巷のレビューでも、評価が高い、アーツのゴジラ2004。これは個人的な意見ですが――
映画本編を超えるカッコよさを持つ傑作ですね。このゴジラは。
前から見た図。
さほど体高はありませんが、FWゴジラらしい引き締まったボディ。
特に胴回りはスリムで、全体的なシルエットは限りなく人型に近い。
斜めから。
非常に独特なデザインですよね。
一番近いのは――このスリムさを考えると、実は1955年の逆襲ゴジラではないだろうか。
首がまあまあ長いのも、逆襲ゴジラっぽいですね。
耳がピンと立っていて、口の中の一対の牙が目立つことから、ネズミ顔なんて言われております。
口の開閉だけでも、だいぶイメージが変わりますね。
背中。
こちらも格闘特化のためか、背びれの数は控えめです。
背中らへんが、大きく左右に傾いでいるのも特徴。
俯瞰して見ると、プロポーションの良さが目立ちます。
切れ長の眦に陰が入る。この険がタマりません。
顔のアップ。
永遠に消えない怒りを宿した瞳も、忠実に再現。
アーツのゴルザもそうでしたが、怪獣アーツにおける瞳表現や塗分け、顔全体から見たときの眼差しなどが、極端にブラッシュアップされています。
口が開くと、一気に狂暴化。
口の中の生々しさも良いですね。映画では、けっこう奇麗な歯茎してましたが。
正面から見てもほら、目がイッた向きになっていない。
むしろ影に沈んだ瞳が、めちゃくちゃカッコいい。
FWゴジラは、歴代の中でも顔がすっごく小さいんですね。特に口吻が短く、平たい。その小ささの中で、鼻先やゴツゴツした体表などが再現されている。本当に丁寧で、細かい仕事です。
口はしっかりと閉じて、違和感がない。
あみあみから予約したんですが、僕のところに来た個体は、到着時点で下顎が完全にはずれてたんですよね。
ピンセットと爪楊枝でつけ直すのは、中々大変でした。
眉が太いのは、釈ゴジやモスゴジに近い意匠かもしれない。
ということで、釈ゴジと。
やっぱり、釈ゴジの方が、従来の「怪獣っぽさ」はありますね。
FWゴジは、口吻の波状のラインが、確かにネズミっぽい。
さて、可動ですが、ゴジラアーツの中でも最強かもしれない。
そもそもFWゴジラがアクション重視のゴジラであり、それを再現したゴジラアーツ2004も、これまでよりも少し軟質な素材を使ったりと、蒲広いアクションが実現できるように計算されて作られています。
南極で目覚めたゴジラの咆哮。
これができるのが凄い。ここまで首が上を向くのは、首を長めに取っているFWゴジだからこそ。
可動部はいずれも渋く、保持力は高い。ここぞというところで、しっかり止まってくれる。
『ゴジラ ファイナルウォーズ』は、好きなシーンも多いんですが、個人的には音楽とゴジラのアクション、人間ドラマの薄さがどうも目につく作品で、ゴジラシリーズの中ではさほど評価は高くない。
特にゴジラのアクションについては、怪獣着ぐるみの宿命か、怪獣格闘に特化すればするほど、どうしても動きが人間臭くなって、怪獣の重量感はないし、動きが嘘くさいしで、あんまり好きになれなかった。
この、モンスターアーツ ゴジラ2004は、あの時感じていた不満を、「じゃあ、自分だったらこんな風にやってみようか」という、そんな逞しゅうした想像を、実際のフィギュア上に創造できる最高のアイテム。
アクションフィギュアが、映画を超えるって、こういう時に起こりうる。
見栄を切るゴジラ。
足は左右に広がるので、しっかりと股割りすることができます。
太もものゴツゴツも、可動に干渉することはありません。
瞋恚に燃えた咆哮。
映画ではあまり見られなかった、どっしりとした構えもばっちりできる。
四肢の可動が見事ですね。
尻尾の支えがある怪獣アーツの強みを活かして、色んなポーズを試してみたくなります。
足の可動構造が大変優れており、非常に範囲が広い。
泳ぐゴジラも再現できる上、
限界まで体を起こしての遊泳もできる。
いやあ、楽しいです。
どうしても似たようなポーズが多いので、写真もう少し増やそうかな。
「さらば――ゴジラ」
印象深い、見返りの1ショット。
宿命の対決。
轟天号VSゴジラ。
FW本編の最序盤。この組み合わせは素晴らしいと思ったんですけどね。
こんな感じの、交差するショットが欲しかったわけですよ。
なので、自分でやってみる。
ゴジラの目線がしっかり決まるので、色んな怪獣と絡めて遊べますね。
ややアオリからの素立。
イケメンです。ネズミっぽいとか言ってごめんなさい。
本当にスタイルが良いゴジラですね。人型すぎる怪獣って苦手だったんですが、このゴジラ2004くらいになると話は別です。
遊んでよし、眺めてよし。
すっごく楽しいアクションフィギュア。
ヨドバシやゴジラストアでは完売が続いていますが、なぜだかAmazonでは定価と同程度で売られていることがあります。
モンアツはあんまり再販されない印象なので、ここぞという時にゲットしておいた方が良いかも。
アクションフィギュアとしても、ぶっちぎりにおすすめです。あくまでも個人的な意見ですが、映画本編以上に素晴らしいゴジラです。『ゴジラ ファイナルウォーズ』も見せ方が悪かっただけで、怪獣バトル! バトル! バトル! の趣向は決して悪くなかった。だからこそ、このゴジラ2004のアーツで、2004年時には再現できなかった、自分だけのカッコいいバトルを再現してみてはいかがでしょうか。
そのためには……そうねえ、やっぱり、今プレバンで予約実施中の、あいつも必要となってくるのかしら。本当に……バンダイはこっちの財布をどんどん抉じ開けてきやがるぜ……。