S.H.モンスターアーツ ミレニアムゴジラ | 怪獣玩具に魅せられて

怪獣玩具に魅せられて

ゴジラ・ガメラ・ウルトラマン、その他たくさんの特撮怪獣玩具を紹介します。

やっと手に入った。何よりも欲しかったゴジラ――。

モンアツの中でも、とにかく人気があって即完売していたミレゴジ。歴代ゴジラの中で、1.2位を争うほど好きなのに、全然手に入らなくて悲しかったんですが、このたび、ビックリするほど安く入手できました。

 

まあ、安かったのはかなり大きな欠品があったからなんですけどね。

 

じゃじゃん。まずは横から。

これぞミレゴジ。勢いのある前傾姿勢と、燃え立つような鋭い背びれの対比が何とも言えずカッコいい!!!

尻尾の可動開始位置からわかるように、初代ゴジラや平成ゴジラと違い、直立を目指そうと思っても前傾に近いポジションになります。

 

 

前傾姿勢から、鎌首状に少し上がる首も良いですね。

巨大な背びれを背負っていて、そのせいで身体を前かがみで支えている感じがあります。

ミレゴジは体高55Mで、初代ゴジラとほぼ一緒。ただ、前傾なので、腰をグキっと伸ばした、本来の「ゴジラ型」――直立姿勢にしたら、もう少しあるのかもしれない。平成ゴジラが、高くなっていくビル群の中で存在感を出すために、100Mまで大きくなったのに対して、ミレゴジの55Mは、前傾を活かした「勢い」「攻撃性」、もっというと「ヤンチャさ」を大事にしたんでしょう。トライスター版の『エメゴジ』が、ビル群の中を潜り抜けていくシーンにも、影響されているかもしれません。

 

前から。

正面から見ると、瞳が深い眉に隠れて陰になり、より凶悪な顔になります。

横から見るのと、前から見るのとではだいぶ印象が変わるのが、ミレゴジ雛型の面白いところですね。

 

後ろ。背びれがカッコいい。

剣山のように屹立する真ん中の一列。

3列あって、それぞれの背びれの感覚が気持ち広めですね。その広めの幅を背中に収めるために厚みは控えめ。それが刃物のような印象を際立たせます。

 

顔のアップ。これぞミレゴジ! の雛型!!

目の彫がすっごく深い。歌舞伎の隈取のようですね。

劇場版の着ぐるみは、もっとキンゴジ顔、もとい爬虫類顔で、雛型の顔とは印象ががらりと異なりますね。

口の中の生々しさも良い感じです。

 

横から見ると、劇中のミレゴジ感に近づく。

体表もトゲトゲしていて、とにかく攻撃的。触ると痛いのがミレゴジと釈ゴジ(笑)。

でろりんと伸びている舌まで、細かく作られている。

 

きっちり前を向いた大きめの瞳、キングコブラのように広がった首もとなど、キンゴジを彷彿とさせつつも、独特の意匠に仕上がっています。

首が思ったよりも長め。それもまた良し。

長めの首って、前傾姿勢で映えますよね。

 

 

体表の流れや、ピンと尖った小さな耳、背びれの過程など、このサイズの中で驚くほど彫深く造形されている。

眼差しが最高。すっかり惚れ込んでおります。

 

背びれのギラギラ感も好きですね。

こんだけ鋭かったら、メガギラスの肢くらい簡単に切れるだろう。

 

 

さて、このミレゴジ君ですが、ヤフオクで8000円だったんです。その理由が、右手と左股関節パーツの紛失。

幸いにもPAYPAYフリマの売り上げとポイントがあったので、それをフルに使って4000円台まで値を下げて買いました。

 

そして失われた右手については――

パテで作り直した。

「おゆまる」を使って左手の型を取り、その中にパテを入れて形を作って、完全に乾ききる前に取り出して、指の方向と長さを逆にして右手としました。よく見れば――って見なくてもわかるんですが、あんまり気にならない。いや、気にしない。

 

股関節のパーツも、同様におゆまるで型取りしてから形を整えました。

股間と太ももの間に埋もれているパーツですね。こっちもよく見ると色が違います。

でもほとんど分からないですよね。

 

この修正を施しただけで、4000円で買えたわけだ。

これはお得でしょう。

廃盤となった今、どんだけ探しても15000円を下回ることはほぼないですよ。

しかも欠品が問題なだけで、可動については全く問題ない。関節の緩みさえなかった。これは、ミレゴジアーツの元が良かったからでしょうね。

 

で、可動部なんですが

上半身がここまで下がる。これぞ前傾姿勢。

 

首もここまで下りる。

すさまじく仰々しく謝ることができるミレゴジ。

 

可動は、モンアツの規格の中では優秀です。

進撃する巨神。
ミレゴジはトゲトゲ造形なので可動に干渉するかと思いきや、平成ゴジラ以上によく動きます。
というか、平成ゴジラのアーツがもっと動け。
 
爪を使った攻撃。
雛型ミレゴジは、実際の着ぐるみよりも人型に近いんですね。腕を振り上げるなど、人的なアクションも決まります。
 
お気に入りの一枚。
このポーズ、どっかで見た覚えがあるんですが、すごくカッコいいと思う。
 
 
両腕や脚を大きく広げた、躍動感のあるポーズも思いのまま。
 
振り返りの一撃。
 
 
巨神の咆哮。
当時小学5年生の僕、今ほど事前情報に通じているわけじゃなかったから、初めてミレゴジを見たのは、映画ポスター。
凶悪な顔つきの全く新しいゴジラのシルエットに、日本列島が重なっている、あの衝撃的ビジュアルに、すっかり殺られてしまったわけです。
 
 
強敵を前に、身構えるミレゴジ。
口を閉じると、狗のようにも見えますね。
 
 
うおー! やっつけてやる!
ミレゴジのイメージは、「成体になりきっていに、ヤンチャな個体」。劇中の着ぐるみは、怖さよりも愛嬌を前に出していました。
雛型はもう少し険がありますが、それでも目はキャラクターちっくですよね。
 
股関節の可動範囲がとっても優秀。
ビルに蹴り入れるコジラ。
 
可動範囲の広い首が、ちゃんと目的の方向を向いてくれる。
パテで作った股関節パーツも、問題なく収まってくれているようです。
この調子で、欠品ありのフィギュアを安くレスキューしていくってのも、ありかな??
 
コンビナートを狙うゴジラ。
『メガギラス G消滅作戦』では、人間が作り出すエネルギーを憎むって設定がありました。
 
55Mという体高が、コンビナート施設の高低差の中で、意外と良い仕事をする。
 
 
釈ゴジと並べて。
コンセプトは統一されているのに、イメージが激変していますね。
 
顔つきも、実は全然違う。
釈ゴジはヤンチャだった、尖っていたころを乗り越えて、従来の「ゴジラ」に近づいた感じ。
ミレゴジはエッジが立っている造形ながら、お目々がキラキラしているので、やっぱり可愛いという印象が先立つ。
 
 
さて、このアーツ版のミレゴジは、「雛型」を再現したもの。
劇中のミレゴジについては、ムビモンが再現しています。
やっぱり、けっこう違うんですね。
これは、ムビモンが1500円程度のソフビ人形であるということを抜きにして、本来の造形的意味で、雛型から着ぐるみへと流れていく過程で、かなり大きな変更があったことを物語ります。
 
そして雛型といえば、やっぱりこいつ。
大きさは違えど、そっくりです。
 
完品ではなかった。だからこそ、手に入った。
長らく探し続けてきたゴジラが、ようやく見つかりました。
造形面、可動面ともにモンアツの中でもトップクラス。そりゃ、人気でるのがわかるわ。
ミレニアムシリーズで人気なのは、GMKゴジだと思っていたのですが、GMKゴジのアーツは、探せば意外と見つかるんですよね。一方で、このミレゴジは本当に見つからなかった。どこを探しても高値、高値、高値。腹が立つこともありましたが、実際に手にとってみると、もう納得するしかない。本当にカッコいいもの。大満足な一品です。
 
ただね……このミレゴジにもカラバリがあって、もう一個のほうは背びれが白いんですって。ただでさえ見つかりにくいミレゴジ。果たしてお目にかかるのはいつの日か……。欠品に関しては、自分で何とかできそうなことが分かったので、ジャンクを中心に探し続けようと思います。
 
 
 
あと、これはレビューとは無関係ですが、
1954年『ゴジラ』以降、東宝怪獣映画にもたびたび出演されていた宝田明さんの訃報をニュースで見ました。
初代『ゴジラ』に出演した主役級俳優の中で、ほとんど唯一ご存命だった宝田さん。70周年を前に亡くなられたのは本当に残念です。
一特撮ファンとしてお悔やみを。宝田明さん、お疲れさまでした。銀幕の向こうに、その姿を探し続けます。