宇宙恐竜 ゼットン | 怪獣玩具に魅せられて

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ゴジラ・ガメラ・ウルトラマン、その他たくさんの特撮怪獣玩具を紹介します。

メジャーすぎて、意外に持ってなかった。ウルトラマンを倒した宇宙恐竜ゼットンの、旧規格のソフビです。
ゼットンはこの金型がかなり長いこと使われていて、カラーバリエーションも相応にあります。造形の普遍性で言うと、バルタンやゴモラよりもずっと長いこと変更がなかった。こいつはリサイクルレスキューなので、いつぐらいのソフビかは判然としませんが、そこまで古いものではないのかな?
 
 

正面から。

子供の頃に持ってたゼットンは、頭部と胸部の発光体が黄色だったんですよね。白も、ここまで明るくなかった印象があります。
 
 

横から。

胸部から腹部にかけてに膨らみがあり、全体的にどっしりしています。角度によって、けっこう印象が変わりますね。
 
 

長く使われ続けただけあって、完成度の高い造形です。

ゼットンって渋いですよね。
黒と白を基調とした色使いも渋い。
奇抜なようでいて、制限された情報量も渋い。
静的な不気味さを感じさせる佇まいも渋い。
王道怪獣の路線とは全く別系統でありながら、「宇宙恐竜」と名付けられているのも渋い。
 
とにかく「ヤバいやつ」感がすごいゼットン。これは、55周年となった今以て、ゼットン以外のどの怪獣も到達し得ていない「ヤバさ」であるように思います。
 
 

背中。

昆虫のようでもあります。頭の触覚含めてね。
それに「宇宙恐竜」と名付けるセンスが良いよね。確かに、戦闘力の高さからして、「宇宙怪獣」ではなく「宇宙恐竜」のほうが、しっくりくるんですよね。
「宇宙恐竜ゼットン」--声に出して、3回唱えてみましょう。それ以外にしっくりくる呼称が思いつかなくなりますので、
 
 
 

顔のアップ。

いろんなニュアンスが含められた、素晴らしいデザインです。

昆虫のようでもあり、実体を持った影のようでもある。あるいは、どこかの古代文明の彫像のようでもある。

いずれにしても共通しているのは、目鼻が特定できず、したがって感情がうかがえないこと。そんな中、顔の中央で不気味に輝く発光体のインパクトがすごい! ウルトラマン同様、情報を制限して象徴化を狙った結果、永遠に見飽きることのない普遍的なデザインを獲得したような感がありまずね。

 

造形的に興味深いのは、首回りと肩。

この肩の造形により、甲冑を着ているようにも見える。

無機物と有機物の不気味な融合をイメージさせます。そういうところが、宇宙っぽいんですよね。

 

お腹の発光体から脚部まで。

色やラインデザインはウルトラマン以上に制限されていますね。ウルトラマンは、銀のボディに赤のラインで少々複雑なラインデザインがなされていますが、ゼットンの場合は、部位による明確な塗分けという感じです。

この黒と白の際立ちも、けっこう強烈な印象を与えますね。

 

さて、アクションですが、ほとんど動きません。

大きく広げた腕がぐるりと回り、首も少し回転する程度のものです。

本編ではそれなりにアクションをしていたので、少し寂しい気はしますが、ゼットンの不気味な佇まいは表現できていると思います。

 

ウルトラマンと絡めてみた。

アーツだと、身長差がありすぎますね。

 

あらかじめ、販売同時期のソフビと絡ませられるように設計されていたACTの方が、いい感じに並びます。

こうして並べると、ゼットンのポージングにも動的なものを感じますね。

 

お腹に一撃!!

ゼットンはキングジョー同様、ちょっと柔らかそうなのが良いんですよね。

硬質なように見せておきながら、少し柔らかくて、すべての攻撃を受け止めてしまう。

 

にらみ合う両者。

両者の色遣いの対比が映えます。

 

怪獣図鑑とかでよく見た構図。

このACTのウルトラマンはV2版ですが、なかなか良い共演をしてくれました。

 

 

進撃する悪夢――。

静から動へ――ゼットンの動きの緩急のつけ方は絶妙でしたね。初代ゴジラにも通じるものがあったと思っています。

 

ウルトラマンを倒した、最強の怪獣。

発射する火球はなんと、1兆度!!

 
この前に紹介したペダニウムゼットン含め、バルタン星人並みにバリエーション豊富となったゼットン。
それでもやっぱり初代が持つインパクトと、デザインの普遍的な魅力は唯一無二のものですね。これを最後に持ってくるあたり、『ウルトラマン』の怪獣たちのデザインセンスが凄まじかったことが分かります。

バルタンやゴモラ、レッドキングのようないわゆるウルトラシリーズやウルトラ怪獣を象徴するキャラクターとは一歩線を引いているようで、それでいて誰しもが「ゼットン」と聞くと、このデザインを思い浮かべるはず。それって、実はすごいことなんでしょうね。