さてさて、シンウルのアクションフィギュアもある程度そろったところで、色んな所を比較していきたいと思います。
今回、比較するのはこの3品!
S.H.フィギュアーツ シン・ウルトラマン。
ヨドバシカメラで予約購入。6月26日発売日に入手。
MAFEX シン・ウルトラマン
YAHOO!あみあみで予約購入。7月29日に到着。
Figzero シン・ウルトラマン
グッドスマイルカンパニーで予約購入。3月8日に到着。
それぞれ、アーツ、マフェックス、フィグゼロと呼称します。
ではでは、色んな要素で見ていきましょう。
①素立部門
まずは、まっすぐ立った時の美しさで競ってみましょう。ポスターでも、素立ポーズが印象的でしたよね。
まっすぐに立たせてみると、こんな感じになります。
うーん、どれも奇麗ですね。ただ、じっくり見ると、本当に理想の立ち方をしているのは、実はフィグゼロなんですね。
その理由は、下半身の構造にあります。
まずフィギュア自体の大きさについては、マフェックスが頭一つ大きい。アーツとフィグゼロは大体同じくらいです。
ところが、アーツとフィグゼロを並べてみると、実はフィグゼロの方が股間部分が高いんですね。
体高が異なるのに、マフェックスと同じくらいの位置に股関節が位置しています。つまり3種の中で一番足が長い。
股関節部分の構造にも注目。アーツはお馴染みの二重構造。この構造は安定感と保持力に優れていますが、どうしても足幅が広がります。
マフェックスとフィグゼロはよく似た構造になっていますが、フィグゼロの方がよりエッジのある切れ込みなんですね。そのため、左右の足を限りなく密接させて立たせることができる。マフェックスは股関節部分と腹部との間に隙間が生じるので、素立にするとそこが変に目立ってしまう。
足の長さもあって、一番美しく素立ができるのは、フィグゼロということになりそうです。
結論:1位フィグゼロ 2位アーツ 3位マフェックス
②似てるか部門
実は一番大事な部門。そもそも似てるかどうかですね。
ただし、これに関しては、どの資料のシンウルを再現したものであるかによって違ってきます。
映画『シン・ウルトラマン』はかなり厳しい規制がかかっているので、本当に情報が少ない。今のところシンウルの姿がわかるのは、ポスターと、特報2つです。そこに登場するウルトラマンの姿も、また微妙に印象が違って見える。
恐らくはポスターのシンウルを再現していると思しき2体が、アーツとフィグゼロですね。
3体の中ではアーツが一番小顔です。
マン兄さんの顔って一番シンプルだから、まったく同じように作れそうなもんなのに、微妙に違っていますね。フィグゼロはどちらかというと、Cタイプさんみたいな顔です。目のクリアの美しさは、僕はアーツの方が好きですね。
これにマフェックスが入ってくると、まったく雰囲気が変わってくる。
このマフェックス版は、目がかなり白いんですね。あくまでも個人的見解ですが、これは特報の最後に登場してきたウルトラマンの再現なんじゃないかなあと思うわけです。特報と見比べてみると、このマフェックスの顔は非常に良く似ています。
ただ、マフェックス版は胸板が熱すぎますね。どこで分割するかについても3種でだいぶ差があって、マフェックスは胸部の赤いラインが全て乗っかる形です。アーツとフィグゼロは、下部の先端が腹部の上についている構造なんですね。胸部パーツの輪郭も、マフェックスは他の2種と比べてかなり分厚く、のっぺりとして見えます。
顔だけ見ると甲乙つけがたいんですが、上半身で見ると、マフェックスは胸板がぶ厚すぎる。その点で、アーツとフィグゼロを上位に推さざるをえないですね。そしてこの2種で比べた結果、個人的にはアーツの目の美しさに重きを置きたいです。
結論:1位アーツ 2位フィグゼロ 3位マフェックス
ちなみに背中は別に競う気はないんですが、フィグゼロの背中だけが、やたらとぼこぼこしてる印象です。

③アクション部門
アクションフィギュアとして楽しいのはどれか。
まずは交換手首ですね。
こちらも情報規制のアオリを受けて、基本的な交換手首しかありません。シンウル全体として、この少なさは不満ですね。
まあ、マフェックスだけがもう一種、大きく手を広げたパターンがありますが、特殊性はそんなにないかなあ。
ちなみに付け替えの簡単さについては、これはマフェックスが圧倒的に楽です。リボルテック同様に、差し込むタイプなんでね。アーツとフィグゼロははめ込むタイプ。はめ込み式については、アーツの方がまだやりやすい。フィグゼロは、可動部である小さいジョイントが、手を交換する際にすっぽり抜けてしまいそうになるんです。
ということで、手首関連だけで言うと、
1位マフェックス 2位アーツ 3位フィグゼロ
となります。
次に可動域。
上半身については、マフェックスが圧勝ですね。
ここまで大きく反り返ることができるのは、本当に凄い。それでいて自立するんだから、体幹がしっかりしてるんでしょうね。
アーツは、普通のウルトラアーツの規格かなって感じです。ただ、余計な装飾や凹凸がないから、他のウルトラアーツよりは可動域が広がっているかも。
フィグゼロはそこまで反りません。股関節が軽くV字を描いているので、そこに引っ掛かりそうになります。
次に前傾。こうなると、フィグゼロも頑張ります。
マフェックスとフィグゼロは首の可動域も広いので、前傾にしてもしっかり前を向く。アーツはそれに比べると、首の可動域が狭く、前傾も思ったほど行かない。
上半身の可動に関しては、アーツはもう少し欲しかったなと思います。一方、マフェックスの自由度は本当に凄いです。
さて、下半身ですが、これはアーツの可動域と保持力が頭一つ抜け出てる印象です。
ここで残念なのがフィグゼロですね。
アーツは二重構造により、足を大きく開いても開いたところでしっかり保持できる。
マフェックスに二重構造はありませんが、股関節部分が渋いので、ちゃんと保持できる。
問題はフィグゼロです。まず股関節が緩い。個体差かもしれないけれど、パーマネント・マットバーニッシュが必要なレベルかも。
さらにフィグゼロの残念なところは、足首の可動が一方向にしか行かない。
よく似た構造に見えますが、マフェックスとアーツは足首が横方向にも動く。
マフェックスは縦方向にしか行かないので、上の写真を見ると、足の裏が接地してないんです。
この違いで、ポージングにはかなり制限が出てきてしまう。
ということで、アクションフィギュアとして見た場合は、
結論:1位マフェックス 2位アーツ 3位フィグゼロ
って感じです。2位と3位の間には、それなりに隔たりがあると思ってください。
ではでは、色んなポーズの決まり具合を見ていきましょう。
④構え部門。
ウルトラマン特有の前傾ファイティングポーズを再現した場合、どれが一番しっくりくるか。
どれもカッコいいですが、けっこう差が出ます。
まずフィグゼロは足首可動が影響して、非常にがに股に見えます。
1種ずつ見ていきましょうか。
まずアーツ。
カッコいいですね。シルバーの陰影も雰囲気出てます。
続いて、マフェックス。
前傾を限界まで活かして立たせています。
かなり動的なポージングに見えます。首の自由度も高く、首の角度にも印象を持たせることができますね。
そしてフィグゼロ。
足の設置の関係で、やはり安定感がないです。せっかくの胸部・腹部の可動域が、あまり活かせません。
横から見るとこんな感じ。
頭一つ抜けて、マフェックスがしっかり猫背にできています。
躍動もあるし、ファイティングポーズが決まりやすいのは、マフェックスかもしれませんね。
結論:1位マフェックス 2位アーツ 3位フィグゼロ
ちなみに登場ポーズもやってみたのですが、これはまったく差が出ませんでした。
⑤膝立ち→立ち上がり部門
特報で印象的だった、膝立ちから立ち上がりを再現。
まずは膝立ち。
膝立ちのきれいさは、アーツが圧勝かな。マフェックスはやっぱり腹部と胸部がのっぺりして見える。
フィグゼロは足が長い分、膝立ちの時には持て余すのと、股関節の向きにも若干の制限があるので、あまり決まりません。
立ち上がりはこんな感じ。
う~ん、これはマフェックスが圧倒的に有利かな。
アーツは思ったよりも前傾が際立たない。
フィグゼロは足の関係で前傾がへっぴりに見えてしまいがち。
しっかり身体を曲げつつ、保持できるマフェックスが圧勝。
総合的に考えると――悩ましいところではありますが、
結論:1位マフェックス 2位アーツ 3位フィグゼロ
ですかね。
⑥格闘ポーズ部門
右ストレートをさせてみた。
これは、全体のプロポーションがしっかり収まっているアーツに軍配があがりそう。
マフェックスとフィグゼロは、長い足を持て余している感があります。アーツの二重構造は、こういう時に強いですね。
股割りをして構えさせてみたときのカッコよさについて。これも、アーツが頭一つ抜けてるかなあ。
マフェックスも悪くないけどね。アーツはストレートに決まっていて、マフェックスは腰のひねりで雰囲気を出している感じです。フィグゼロはこの状態で立たせるまでにけっこう苦心しました。
結論:1位アーツ(圧勝) 2位マフェックス 3位フィグゼロ
格闘ポーズについては、やはりアーツの信頼はでかいですね。
⑦スペシウム光線部門
ウルトラマンと言ったらこれ! 特報でもぶっ放してましたが、スペシウム光線についてはどうでしょうか。
一体ずつ見ていきましょうか。
まずはアーツ。
奇麗に十字が組めますが、マン兄さん特有の猫背はそれほど際立ちません。
股間の二重構造は、ここでも良い仕事をしてくれます。
これに慣れるとね……他のスペシウム光線が浅く見えてしまう。
二の腕部分にローリング機構があるので、すっごく簡単に十字クロスができる。これ、感動ものですよ。
最後にフィグゼロ。
アーツと同じくらいですが、下半身の保持力に乏しいため、前のめり感が出せません。
十字クロスの深さについても見ておきましょう。
本来は手首のところが接地するくらいの深さだと思うのですが――。
それを完璧に再現してしまうのが、マフェックス。
そして一番浅いのがフィグゼロ。
はい。結論は明らかですね。
1位マフェックス 2位アーツ 3位フィグゼロ
⑧真実と正義と美の化身部門
成田亨氏の作品をそのまんまCGに起こして再現したのがシンウル。
あの傑作絵画に近いのはどれでしょう?
ポーズを取らせてみたんですが――まあ、1種ずつ見ていきましょう。
まずはアーツ。
次はマフェックス。
最後にフィグゼロ。
正直、あんまり違いがない(笑)
まあ、どれか一つを選べというなら、アーツが一番うまく決まったんじゃないかな。
結論:アーツ
ってか、よくよく考えたらこれ、僕の写真とポージングスキルで全部決まってるだけなんじゃないかって気がしてきた……。
⑨佇み部門
佇むウルトラマンをアオリで撮った場合に、一番映えるのはどれでしょう?
けっこう雰囲気変わるもんですね。
個人的には、ここでフィグゼロがいい味出してきます。
まずマフェックスは、やっぱり上半身の大味感が付いて回る。
アーツとフィグゼロの一騎打ちとなった時、フィグゼロは腹部にかかる陰影が、より一層際立つんですね。
色合い的にも、渋いフィグゼロの方が、佇み感があって良いかもしれません。
結論:1位フィグゼロ 2位アーツ 3位マフェックス
ということで、以上9部門にわたって比べてみました。
それでは、総合結果を発表したいと思います。
総合結果--と言っておきながら、いくつかのカテゴリに分けておきましょう。
・造形的な忠実さを楽しむなら?
1位アーツ 2位フィグゼロ 3位マフェックス
・アクションフィギュアとして遊ぶなら?
1位マフェックス 2位アーツ 3位フィグゼロ
・個人的なお気に入りの順番で言うと?
1位マフェックス 2位アーツ 3位フィグゼロ
と、こうなりました!
マフェックスを個人的に1位にしたのは、とにかくスペシウム光線のやりやすさですね。
ACT・アーツ含めて、ここまで深く十字に組めるアクションフィギュアは他に存在しないので。
アーツを2位にしたのは、全体的に優れたバランスのアクションフィギュアだからです。アクション部門ではマフェックスに1位を取られていますが、すべての部門において一度も3位にはなってないんですよね。つまり全体的な優等生なわけです。さすがはS.Hフィギュアーツ。その安定感は、他のアクションフィギュアの追随を許しません。
フィグゼロが最下位なのは、もう可動部分の欠点が全てだと思います。造形的には決して悪くないし、素立はとても奇麗です。あと、パッケージはとにかく手が込んでいますね。他の2種の箱がないので、比べませんでしたが。
まあ、個人的に比べてみただけなので、参考程度にお考え下さい。
映画を観る前から3品も買ってしまったシンウル。
これから買おうと思っている人に対してアドバイスできる立場になるのなら、
光線ポーズを決めたい人→マフェックスがおすすめ
全体的にハイレベルでバランスの良いフィギュアが欲しい人→アーツがおすすめ
凝ったパッケージと、渋い彩色のシンウルが欲しい人→フィグゼロがおすすめ
です。
長くなりましたが、ここまで読んでいただいてありがとうございます。
これら3種は今でも比較的簡単に手に入るので、アナタも素敵なシンウルライフ(なんじゃそりゃ)をお過ごしください。