ムビモンとは、ちょっと違うのかな?
映画、平成『モスラ』に登場した敵役デスギドラ。映画公開当時に買ってもらってずっと愛用してきた、ラージサイズのソフビです。
傑作ですね。このカッコよさ、何年経っても色褪せません。
平成『モスラ』の公開は、1996年。おりしも、平成ウルトラマン第1作である、ティガの放送開始と同じ年。ウルトラマンTDGの怪獣はとにかく濃いという話はよくしていますが、東宝怪獣も顔が濃い、ヤバめのやつが多かった。このデスギドラは、濃い顔東宝怪獣の極北みたいなやつです。
正面から。
四足歩行のギドラ。後年、カイザーギドラが登場するまで、このインパクトはデスギドラが独占していた。
斜めから。
平成ゴジラには四足歩行の怪獣がいなかった。平成初期のモスラやバトラ、ビオランテのように、二足歩行ではないスタイルの怪獣は多く登場したけれど、後半期はメカゴジラやスペースゴジラなど、同じスタイルの怪獣が相次いだ。
主人公怪獣のモスラ自体の体高が抑えめ & あいつは基本飛んでいるので、どんなスタイルの怪獣でも合わせやすくなったんでしょう。その一発目が、四足歩行のギドラーー当時は、すごく興奮しました。
このソフビは、たしかクリスマスに父方の祖父母からもらったんだったな。
平成モスラの怪獣は悲しいくらい商品化に恵まれていない。公開当時はこれやら食玩やら色々あったけど、ムビモンのラインナップには上らんし、今やすっかり忘れられている怪獣たち。だからこそ、このデスギドラのソフビは貴重です。
背中。
悪魔のような翼。
デスギドラって名前も、当時は新鮮でした。ちょうど一年前に、『ゴジラVSデストロイア』があったから、それを引き継いで、デストロイアとギドラの合体なのかなと思ったりした。
顔のアップ。
良いですね!
キングギドラとはまた全然違ったアプローチの顔。岩のように硬質な感じ。こいつは強そうです。
平成キングギドラと同様、西洋のドラゴン顔ですね。
ややアオリで。
首の長さもちょうど良いバランス。いわゆる「キングギドラ」系統の怪獣に比べると短めかもしれませんが、四足歩行だと、長すぎるとバランス崩れるんですよね。なかなかの重量感です。
可動は四肢。あと、翼の向きを変えることができる。
デスギドラはアンギラスや四足歩行時のバラゴンとは違い、後脚も膝をつかない。ウルトラシリーズでいうと、ドドンゴとかがそうですね。ドドンゴが2人1組タイプの着ぐるみであるのに対し、このデスギドラは前足の方に杖を入れることで、アクターが膝をつかないように工夫してあるそうです。色んなやりかたがあるなあ。
どろりと流れた溶岩が、再び凝り固まったかのようなデザインが秀逸な胴体。
ぼん、きゅっ、ぼんの筋肉質なボディ。
この辺が、平成怪獣の「濃いぃ」ところですね。
背中のアップ。だいぶ埃かぶってます。
トゲトゲがあったりと、とにかく悪そうな背中。
首の軌道、向き、彩色なども文句なし。
素材がかなり硬質なので、経年によりヘタレることがありません。
腹部や足の一部に混じる白。石灰っぽい色ですね。
骨のようでもあり、グロテスクです。
カッコいいなあ。ちっとも見飽きません。
アーツのゴジラ2004と同じように、映画本編よりも光るフィギュアかも知れませんね、
平成シリーズは基本、光線の打ち合いだったので、思ったほど怪獣らしいアクションはしてくれないんですよ。
まあ、相手がモスラだから仕方ないところはあるんだけれど。
こいつも殆ど可動らしい可動はしないんですが、とにかく凶悪な面構えが最高です。
ギドラ族と。
裏設定では、デスギドラの正体は生命不在の宇宙を構築するための負の生命であり、本体はマグマ状。かつて交戦したキングギドラと姿をコピーしているということらしいですね。
つまりギドラ族ともまた違う、完全に異質な存在。それがデスギドラ。
デスギドラとキングギドラの死闘。見てみたいですね。
ぜひとも、アーツでデスギドラを出してもらって、計6つの首を、ぐわんぐわん絡ませてみたいです。
破壊された建物の中に佇むデスギドラ。
翼に癖がついてしまっていますが、モノが良いのでそれ以外に目立つ傷や汚れはありません。ずっと大事に持ってきた、思い出深い一品です。
大人になって怪獣玩具に改めて魅せられてから、メルカリやリサイクルショップなんかで、昔懐かしのソフビをレスキューするようになりました。それはそれで楽しいことなんですが、それとはまた別に、僕自身が子供の頃に持っていて、後生大事にしてきた怪獣たちにも、相応の思い入れがあります。このデスギドラも、そのうちの一つ。今やほとんど顧みられず、忘れられている怪獣であればあるほど、それらとのファースト・コンタクトの思い出には、何にも代えがたい輝きがあるように感じます。