ムービーモンスターシリーズ ヘドラ | 怪獣玩具に魅せられて

怪獣玩具に魅せられて

ゴジラ・ガメラ・ウルトラマン、その他たくさんの特撮怪獣玩具を紹介します。

♪水銀 コバルト カドミウム
鉛 硫酸 オキシダン♪
どっからともなく歌が聞こえてきそうな、公害怪獣ヘドラ。なんと50周年なんですね。
おめでとうございます。

Bandaiのムビモンから新造形で登場したヘドラ。

これまでも何度かソフビ化されてきましたが、一般流通商品の中では、これが決定版なんじゃないでしょうか。

 

横から見た図。

どろりとたれるヘドロ。怪獣であることを示す尻尾が印象的。

どっしりとした佇まいが、いろいろとヤバいです。

 

ゴジラやキングギドラとは違う、完全左右非対称のデザイン。

こっち側から見ると、肉厚にも感じます。

初見から一貫した、見た目のインパクトが凄いですよね。

こいつはAmazonで売り切れ、ヨドバシで売り切れ、ジョーシンでも売り切れたので、トイザらスで買ったんですが、トイザらスにこいつが4体くらいずらりと並んでいる様は、とにかくヤベエの一言しかなかったです。それが、ゴジラやガイガンと同じ棚に並んでんだからね。

 

前から見た図。

中にヘドロがぐっちょり詰まっている感が素敵。やっぱり、ヘドラはこの巨大感がないとね。

2004年『ファイナルウォーズ』で再登場したヘドラでしたが、その時の造形は、シルエットがより人間っぽくなっていて、けっこうがっかりしたんです。このオリジナル・ヘドラは人間のシルエットをしているようで、異様に肥大した頭部など、やっぱりどこか「怪獣」なんですよね。さらに両手が前にだらりと垂れて、幽霊的でもある。この意匠の組み込み方が、素晴らしいと思います。

 

 

背後。毒々しい。

背中の隆起のぶよっと感が本当に気持ち悪いですよ。

ここで使われている赤と黄の「穢れ」感も素晴らしい。汚れた排水の中に漂うねばついた油をイメージさせます。すっごい有害感。

 

顔のアップ。

左右で目の位置が微妙に違っているのも特徴。

何も見ていない、うつろな瞳が怖い。

 

頭部を俯瞰すると、細かいディテールにも目が行きます。

頭部には全体的に輝度のあるシルバーが吹かれている。

これがまた、良い鉱物感を出していますね。ヘドラは隕石に乗ってやってきた鉱物怪獣でしたもんね。

 

頭部の罅割れも鉱物感。と同時に、乾いて罅割れたヘドロの塊を想起させます。

頭のてっぺんから、だらりと垂れるように塗られた黄色も気持ち悪くて良い。

 

首と胴体の繋目はあいまいで、横に広い腕がにょっきり突き出している。

ヘドロの狭間に塗られた赤。生々しいですね。

 

下半身はどろりとして、本当にヘドロが立ち上がったかのよう。

特に、地面に伸び広がるような造形をした足が良いですね。どろりどろりと、広がっていく感じね。

 

 

さて、ヘドラには性的なイメージが強く表れているということですが、それを象徴するのが目ですね。

言われなきゃ気づかないけど、言われたら、なるほど……そんなもんかねえと思ってしまう。

 

背中の隆起物にアップ。

いや、このぶよっと感はヤバいですね。

実際に触るとソフビの硬質で安心するんですが、最初ここに手を付けるのは、ちょっと躊躇いがありましたね。ここだけ柔らかかったらどうしようってね。

 

子どもには受けないだろうなあ。

でも、忠実に再現してない手抜きソフビだと嬉しくないしね。

Bandaiの再現魂に感謝です。大丈夫。子供に受けなくても、大きなお友達がたくさん買ってるようだから。

 

現行ムビモンの中で、まあまあ大きめです。

初代ゴジラと並べてみた。

『ゴジラ対ヘドラ』は、1954年『ゴジラ』の原点回帰的作品でしたね。

公害怪獣ヘドラは、原水爆の恐怖の体験として登場したゴジラに変わって、その当時、世間を悩ませていた公害の脅威の体現として登場します。

 

そんなヘドラにぴったりの場所は、やっぱりここ。

コンビナートですね。

 

ガスタンクを襲うヘドラ。

劇中では、煙突から立ち上る煙を吸い込んで、「ごきげん」でしたね。
 
ガスタンクと並べると、ちょっとヘドラが小さめに見えますが、
蒸留塔と並べると、そこそこ大きいですよ。
 
 
最近入手した、子どもには受けないソフビブラザーズ。
マタンゴがプレバン限定ってのはよく分かるんですが、ヘドラが一般販売になるのが逆に意外でしたね。てっきりゴジラストア限定になるかと。
しかもこのボリュームで。「売れる」って算段があったんでしょうね。それが当たってんだもんね。
いかに、ヘドラに熱狂的なファンがいるかが分かります。確かに『ゴジラ対ヘドラ』って、なんか、ことあるごとに見直したくなる作品なんですよね。下手すりゃ、1954年版ゴジラと同じくらい見返しているかもしれません。
 
 
ムビモンの中では、要チェックな一品。
カルト的人気のある怪獣なので、売り切れが続発すると一気にプレ値になるかもしれません。
キモカッコいいヘドラ。うちの息子に「遊んでいいよ」って言っても、さすがに手に取りませんでした。
大人向け、しかも一部のマニア向けのアイテムとして、他の何にもない魅力があると思います。何度でも言いますが、これが他の人気怪獣と一緒に、おもちゃさんでずらりと吊り下げられて並んでいる光景が、僕的には作品『ゴジラ対ヘドラ』以上に怖い光景でしたね。