三面異次元人 ギギ | 怪獣玩具に魅せられて

怪獣玩具に魅せられて

ゴジラ・ガメラ・ウルトラマン、その他たくさんの特撮怪獣玩具を紹介します。

ウルトラマンコスモス第17話「異次元の罠」に登場した、三面異次元人ギギ。今回は、大怪獣バトル期に再版されたものを紹介します。
ウルトラマンコスモスは、歴代ウルトラシリーズにおいて最長にして、最大の異色作(怪獣を殺さない、基本カラーが青、腕を組む光線技がない)でしたが、実は原点回帰的な部分もありました。その一つが、ウルトラQ~セブンあたりを意識したと思われる怪獣造形や展開です。たとえば「操り怪獣」の回で、ネルドラント・メカーレーターと戦った時は、セブンの「狙われた街」をイメージさせる夕日中での戦闘だったし、コスモスの1・2回目の登場怪獣、「リドリアス」と「ゴルメデ」は、ウルトラQ第1話「ゴメスを倒せ」に登場する「リトラ」と「ゴメス」を思い出させる。企画段階では、Qやウルトラマンから、怪獣をそのまま登場させようってアイデアもあったそうですね。テレビ版ではそうなりませんでしたが、激情版においては、より時代に合わせて洗練された、「バルタン星人 ベーシカルヴァージョン」が登場しています。
 
このギギも、ウルトラマンに登場したキャラクターが根底にある。言うまでもなく、三面怪人ダダですね。

 

前から見た図。

ダダと同じように白と黒を基調としつつ、一方でより複雑な幾何学模様とデザインになっている。

ダダが「怪人」だったのに対し、このギギはどこか古代文明感ただよう顔つきになっています。

 

斜めから。

顔は三面で一周する感じ。顔一つずつのタイプも売っていたと思います。

肩部分にハリがあるのと、シンプルなラインなのとで、腕や足がほっそりして見える。スマートでかっこいいです。

 

二の腕部分や太ももには皴があって、スーツっぽさがよく出ています。

表面の白がけっこう目立って、手足は陰に隠れる感じですね。コントラストが引き立ちます。

 

 

背中。

前面以上に幾何学模様が目立つ背中。スカート上になっている部分は、バルタン星人を思い出させます。

ダダは本当に、幾何学模様のタイツあるいはボディペイント的で、そのひょろっとした感じが不気味でもありました。それに比べると、ギギはかなりお洒落さんですね。

 

顔は3パターンあって、
 
青い目が美しいAタイプと、
 
眼鏡をかけているようなBタイプと、
 

スター・ウォーズに出てきそうなCタイプがいます。

 

写真ではCタイプがよく前面に来ていますが、単純にこの顔が好きだからです。

 

 

可動は腕部分のみ。宇宙人は、大体そうですよね。

 

 

立たせ方としては、ちょっと腕を引き気味にするとかっこいいことが分かりました。

いわゆる、「春日スタイル」ですね。

 

腕を突き出すと、土偶のようでもあります。

面白いデザインですよね。これがかっこよく見えてくるんだから不思議です。

 

 

実は腰でも分割するんですが、パーツの凹凸の関係で、絶対に回せない仕様になっています。

可動部というより、成形の都合でこうなったんでしょう。

 

ムラがないわけではないですが、丁寧に色分けされていますよ。

今の企画だと、この色分けは無理なんだろうなあ……。ギギは背面の幾何学模様こそが美しいのに、そこをオミットされそうです。

 

幾何学模様同士ということで、80のサラマンドラを引っ張り出してきた。

古代文明感が出ますね(笑)

サラマンドラは異次元人が作り上げた古代文明怪獣だった――! というのもアツい妄想です。

 

スリムかつ背が高いのでアオリで見てもなかなか迫力があります。

動的なアクションよりも、スタイリッシュな「佇み」で魅せるキャラクターです。

 

独特の雰囲気が癖になる、三面異次元人ギギ。

首が回転するので、いろんな角度を試したくなる。
ビジュアルデザインだと、ダダ以上に意思疎通がしにくく、底知れない不気味さを感じるギギ。ダダと一緒に、再登場してほしいものです。