体色も体格も、元のパラスタンの面影がうかがえないくらいに激変している。
デザイン的に非常に面白い怪獣です。
前から見た図。
エジプト文明のような金飾りと、ヤギのような巨大かつ凶悪な角が特徴。
真っ赤な体色に険のある顔が、鬼のようでもあります。
真っ赤な体色に、さらに真っ赤に染まった目という組み合わせも、新鮮味がありますね。
横から見た図。
体色のために派手な印象を受けますが、デザインと色遣いは、実はけっこうシンプル。
コスモスを二話にわたって苦しめた強敵であり、格闘にも秀でていたことから、造形的な付け足しはあまりできなかったのでしょうか。
代わりに、とにかく筋肉隆々で、すごく強そうな印象を受けます。
やや前傾姿勢気味なのもカッコいい。
手の付き方や足の角度など、機敏そうですよね。
背中部分の左右の突起が翼の付け根のようでもある。
尻尾も、それなりに長いです。
劇中では、尻尾をコスモスに掴まれて、ぶん回されていましたからね。
顔のアップ。
丁寧な彫りですね。口の中の牙が黒く塗られているのも、けっこう目立ちます。
横から見みても、なかなか凶悪な顔でよろしい。
ファラオのような顔周りの飾りも、古代文明感が露骨に出ていて、カオスパラスタンの設定に説得力を与えています。
ムッキムキの胴体。
こんなボディになりた……くはないかなあ。
背中の持ち上がりも、質感が少し不気味です。
赤い身体に、金飾りが映えますね。
足も金に覆われているなど、狂暴な怪獣と文明との微妙なコラボレーションが、独特な雰囲気につながっています。
可動は胴体と腕。それほど自由度はありませんが、そもそもの姿勢が決まっているので、それほど動かなくても不満はありません。
コスモスの怪獣の中でも、割と異彩を放つ遊星怪獣。
他の星出身、かつその星を舞台にして戦った怪獣は、テレビシリーズにおいてはこのカオスパラスタンだけでしたね。
ちなみに、このカオスパラスタンが登場した第21・22話は、今は押しも押されぬ名優となった、ある方が若いころに出演されてるんですよね。その方は、『シン・ゴジラ』でもけっこう重要な役どころで起用されていました。意外と、特撮に縁のある――というか、そのキャラクターが、空想科学の中で、意外と映える人なんですよね。ぜひとも、探してみてください。