タイムスリップグリコ ウルトラマン「大阪蹂躙」 | 怪獣玩具に魅せられて

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ゴジラ・ガメラ・ウルトラマン、その他たくさんの特撮怪獣玩具を紹介します。

食玩全盛期は、グリコのおまけもすごかった。
昭和の懐かしいものを食玩化した「タイムスリップグリコ」。もちろん、昭和最大の特撮ヒーロー・シリーズからもラインナップされておりました。
今回紹介するのは、ウルトラマン「怪獣殿下」を再現した、「大阪蹂躙」。古代怪獣ゴモラによって大変なことになる大阪の街を、オーナメント風に立体化しています。

小さい中に、驚くほどの情報量が詰まってる。

 

 

正面から。

バッチのような平面に近い形状です。風景の切り取り方が、とても面白いですね。

 

 

目を引くのは、やっぱりゴモラ。

上半身、しかも右側は隠れてしまっていますが、細かいところまで塗り分けされていて、すごく丁寧です。さすがは海洋堂!

 

 

デザイン的な面白さもありますね。体に比して腕がでかい。

遠近効果を狙ったものでしょうか。城の傾きなどもあって、独特な画角の食玩です。

 

 

ゴモラの前には大阪城。

瓦や石垣のディテールなどは食玩全盛期ならではのつくり込みですね。決して単色で終わらせず、リアルな彩色が施されている。本当に偉いと思います。

 

 

細かいといえば、この「大阪蹂躙」、何が楽しいって細かい大阪テイストがしっかり入っているんです。

たとえば、

みんな大好き、グリコのマーク。

こえ嬉れしいですねえ。

 

 

通天閣とカニ道楽。

 

コロナ禍の現在、いろんな色にライトアップされている通天閣。

小指よりも細いのに、しっかり彫られていますね。

 

カニ道楽の横には、フグの「つぼらや」。惜しまれつつも最近、店じまいされましたね。

そんな、大阪の良いところばかりを集めたステージの中に立つウルトラマン。

観光しているみたいでかわいいですが、べた塗りのシルエットにせず、模様の塗り分けやカラータイマーなど、ちゃんと造形があるところは、もう讃えられるべき丁寧さですね。

 

 

 

本当に、タイムスリップグリコに関しては、感想が「すごい」ではなく「えらい」になってしまう。

この食玩があった時代に生まれていて、本当に幸運だったと思います。

近くで見ても、ムラがほとんど見つからない。

最近、古いソフビを塗りなおして息子にあげる(息子には新作が発売されたと言って恩を売る)ことにはまっているんですが、塗り分けって本当にむつかしい。それを--

この小ささで見事にやり遂げてしまっている。

驚くべき繊細さ。

 

 

タイムスリップグリコの中でも、切り取り方や角度なんかがアーティスティックな一品です。

手のひらに収まるほどの小さなジオラマ。そこに全てが詰まっています――。