発売は確か2012年。映画『ウルトラマンサーガ』の劇場限定販売ソフビだったと思います。ゴメスのソフビ自体はそれよりも前に出ていましたが、映画公開に合わせてリペイントした新版が登場。映画館では即完売のところも多かったらしい。
前から見た図。
有名な話ですが、このゴメスの着ぐるみの元は、1964年公開の『モスラ対ゴジラ』に登場したゴジラ、通称モスゴジ。
その胴体に甲羅や鱗を盛って、口周りに髭を付けることで、また違った印象の怪獣に仕上げてある。設定では、新生代第三期頃に生息していた、原始哺乳類。だから体毛があるんでしょうね。
サイドビュー。
甲羅や鱗など、新しく付け加わった部分も良いアクセント。これがあることで、爬虫類なんだか両生類なんだか哺乳類なんだか分からない、あるいはそういった分類を超越した「怪獣」としての説得力が増すというものです。頭から伸びる一本の角も印象的。
背中、独特な形の甲羅と、長い尻尾。正統派怪獣の例にもれず、尻尾がけっこう場所を取ります、
顔のアップ。中々のイケメンですよ。
モスゴジとは印象が変わった顔付ですが、じっくり眺めると名残もうかがえますね。
やっぱり目つきかな。これは、モスゴジ特有のものです。口端から伸びる巨大な牙など、セイウチの意匠も取り込まれているっぽい。決定稿のゴメスのデザインは、アザラシ上の姿形だと書いてあったそうですよ。流用する着ぐるみもモスゴジではなく、『妖星ゴラス』に登場した、マグマのものだったとか。マグマは『ウルトラQ』の中で、異次元怪獣トドラに流用されましたよね。
腹部のアップ。
ゴメスという怪獣自体がそこまで複雑な構造ではないので、造形的にはシンプルですが、細部のディテールには拘っています。特に、四肢の鱗の表現が素晴らしい。ちゃんと重なり合って、厚みがある感が出ている。
色もとても綺麗ですね。
『ゴメスを倒せ!』はモノクロだったので、このソフビは『サーガ』に登場した時のゴメス。映画本編では、もう少し濃い眼の色ではありましたが、ソフビとしてならこれくらいの色の方が良い。青がとてもきれいだし、爪や牙も綺麗に塗り分けられている。
どことなく胡乱な目つきも、ばっちり再現。
可動は首周りに四肢、尻尾。後脚の可動が優秀なのと、全体的にバランスが良いので、少しくらいなら前傾姿勢にもできる。
それを使って、こんな遊びも。
校長先生に怒られる悪ガキ。
目つきと、あと幼い頃に読んだ怪獣図鑑の影響もあってか、ゴメスにはどうもガキ大将的なイメージがあります。
以上、古代怪獣ゴメスの紹介でした。
『ウルトラマンZ』にも登場したゴメス。55年近くも前のデザインが今なお愛され、登場してくるってんだから、すごいですよね。怪獣は、時代を容易く超えてしまう。