ムービーモンスターシリーズ ガボラ | 怪獣玩具に魅せられて

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ゴジラ・ガメラ・ウルトラマン、その他たくさんの特撮怪獣玩具を紹介します。

『シン・ウルトラマン』関連からもう1点。予告編でも登場し、その変わりっぷりに度肝を抜かれた、怪獣ガボラを紹介します。

元は1966年『ウルトラマン』第9話「電光石火作戦」に登場した、ウラン怪獣ガボラ。

顔面を保護する6枚のヒレが、辛うじて名残をとどめていますが、ネロンガと違って結構大幅な改変が行われている。

 

横から見た図。これもネロンガ同様、尻尾が長い。

前傾姿勢については、ネロンガが割と真っ直ぐだったのに対し、ガボラは背中を丸くした「猫背体形」なのが違いかな。

前から見た図。ポージングと胸部・腹部のデザインは、ネロンガに通じるものがあります。

 

 

後姿。

巨大な渦状と言うか、ドリル上の背中~尻尾。ツインテールの触角のようにも見えますね。
これがぐるんぐるん回転して、結果ヒレを閉じて錘状に尖った頭も連動してぐるんぐるんするシーンが特報の中にありましたね。怪獣の中に、このような重機的機構があるというのが、センス・オブ・ワンダー。男のロマンって奴でしょうか。

 

あと、この背中の部分にちょっと気になっていることがあって、一列に並んだ骨みたいな造形なんですけど、

こいつにもあったよね?

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まさかとは思うけど、同一個体?? ネロンガが進化なり変形なりして、ガボラになるの?

 

似ていると言えば、前脚の指はネロンガ、ガボラ共通して6本なんですよね。

趾行性の後足も良く似ています。カラーリング違うし、ガボラの方が今少し華奢に見えますが。

 

逆に一番違うのは、やっぱ顔でしょうね。

下顎から伸びている巨大な牙にはネロンガの名残もありますが、それ以外は全く違う。

66年の「ウラン怪獣ガボラ」にも似ていない。『シン・ウルトラマン』の監督の庵野秀明氏関連で言うなら、やっぱり『エヴァ』の使徒ですよね。特報見た時から「完全に使徒やん」と思ってしまったので。もはや確信犯。

 

 

この顔で、新生ガボラの好き嫌いは分かれるかも。

僕は……う~ん、嫌いじゃないですが、やっぱりネロンガのように怪獣然としている方が好きかなあ。

 

ヒレに隠れて見落としがちですが、胸部から後脚にかけてのディテールも細かいですよ。

 

どっしりした構えと小さな頭。力士を思わせるシルエットですよね。

 

 

ちなみに、さっきからネロンガとガボラが同じなんじゃないかと勘ぐってばかりですが、そもそもこの二者は同じ着ぐるみを改造して作られたもの。元は1965年に東宝が製作した『フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)』に登場する、地底怪獣バラゴンのものです。それを、まず『ウルトラQ』で怪獣パゴスに改造し、その後で『ウルトラマン』のネロンガ→マグラー→ガボラに改造されました。その後、アトラクション用のネロンガから、またバラゴンに戻っていたようです。なので、殆ど兄弟も同じなんですね。東宝傘下だった円谷プロだからこそ、こうした流用も普通に行われ、なおかつそこに効果的な改変を加えることで、次々と個性ある怪獣たちを生み出していたわけです。

だからまあ、ネロンガとガボラが似ているのは当然と言っちゃ当然。

でもそういう視点で見ると……

 

あんま似てないんよな。

 

 

上空から見た図。特報でも、山中をドリルで掘り進むガボラの雄姿を見ることができます。

 

 

良くも悪くも、これまでのガボラとは一癖も二癖も違う新生ガボラ。どのような活躍を見せるのか、そしてどのような素性を持つのか、『シン・ウルトラマン』が楽しみで仕方がない!!