しっかし、このアンモナイト的な造形は本当に凄いな。

螺旋がすごく奇麗。実は顔のようなものも見えている。

海生類のモチーフは、ガタノゾーアと比べても、より直接的に取り入れられている気がする。

 

 

胴体部分は、第一形態と共通。

調べてみたら、着ぐるみが共通してるんですってね。つまり第一形態のオーソドックスな怪獣造形があって、第二形態はそこにパーツを付け足しているんですよね。さっきの、水泳ヘルパーのように見えるってのは、あながち間違ってなかったのか。

 

 

最初は、背負い物のサイズが、もう少し小さめだったらしいですよ。でも、スーツアクターさんの、「もっとできるぜ?」の一声で、大きくなったんだって。ウルトラ怪獣の魅力は、こうした現場のガッツとクリエイティブによっても支えられているんですね。この話を聞いてから、メガロゾーアがもっと好きになりました。

脚部も第一形態と共通。

足の先端にタコのような疣が付いているなど、細部が変更されています。

 

 

全体的に海生類の疣々がちりばめられているのも、第一形態からの大きなテーマ変更ですね。

 

 

蟹のハサミのような部分も、かなり禍々しくて良い。

ただのハサミってわけじゃなく、独特の彫りがあったり、古代文明をイメージしているかもしれない◎も付いている。

こっからのアングル、中々カッコよくて好きです。

アンモナイトの先端から、すだれのようにだらりと下がっている部分も、ボリュームの暈増しになっていると思う。

 

 

さて、顔をアップにしてみましょう。

うわー……笑てるで。

 

トリガーの主人公、ケンゴが頻りに「スマイル、スマイル」って言ってましたよね。

あれ、あんま好きじゃなかったんですけど、その「スマイル」に対する最悪・最恐のアンサーを、シリーズ最終の敵で出してくるっていうね。一番、縁の深かった、一番、最後の敵が見せる「さかさまの笑い」--。こういう、主人公のキャラクター性の反鏡として使われるデザインやアイデアは大好きです。

 

 

目の部分に金が入っているから、どうしてもカルミラが意識されますよね。

つまりこの「さかさまの笑い」はカルミラのものなんでしょうね。

顔が逆なのは、ガタノゾーアと同様。まあ、ガタノゾーアは正確に言うと、目が顎についているんですけどね。

今回は、より顔つきがはっきりしているので、明確に「さかさま」ってことが分かる。それが前述の通り、キャラクター性につながっているところですね。

 

横から。

第一形態の時にもあった角にも、疣のようなものが付いている。

 

 

 

いっそのこと、さかさまをもう一回さかさまにしてみましょう。

うわっ、けっこう怖いな、これ。

第一形態の時は、口元はマスク上で開かなかった。この第二形態でマスクががっつり開いたわけですね。

 

コロナで、マスクが当たり前の時代になりましたもんね。早くマスクが取れて、みんなが「スマイル」を見せられる世界になれば良いですね。ほら、こんな感じに――。

まあ、作り手にはそんな意図はないんでしょうけど。
 
さて、可動ですが足です。
正確には、怪獣としてのメガロゾーアの脚と、アンモナイトの横から出ているタコ足です。
 
 
 
この螺旋の中心から突き出ているタコ足が、ぐるぐる回るんですよ。
巨大な造形を背負っていることもあって、可動範囲は広くないですね。
その異様堂々とした佇まいだけでお腹いっぱいになる怪獣ですからね。
 
 
アーツと絡めてみました。
これほど巨大だと、ウルトラマンが2人いてもボリューム負けしませんね。
 
 
ガタノゾーアとは異なって、メガロはフットワークが軽いんですよね。
なので、ウルトラマンとの肉弾戦アクションも劇中で展開されていました。
 
 
大きさ比較。
悪くないですが、メガロの方がもう少し大きくても良かったかな。
 
さて、こっからはお遊びです。
 
 
メガロが海生デザインを多分に取り入れているということで、
同じ古代文明出身の守護神怪獣と絡めてみた。
 
 
守護神と邪神。
メガロゾーアは、オーソドックスなウルトラ怪獣タイプというよりも、どちらかというとガメラ怪獣のようなユニークさがあると思っています。ぶつかり合ったら、意外と映えるんじゃないかな。
 
 
進撃の邪神。
 
絶望の産声。世界の終焉。
 
 
あるいは舞台を深海に移して――
「こちら轟天号! 日本海溝にて、二体の深海怪獣の激突を確認!!」
 
 
ということで、メガロゾーアの紹介でした。
ウルトラマンティガは、テレビシリーズのラストバトルにガタノゾーアを持ってきて、映画シリーズで闇の3巨人を持ってきた。
トリガーはこの2つの要素を端から一つにして、テレビシリーズを展開させた。それがために取っつきにくくなったり、話が散漫になったり、興味の持続というところで難があったりと、結果的に不満に思うところや、言いたいことが色々と出てくるウルトラマンとなってしまいましたが、最後、このメガロゾーアの造形や設定に全てが集約されていったのは、とても良かったと思います。
 
何より、怪獣の「顔」のデザインに、ちゃんとしたキャラクター性や、シリーズを通した要素が盛り込まれていたのが好ましい。怪獣のデザインを通して、何かを「語る」というのは、こういうことなのかもしれませんね。