Bandaiのムビモンから新造形で登場したヘドラ。
これまでも何度かソフビ化されてきましたが、一般流通商品の中では、これが決定版なんじゃないでしょうか。
横から見た図。
どろりとたれるヘドロ。怪獣であることを示す尻尾が印象的。
どっしりとした佇まいが、いろいろとヤバいです。
ゴジラやキングギドラとは違う、完全左右非対称のデザイン。
こっち側から見ると、肉厚にも感じます。
初見から一貫した、見た目のインパクトが凄いですよね。
こいつはAmazonで売り切れ、ヨドバシで売り切れ、ジョーシンでも売り切れたので、トイザらスで買ったんですが、トイザらスにこいつが4体くらいずらりと並んでいる様は、とにかくヤベエの一言しかなかったです。それが、ゴジラやガイガンと同じ棚に並んでんだからね。
前から見た図。
中にヘドロがぐっちょり詰まっている感が素敵。やっぱり、ヘドラはこの巨大感がないとね。
2004年『ファイナルウォーズ』で再登場したヘドラでしたが、その時の造形は、シルエットがより人間っぽくなっていて、けっこうがっかりしたんです。このオリジナル・ヘドラは人間のシルエットをしているようで、異様に肥大した頭部など、やっぱりどこか「怪獣」なんですよね。さらに両手が前にだらりと垂れて、幽霊的でもある。この意匠の組み込み方が、素晴らしいと思います。
背後。毒々しい。
背中の隆起のぶよっと感が本当に気持ち悪いですよ。
ここで使われている赤と黄の「穢れ」感も素晴らしい。汚れた排水の中に漂うねばついた油をイメージさせます。すっごい有害感。
顔のアップ。
左右で目の位置が微妙に違っているのも特徴。
何も見ていない、うつろな瞳が怖い。
頭部を俯瞰すると、細かいディテールにも目が行きます。
頭部には全体的に輝度のあるシルバーが吹かれている。
これがまた、良い鉱物感を出していますね。ヘドラは隕石に乗ってやってきた鉱物怪獣でしたもんね。
頭部の罅割れも鉱物感。と同時に、乾いて罅割れたヘドロの塊を想起させます。
頭のてっぺんから、だらりと垂れるように塗られた黄色も気持ち悪くて良い。
首と胴体の繋目はあいまいで、横に広い腕がにょっきり突き出している。
ヘドロの狭間に塗られた赤。生々しいですね。
下半身はどろりとして、本当にヘドロが立ち上がったかのよう。
特に、地面に伸び広がるような造形をした足が良いですね。どろりどろりと、広がっていく感じね。
さて、ヘドラには性的なイメージが強く表れているということですが、それを象徴するのが目ですね。
言われなきゃ気づかないけど、言われたら、なるほど……そんなもんかねえと思ってしまう。
背中の隆起物にアップ。
いや、このぶよっと感はヤバいですね。
実際に触るとソフビの硬質で安心するんですが、最初ここに手を付けるのは、ちょっと躊躇いがありましたね。ここだけ柔らかかったらどうしようってね。
子どもには受けないだろうなあ。
でも、忠実に再現してない手抜きソフビだと嬉しくないしね。
Bandaiの再現魂に感謝です。大丈夫。子供に受けなくても、大きなお友達がたくさん買ってるようだから。
現行ムビモンの中で、まあまあ大きめです。
初代ゴジラと並べてみた。
『ゴジラ対ヘドラ』は、1954年『ゴジラ』の原点回帰的作品でしたね。
公害怪獣ヘドラは、原水爆の恐怖の体験として登場したゴジラに変わって、その当時、世間を悩ませていた公害の脅威の体現として登場します。
そんなヘドラにぴったりの場所は、やっぱりここ。
コンビナートですね。
ガスタンクを襲うヘドラ。