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介護マップ ブログ

共同メディアが発行する、愛知・三重・静岡の
地域介護支援マップ、介護マップのブログです

前回(https://ameblo.jp/kaigomap/entry-12484220471.html)、免許なしでも乗れるシニアカー(電動車イス)の紹介をしましたが、シニアカー家電製品(!車両ではなく)の中では、パーソナルモビリティに分類されるそうです。パーソナルモビリティ、つまり1人乗り移動機器は、“セグウェイ”に代表されるような乗り物です。

ただ、免許を返納したからいきなりセグウェイは、正直高齢者にハードルが高い。イベントでセグウェイに載ったゆるキャラが派手にこけるシーンを見たことがあり、尻込みする人は壮年・中年でも多そう。

 

そんなパーソナルモビリティの中でも、HONDAUNI-CUBhttps://www.honda.co.jp/UNI-CUB/specification/)はイス型で安定性がありますが、今注目なのが、岐阜県の会社、キュリオが開発したSCOOhttps://www.scoo-web.com/)。折りたたんで車に簡単に積めることが特徴で、見た目はなにかのトレーニング器具のようです。転ぶ心配はまずなく、イメージ映像だと本当に未来の道具感が出ています。また病院や役場など、建物内にも入れるようなので、車両の代わりというより、「進歩した靴」なのかも知れません。

 

シニアカー同様に免許不要で、なおかつ健康な人からもうらやましがられるかっこよさがあります。

 

名古屋市では、8月からSCOOの利用社会実験を始めます。大同大学の研究者と南医療生協の介護施設、病院が協力し、緑区のサ高住「おたがいさまの家」「かなめ病院」を拠点に、カーシェアリングのように希望者が登録し、利用する試みです。

悲惨な高齢者がらみの事故報道が増える中で、免許がなくても日常生活を十分に楽しめる社会が早く来るといいですね。

 

高齢者自動車事故が連日ニュースを賑わせていますが、免許返納には根強い反対意見もあります。

その理由の一つが、

「自動車を手放すと買い物難民になる」

というモノです。

スーパーやコンビニまで1km以上となると、高齢者でなくても歩くのはつらい。これからの季節、日射病の危険もあります。

病院までの通院がおっくうになれば、健康や命にも係わる問題です。

 

しかし、免許を返納しても運転できる車があります。それが通称シニアカー

見た目は原付のようですが、通常タイヤが3~4輪なので安定感抜群です。

法律上は電動車イスになるので、免許なしでも運転できます。

プロ野球の投手交代の時のカートや、ゴルフ場のカートと同じ分類ですが、もちろん公道を走れます。

(車道は走らないでください。歩道を走れます。)

バッテリーで動きます。充電は家庭でできます。

価格は20~50万円ぐらい。車イスなので、要介護者なら介護保険が使えます。

 

最高時速は6km/h。普通に歩くより速いです。1km先のスーパーまで信号なしなら10分です。

充電1回の走行距離は20~30km旅行には不向きです。20km先だと3時間でも着きません。

酒を飲んでの運転は、法律上は罰せられませんが、人にぶつけるとケガをさせる程度に大きくて重いのでやめましょう。

 

大抵は大きなカゴかラゲッジスペースがあります。食料品の買物ならまず問題はありません。大きな家電は厳しいです。

通常、屋根はありません。傘さし運転は危険です。雨の日の利用は控えましょう

狭い路地裏、人通りの多い商店街はちょっと苦手。大きな車体に、周囲の視線が冷たいかも。

 

シニアカーの大手、スズキの「セニアカー」を運転させてもらいましたが、坂道は電動機付き自転車より簡単に越せます。

坂の途中での停止や坂道発進もまず問題ありません。

 

駐車場も車検も自動車税も不要です。ランニングコストは電気代ぐらいでしょうか。

事故の確率は自転車以下だと思いますが、子どもをはねる可能性はあるので、歩行者か自転車用の任意保険がオススメ。

同居中の家族の誰かが車を運転しているなら、家族保険で十分です。

 

さて、シニアカーいかがでしょう。

通勤などで日常的に車を使ったり、共働きの両親に代わって幼い孫の世話をしょっちゅう見たりというのでなければ、

生活のかなりの部分はシニアカーでカバーできるのではないでしょうか。

ドライブや釣りやキャンプなど車必須のアウトドアが趣味でなければ、

車を手放して浮いたお金で、むしろ自動車旅行より豪華なツアーや電車旅が楽しめます。

 

「免許返納」に悩む高齢者がいたら、ぜひ検討をススメてみて下さい。

もちろん免許のある人、健康な若い人でも、購入や運転が可能です。

 

 

介護べんり帳最新版「2019愛知県西部版」が完成しました。6月から順次配布と販売を開始いたしますので、よろしくお願いします。

介護べんり帳でも在宅医療訪問歯科診療の掲載件数がずいぶんと増えましたが、在宅での介護・医療の需要が増え続けています。

それに伴い、駐車トラブルや、逆に駐車場のない場所なのでと介護の依頼をあきらめたり断ったり、というケースが増えているようです。

 

でも警察の許可があれば堂々と駐車禁止エリアに車両を止めたり、無用なトラブルを避けることもできます。

今一度しっかり交通ルールを確認し、車両の許可申請をしておきましょう。

<愛知県警・駐車許可の申請手続き>

http://www.pref.aichi.jp/police/shinsei/koutsu/chusha-shinsei/chusha/

 

後続車両やすれ違い車両が通れなくなるほどの細い道や、交差点内などはもちろん駐車ができませんが、駐車禁止エリアでも「介護」や「医療」目的であれば比較的スムーズに許可が取れるようです。

ケアマネ業務や接骨院・治療院の訪問マッサージ、訪問薬剤管理指導、障害福祉の居宅事業などでも同様に許可が取れます。

 

また許可がなく車が無人状態で5分以上経つと、駐車違反を取られる可能性があります。デイサービスの送迎や配食で、ビルの高層階に行く、車イスの乗降に時間がかかる等の場合は、許可申請をした方が良いかも知れません。

 

なお実際のトラブルは、対警察ではなく対ご近所の方が多いようです。

たとえ許可車両であっても他人の私有地や駐車場の入口などには停めるのは禁止です。

不要な近隣トラブルは利用者様の近所づきあいにも不利益になりますので、適切な対応を心がけましょう。

もうすぐ、「愛知県 介護べんり帳」2019年版を刊行します。

名古屋市中村区や中川区、一宮市などを掲載している西部版を今春に発行し、約半年間隔で北部版、東部版を順次発行予定です。現在西部版発行の最終作業の為、ブログの更新が滞っていて申し訳ありません。

 

介護医療の連携がますます重視され、今回のべんり帳でも今まで以上に多くの医療機関にご協力をいただけました。

 

いよいよ平成が終わり令和が始まりますが、振り返ると平成は阪神大震災、東日本大震災など、大きな自然災害があり、ボランティア参加など、災害への備えや復興の意識が高まった時代でもありました。

昭和のころから来る来ると言われながらやってこない東海大地震(最近の言い方では南海トラフ地震)、令和にも来ない事を祈るばかりですが、いざ地震や洪水の時、要介護の高齢者はどこに行けばよいか、ご存知ですが?

 

「福祉避難所」と呼ばれる施設が、災害時の要介護者やご家族の受け入れ先になっていて、通常は役場特養、老健などの大きな介護施設が指定されていることが多いようです。指定が始まってまだ日が浅く、熊本地震の時は3日以内に福祉避難所として機能できた施設が1割ほどしかなかったため、気になる方は役場などで自宅近くを複数個所調べておくとよいでしょう。

 

私達が発行する医療MAPには指定避難所一時避難所を掲載していますが、介護マップには残念ながら福祉避難所を掲載できていません。名古屋市など主要自治体でまだ十分に情報が公開されておらず、最新確実な情報が入手できていないからですが、情報が入手できるようになったら、いずれ掲載していきたいと思います。

 

ついでにもう一つ、災害時はペットの避難も問題となっています。指定避難所や一時避難所の中でも、小中学校などはペット同伴で避難可のところが多いようです。こちらも気になる方は事前にチェックしておきましょう。

維持期リハビリって知ってますか?

体の機能を回復させて日常生活を送れるようにするリハビリのうち、急性期、回復期の次に来るのが維持期です。

回復期に戻った機能をちゃんと維持しながらさらにスムーズな動きができるよう、ゆっくりじっくりした訓練が特徴です。

今までは維持期リハビリ医療保険の対象でしたが、2019年4月から、「要介護者」「要支援者」に対しては全面的に介護保険の対象となり、通院や訪問診療でリハビリを受けていた人が、介護保険事業でリハビリを受けることになります。

医療機関は基本的に介護事業の「みなし」登録がされているので、通所の場合は行き先が変わるケースは少ないと思いますが、訪問の場合は医療機関の体制によっては連携先の訪問看護・訪問リハ(訪問予防リハ)事業所の担当に代わるかも知れません。

また要介護度に応じて月に介護サービスを受けられる回数が決まっている為、症状と介護度によっては今までよりリハビリ回数が減ってしまう人が出てきます。そもそも医療保険介護保険では、リハビリ1単位の時間が異なるため、1回のリハビリ時間が短縮されることもありそうです。

それぞれの点数詳細まで分析できてはいないですが、医療保険介護保険で自己負担率が変わる人がいるため、利用料が安くなる人、高くなる人が出てくるのではないかと思います。65~70歳など若い要介護者は安く、75歳以上で収入が多い人は高くなる可能性があります。

 

こうした諸々の原因による混乱を緩和するため9月まで移行期間が設けられますし、これまでも10年以上かけて、医療と介護の各種条件のすり合わせが行われてきました。それでもケアマネさんや医療機関のソーシャルワーカーさんには、かなりの負担になりそうです。

もとは「医学的処置により今以上の機能向上が見込めない高齢者に対し、社会的活動などのリハビリを通じて生活向上を目指す」のか本来の目的だったはずですが、何度も何度も妥協と折衷を繰り返した現在の制度で果たして目的は達せられるのでしょうか。「リハビリ難民」などという言葉が今年の流行語にならなければよいのですが。