特に、何年物という表記はなかったけれど、デザイン的には2004の『ファイナルウォーズ』のものです。
ラドンのソフビって、意外と出てない。もちろん昔は、けっこう精巧な初代ラドンのソフビとかありましたが、現行のムビモンでは、これと、ハリウッド版ゴジラ『キングオブモンスター』に登場した、ゴマすり糞バードラドンしか出ていないんですよね。あっちのラドンは、本編でのビジュアルが良かっただけに、ムビモンではあまりカッコよく見えなくて、見送っている状態です。
前から。
翼も含めると、かなり広い。前後の奥行に乏しい分、幅が凄いです。
斜めから。
頭がややでかめなことを除けば、劇中のプロポーションを忠実に表現しているのではないでしょうか。
体色も、映画公開時のものより抑えめの茶色になっていて、僕はこっちの方が好きですね。公開時は、けっこう明るめの赤で、常時ファイヤーラドン? って感じでしたからね。
ゴジラ、アンギラス、バランなどの東宝初期怪獣は、生物の延長線上のデザインや設定が基本なので、彩色もそれほど奇抜にはなりません。このラドンも、基本的な怪獣色を踏襲しており、非常に渋い感じに仕上がっています。
ラドンは『空の大怪獣ラドン』に登場して以降、『三大怪獣 史上最大の決戦』『怪獣大戦争』『怪獣総進撃』と登場していく過程で、どんどんデザインが柔和? 不細工? になっていった。平成に入ってからの、『ゴジラVSメカゴジラ』では、より翼竜然としたラドンが登場しました。『VSメカゴジラ』は、ベビーの恐竜らしさと言い、明らかに『ジュラシック・パーク』の影響下にあって、往年の怪獣らしさはそんなになかったですね。そして2004年の『ファイナルウォーズ』で、脇役の一端とは言え、『空の大怪獣』を思わせるスタイルが再登場。以降『シンギュラポイント』やハリウッド版など、割かし独自に再解釈されることが多い怪獣かもしれません。
背中。
背中は潔く一色。
ゴジラのような背びれもないし、ええい、やっちゃえーって感じで、塗りつぶしたのだろうか。
顔のアップ。
目元の皺が凄い。寝てないのかしら。
首が太いところや、頭の角のようなとんがりが小さめであるところが、初代と大きく違うところですかね。
あと、嘴が黒い。
細かなデザイン変更はあれども、一応、歴代の中では初代に原点回帰を図っている方です。
目は奇麗な緑色。この辺の塗分けは、さすがムビモンと言ったところ。
けっこう険しい顔をしていますが、実はラドンって初代は生物的な険のある、けっこうエッジの利いた顔をしていました。
個人的には、嘴がもうちょい長い方が好みなんですが、そもそも『ファイナルウォーズ』に登場したラドンが、嘴短めなんですよね。
横から見ると、こんな感じになります。
首が太い。着ぐるみだと、ここにアクターの頭が入るのだろう。
さて、胴体部分ですが、意外と筋肉質。
映画本編では、あまり分からない(出番少ない上に、基本飛んでる)んですが、かなりスタイル良いですね。
胴体のほっそり加減は、初代に通じるものがある。あと、独特の蛇腹? が張り付いた胴体から太もも部分が個人的にはお気に入りです。
そこにアップ。
『空の大怪獣』に登場した初期ラドンは、スカート上の襞が股の間に垂れておりましたが、2004年のラドンは、蛇腹状の造形が、少し膨らんだ太ももを覆っており、ニッカボッカのような、ふわっとしたズボンを履いているような造形になっています。こういうところに、怪獣表現の独特性を感じられて、面白いですね。
シルエットは一見シンプルなようでいて、前後に妙に凹凹している。
特に背中部分が、首のすぐ下でこんもりしているなど、滑らかな線を描いてはいるけれども、けっこう癖のあるシルエットになっています。首のところも三段くらいにもこもこしていて、ちょっと肥満体っぽい(笑)
脚部。ここだけ唯一、可動します。
膝部分が動かせる。
ただ、細い足なのでバランスは悪く、自立させようと思ったら角度が制限されてしまいます。まあ、ここが動いたからとて、ポージングに影響が出るモノでもないんですけどね。
背中部分。
尻尾代わりに筆のような襞が尻を覆っております。
細かいディテール。墨入れしてくれたら、もっと目立ったかもしれません。
大きさ比べ。基本のムビモンと同じくらいと考えて良い。
ラドンは尻尾がないため、前後のボリュームには欠けますが、やはり翼を広げている分、幅が広い。
飾るときはどうしても後ろ側に置かれがち。それでも、存在感はあると思いますよ。
せっかくなので、この前手に入れたアーツのゴジラ2004と。
大きさ的にも申し分ないですね。
本編ではゴジラとラドンが一対一でぶつかることはなかった。