カラーバージョンと、モノクロバージョンの二種があるそうなんですが、僕が持っているのはモノクロの方です。
ウルトラQはモノクロ番組でしたからね。こっちの方が雰囲気に合っています。
ぐるりと一巡してみましょう。
巨大な翼を広げて降り立った瞬間のぺギラ。非常に躍動感のあるフォーム。
後ろから見るとこんな感じ。
しっぽのうねり、ぐぐっと力の入った背中、大きく踏ん張って、がっしりと船をつかんで離さない足。
素晴らしい作りこみです。
首をぐっと前に伸ばして、獲物を探すかのようですね。
テレビでは見れなかった非常に生物感のあるシルエットが魅力です。
少し腹回りがぼっこりしているところなんかも、重力を感じさせますね。上下の奥行きが巧みな一品です。
顔のアップ。
凄く小さいのに、牙もあれば口の中には歯の凹凸もある。鼻腔もあれば瞳もある。執念の作りこみです。
目の部分も、よくよく見るとぺギラ特有の二重なんですよね。口を大きく開いているところや、大きな翼を広げているところ、肩回りが骨ばっているところなんかは、悪魔を連想させます。
そんなぺギラが舞い降りているのは、
南極探査船ですかね。
これがね、また細かいんだ。
見てください。救命ボートまでついてますよ。
上からぐっと押さえつけられた船に押し寄せる荒波、波に埋もれる氷山など、ベースにも手を抜かないのがタイムスリップグリコ、そして海洋堂クオリティ。
彩色も凝ってますよね。船や氷山、波の冷たさに対して、ぺギラのそれは生物感のある彩色。モノクロって、その濃度だけでいろんなものを表現しなきゃならないから、カラーよりも難しいと思うんですが、それを見事にやっちゃっているのが、このタイムスリップグリコなんですねえ。
ぺギラに踏みつけられた部分にも注目。足形に合わせてひしゃげています。
船が大きく傾いているのも、激しい動きが感じられます。
これほど素晴らしい表現と造形--完成度にもかかわらず、実際の大きさは
HGコアのウルトラマンよりも小さい。
凄い。本当に凄い。タイムスリップグリコのウルトラシリーズは、どのアイテムもそれぞれに驚き呆れるほどの作りこみで、脱帽するよりほかありません。
これだけ寄りで撮影しても、一切のムラが見つからない。
翼のモールドにもすさまじいものがあります。
この被膜感よ。ウルトラQ放送時代の造形では難しかったものが、食玩という形で実現しております。
ぺギラは食玩化に恵まれている怪獣の一匹で、ウルトラパノラマファイトでも登場していた。
あっちは原点に忠実な造形で、このタイムスリップグリコのぺギラはよりモンスター的なアレンジがなされています。
食玩ぺギラの中では、このタイムスリップグリコのぺギラが何よりも好きです。これほどの小ささで、ここまでダイナミックに、カッコよくできる。食玩全盛期の無限の可能性を感じさせてくれます。
氷の悪魔、ぺギラ。
ウルトラマンZでもその強さを存分に見せつけてくれました。ウルトラQ怪獣の中でほとんど唯一、名だたる強敵怪獣の一体に名を馳せた怪獣かもしれません。
普段は百均のプラケースに入れて飾っているぺギラ。今回、全方向からじっくり眺めてみました。結論、こいつは最高です!!!