異次元超人 巨大ヤプール | 怪獣玩具に魅せられて

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ウルトラマンA第23話「逆転! ゾフィ只今参上」で初登場した巨大ヤプールのソフビです。
 
ウルトラマンAのストーリーの中では一応ヤプールとのけりがつく超重要回。であるにもかかわらず、タイトルでフィーチャーされているのがゾフィというね。この迷走ぶりも、Aらしいっちゃらしい。
このソフビは恐らく、ウルトラマンメビウスで再登場した時のもの。Aの時は、目の中の瞳がそこまで目立つ造形ではなかった。
 
蟹と閻魔大王の組み合わせらしいですよ、デザインの原点は。やっぱり、どこか仮面ライダーの怪人っぽいですよね。シリーズ共通の敵の設定も、当初はライダー的だったし。
 
 
 

前から見た図。

異次元人ヤプールとしてのビジュアルは、あのグニョグニョしたやつが第一話から公開されていましたが、直接の格闘特化デザインはこれが初めて。長きに渡る宿敵とついに対峙ーー! という超重要デザインでもあるわけですが……結論から言って、このデザインが凄く良くハマっていたと思います。
 
 

横から見た図

けっこうなボリューム感。着ぐるみ特有のぼったり感もあって好きです。シンプルな削り出しの頭部と、そこから下のディテールの対比が見事。
 
 

後ろから見た図。

背中に並んでいる五円玉? など、全然知らなかった部分まで丁寧に再現。この時代のウルトラ怪獣シリーズは、ちゃんと背中も塗ってくれましたよね? バンダイさん。
 
 

顔のアップ。

メビウス版なので、瞳の塗り分けがかなり露骨。分かりやすいですが、Aの巨大ヤプールに感じた不気味さはありません。
 
口元が細かキモくて素敵。ウルトラ怪獣はモチーフをトレースする際のバランスが絶妙ですよね。露骨にカニを意識しているわけではない、けども言われたらそうかな……って思えてくる。しかもちゃんと悪そうに、怖そうに見える。
 
 
 
 

可動は腕と腰のみ。

足の鱗状の襞が重なり合っているのも、邪悪なサムライみたいで強そうです。
 
 

額には縦一列に小さな突起。腕や足の鱗に見える鱗の不揃い感など、雰囲気ありますね。甲殻類を思わせる赤いトゲトゲも不気味です。

 
 
 

胴から腰回りは、もしゃっとした毛に覆われている。こういう、複数の異なる材質を併せ持つのも怪獣や宇宙人の面白さかなと思います。

 
 
 

可動は少なくても、腰の回転で雰囲気のあるポーズが作れます。

回転部分がもしゃもしゃなので、違和感がない。これはプラスですね。

 

ACTのエースと対峙。異次元の対決。

この巨大ヤプールとの一対一の決闘はAの中でもトップクラスにスリリングなシーンです。

 

特に終盤、西部劇のように交戦技の応酬をするシーンが印象的です。

ヤプールの攻撃を跳ね返すA。

 

 

振り向きざまにメタリウム光線!!!

後で調べて見たら、巨大ヤプールとの戦いって2分20秒程度なんですよね。その2分20秒の中での戦いの密度が凄いので、時間を忘れて没頭してしまいます。対宇宙人戦の中では、ウルトラシリーズの中でもトップクラスの戦闘だと思うので、ぜひともご覧いただきたいです。

 

 

少しアオリ加減で。

がっしりしているので肉弾戦派かと思いきや、ヤプールの真の恐ろしさは、人間の心の弱みに付け込んだえげつない戦法にあります。

特に対バキシム戦やガラン戦なんかは、ヤプールのエグさがトラウマレベルになるくらい前面に出ていました。

 

少し引きで撮ると陰影が際立ってカッコいいです。

 

 

ウルトラシリーズが誇る最恐の宿敵、ヤプール。

55周年となったウルトラシリーズですが、その中でこのヤプールほど、究極的な悪役として描かれているキャラクターは他にいません。

そしてヤプールの怨念は、2020年の『ウルトラマンZ』においても健在で、恐るべき超獣の姿を借りて新生ウルトラマンと激闘を繰り広げます。ウルトラマンと対極にいながら、長く愛され、登場し続ける絶対の悪魔――ヤプールは凄く面白い存在であり、そんなヤプールを生み出したウルトラマンAの功績は、今もなお受け継がれているんですね。