ちょっとした怪異談 墓場までは持っていけない | とある怪異の回顧録

とある怪異の回顧録

友人・知人から聞いた怖い話や不思議な話を紹介しています。基本実話(噂話もありますが)故にオチが無い話が多いと思いますが、ゾワッとしたり不思議だな~って思ったり、見落としがちな日常の怪異や恐怖体験をお楽しみいただければと思います

 これは20年位前に会社の先輩から聞いたお話です。色恋って複雑ですよね…
 
 

 先輩のAさんがおじいさんのお葬式に参加する為、父方の実家へ帰省された際、Aさん曰く「家の中に入ったら鼻に付く臭いがした」そうです。

 なにやら腐ったというか発酵したというか(Aさんもどんな臭いか説明難しいとの事)臭うって思ったそうです。

 そして臭いの発生源はどうやら祖父の寝室と気が付いたAさん。葬儀まで時間もあり「寝室に食べ物でも置いてあって腐ってるんじゃ?」と寝室へ向かうも、特に食べ物はありません。

 臭いは寝室の押し入れからだと気が付いて押し入れを開けます。押し入れの突っ張り棒でコートとスーツが吊り下げてある付近の天井が恐らく点検口になっているぽく、そこから臭う。

 Aさん「ネズミでも死んでるんじゃないか」と点検口開けたそうです。(現場作業員の慣れですよね~ネズミ程度と思えば躊躇無し)

 すると点検口から手を伸ばしたところ辺りに埃まみれの封筒があったと…

 興味本位で封筒を開けると白黒のエロ写真が…Aさん直感で「これ爺さんと愛人のハ〇撮り写真だ」と思ったそうです。

 (おじいさん現役時代は新聞社勤務のエリートさんだったそうです。白黒写真なら会社で現像位朝飯前ですよね…)

 Aさん曰く「参ったよね~多分数十年前のオイタの写真、しかも本人死んでるからこれなんだって聞けないし、相手の顔は映っているからもし予想通りならさ、間違いなくばあちゃん憤慨するの確定だろう?爺!ってなった」と

 Aさん仕方なくその写真を速攻自分の車のダッシュボードに隠し、自宅への帰路途中に燃やして処分したそうです。(おじいさんにやさしいお孫さん…)

 因みに、臭いは車には移らず、隠した後は家の中でも臭いは特に気にならなかったので、Aさん的にはあの写真はどうしても息子(Aさんのお父さん)には処分頼めず、俺しか頼めないと思ったんだろうなって…

 私の興味本位でAさんに「なんでオイタ写真と分かったんです?」と聞いたら「写真が雑誌の切り抜きとかじゃない普通の写真だったのと、エグい写真も混ざっていたから」との事。

 おじいさんの葬儀直前に本人若き日の色々猛った写真を見たせいか、その葬式は全く涙もでなけりゃ悲しくもなれず、印象深い葬式だったよとの事。

 

 よく「この秘密は墓までもって行く」とか言いますが、物理的な秘密の証拠はどうにもなりませんよね…

最近読み返しAさんにあのお話書いて良いですか?と確認したら「祖父世代は皆鬼籍入りしてバレようがないが臭ってもしらんぞ」とOK頂きましたので「すご~くボカシて」書きました。臭いしたら困るので…