それでいて、実はかなり小さいんですよね。タイムスリップグリコの中では、大きいほうかもしれませんが。
東京下町の工場街を舞台に、メトロン星人がセブンにアイスラッガーでずんばらりんと殺られた瞬間のジオラマ。
劇中では、ウルトラ念力によって操作されたアイスラッガーがメトロンを切り裂くんですが、それを上手くアレンジしています。
手に持ったアイスラッガーでの攻撃というと、ギエロン星獣戦を思い出しますね。
斜めから。
ずんばらりんと切り裂かれているメトロン星人がやばい。
アイスラッガーの軌道は、黄色いクリアで表現されています。ここの躍動感が、静かにたたずむ工場街の中で、非常に際立って見えます。
反対側。
セブンの体の傾き加減からも、動きが伝わってきますね。
後ろから見ると、両者の様子がよく見えます。
豹がとびかかるような姿勢のセブンに対して、メトロン星人はややコミカルな切られ方。アイスラッガーがまとう旋風に、巻き込まれているような感じもあります。
細かいところまで、丹念に愛でないでは気が済まないこのジオラマ。まずはセブン側の工場を見てみましょう。
なんとまあ……すさまじいな。
ひっそりと影に沈む様子が、本当に良い雰囲気を出しています。あえて抑えめにした色使いも、絶妙ですよね。
メトロン側には電信柱も。
舞台を構成する「物」の選び方が最高ですね。
とにかく劇中の雰囲気がひしひしと伝わってきます。家を取り巻く塀も、ちゃんとそれっぽく見えます。
奥。遠近感を出すために、小さく作られています。
そんな工場街の上で繰り広げられる死闘。
空に向かって突き立つ煙突も良いアクセント。
これがあることで、セブンもメトロン星人も巨大に見える。
まずはセブンのほうから見てみましょう。
若干の省きはありますが、ビームランプまで塗り分けられている、驚きの造形です。
爪楊枝の尻くらいしかないのに、ここまで彫り込めるって本当にすごいですよ。
プロテクターのくぼみまで再現しようと試みている。
のっぺりとした「セブンっぽい」ヒトガタじゃなくて、しっかりセブンが「彫られて」います。
これが食玩って……信じられないな。
尻にはシルバーのラインが走り、手の指までしっかり造形。
とびかかる態勢そのままの足の構図も非常に宜しい。
ずんばらりんとメトロンを切った、その手ごたえを伝えるかのような顔の向き。
構図も完璧ならば、両者の視線の先や体が向かう方向などといった、「動き」の造形も完璧なんですよね。
続いて、メトロン星人・
思いっきり切り裂かれております。
それでいて、メトロンとわかる彫りや彩色。こっちも相当やばいです。
後ろから見た図。
やや簡略化されていますが、フジツボのような疣も抜かりなく造形。
断面図はこんな感じ。
ちょっとグロいですね。