いや、怖いわ。
ウルトラマンもムッキムキやし、ケムラーも目がやばいし。
新解釈の一つ、突きつけた方向の一作ですね。
ぐるりと一巡すると、ウルトラマンの躍動が映える。
ケムラーの鼻先をつかんで、拳をたたき込もうとするウルトラマン。
ケムラーも口を開いて、激しく抵抗しているようです。
ドっから見ても隙が無い。そしてとにかくスピード感と力強さを感じさせてくれる。
ケムラーの四肢の表現や、ウルトラマンの姿勢など、とにかく動的な印象が強いですね。
大きく振り回していると思しき、巨大な尻尾。
尻尾の節くれ立った感じまで、丁寧に再現されています。
ケムラーの開いた甲羅のつぶつぶまで、細かく作られている。
こっちの角度だと、ケムラーの尻尾の先とウルトラマンの姿勢が一段と映えますね。
戦いの一瞬を見事に切り取っている。ギリシャ神話とかの巨人の死闘を描いた芸術作品と見まがうクオリティです。
俯瞰で観てもカッコいいところばっかり。
とにかく「彫」の深いモデルです。ケムラーもウルトラマンも、とにかく濃い(笑)
それぞれバラバラに見てみましょう。
まずは、毒ガス怪獣ケムラー。
不気味じゃ。
テレビの、どことなく可愛らしいケムラーの面影はどこに求めようもない。
色合いから、巨大な両生類を思わせます。実際にいたら、こんな感じなんだろうな。
体表の疣部分や、身体の流れを示す筋の彫も見事。
頭部と胴体のバランスや、四肢の角度など、とにかく絶妙な比率で作られています。
羽根状の甲羅の毒々しいデザインや、弱点となる赤い疣のようなものなど、ケムラーの特徴も完全に抑えられている。
この部分が開くケムラーって、けっこう珍しいんだよね。
とにかくヤベエ顔のアップ。
目が完全にイってますね。
この、どう頑張っても意思疎通できなさそうな怖い目が、逆にリアルですよね。
瞳はもちろんのこと、目じりの皺まで本当にしっかり彫り込まれている。
歯茎、牙、舌。口の中まで抜かりがないです。
ここの表現が素晴らしいからこそ、ウルトラマンとの対比も際立つんでしょうね。
対するウルトラマンは、かなりマッシブ。
腹筋ヤバい。
本当に、地中海の彫像並みのムキムキ具合。
ここまでマッチョになると、抵抗を感じる人もいるかもしれませんね。僕もここまでじゃなくて良いとは思うのですが――。
ただ、一つの解釈としてはアリだし、そういう自由な発想で作れるイマジネイションフィギュアのコンセプトは歓迎したいと思います。
背中の盛り上がりもヤバい。
これほどはちきれんばかりの筋肉造形を、このサイズでやるって、けっこうな仕事ですよ。
しかもそれとは別に、ウルトラマンの赤いラインも彫りこんで、塗分けしないといけない。
ポージングも良いですねえ。