名古屋ボストン美術館
『ボストン美術館 パリジェンヌ展 時代を映す女性たち』(2017年)
花の都、芸術の都、パリ。
そのパリで生まれ育った「パリジェンヌ」
彼女たちの生き方や装いが
多くの人々の憧れの的になっているのは、なぜ…?
ボストン美術館が所蔵する18世紀ロココの時代から
20世紀までのコレクションを通して、
「パリジェンヌ」の魅力に迫る展覧会です。
(全5章、展示総数123点)
魅惑的な女性がたーくさん登場しますが、
今回のイチ押しは、こちら
ウィリアム・モリス・ハント(アメリカ)
《マルグリット》
キャンバスに油彩
1870年 128.27×94.93
ボストン美術館
第3章に展示されています。
まず、正面から描いてないところがイイ

なんかね、彼女が何を思っているのか気になるのよね。。。
その心の内をあれこれ想像できるのもよいです。
モデルはベルト・ウィリアムズという少女。
少女の手元の帽子に飾られているのは、
フランス語でヒナギクを意味するマルグリットの花。
(白いヒナギクの花言葉は「無邪気」だそう)
【ウィリアム・モリス・ハント作品集】
そのほかのお気に入り作品もどうぞ
◆ 第1章 パリという舞台―邸宅と劇場にみる18世紀のエレガンス
1715年にルイ14世の治世が終わると、
宮廷のあるヴェルサイユに代わり
パリが文化の中心地となります。
個人の邸宅では、
しばしば女主人が文化人の集いを主宰。
「サロン」と呼ばれるその集いは
彼女たちの個性を繁栄し、
人々の交流や新しい考え方を広める場になりました。
ドレス(3つのパーツからなる)
緯浮織のシルクカネル、シルク糸のあるブロケード
フランス/1770年頃
ボストン美術館
布全体にリボンや花かご、
小枝の模様を織り出したシルクのドレス。
袖口と胸の上部に施された花びら状のレースは、
生地に匹敵するほど
高価な装飾だったのではないか…とのこと。
この章では、ファッションをテーマにした
18世紀の版画も紹介しています。
◆ 第2章 日々の生活―家庭と仕事、女性の役割
18世紀のフランス革命と、
その後のナポレオンの統治下で社会は大きく変化します。
フェミニズムの運動が起こる中、
仕事に就く女性も現れますが、
結婚して母となり、家庭を守るという
伝統的な価値観はいまだ根強い。。。
美術においては、
労働者階級や中流階級の日常生活を描いた風俗画が
数多く制作されるようになります。
オーギュスト・トゥルムーシュ(フランス)
《読み方のレッスン》
キャンバスに油彩 1865年 36.5×27.6
ボストン美術館
身なりや室内の装飾に気をつかい、芸術をたしなむ、
当時の理想的な女性の姿。
女性として必要な素養を子どもに教えるという、
育児での母親の役割を描いた作品です。
アルフレッド・ステヴァンス(ベルギー〔フランスで活動〕)
《音楽室で休む若い女性》
キャンバスに油彩 制作年不詳 40×61.2
ボストン美術館
この章には、
当時の女性解放運動やファッションを風刺した版画も
展示されていますよ。
◆ 第3章 「パリジェンヌ」の確立―憧れのスタイル
1852年、ナポレオン3世による第二帝政が始まります。
この時代、パリの街は大改造が行われて近代化が進みました。
パリではファッション業界が重要な位置を占め、
さまざまな商品の消費が拡大。
パリジェンヌのスタイルは憧れの対象となり、
パリの流行は海外にも広がっていきました。
フランツ・クサーヴァー・ヴィンターハルター(ドイツ)
《ヴィンチェスラヴァ・バーチェスカ、ユニヤヴィッチ夫人》
キャンバスに油彩 1860年 156.1×124
ボストン美術館
ポーランドの貴族ユニヤヴィッチ夫人は
ナポレオン3世の皇妃ウジェニーをお手本にして、
皇妃お気に入りの宮廷主席画家ヴィンターハルターに
この肖像画を依頼したそうな。
ドレス(5つのパーツからなる)
シャルル・フレデリック・ウォルト(イギリス〔フランスで活動〕)
ウォルト社のためのデザイン
経縞模様の平織シルク(ファイユ)、刺繍を施したシルクのシェニールで縁取ったコットンボビンレース、シルクとコットンの裏地
フランス/1870年頃
ボストン美術館
高級仕立屋のウォルト&ボーベルクは
1858年、パリに開店。
シャルル・フレデリック・ウォルトが
ウジェニー皇妃の専属デザイナーになると、
顧客が店に殺到したそうです。
鮮やかな紫色は19世紀に開発された
アニリン染料によるもので、
当時の最新流行だったとか。
ジョン・シンガー・サージェント(アメリカ)
《チャールズ・E.インチズ夫人(ルイーズ・ポメロイ)》
キャンバスに油彩 1887年 86.36×60.64
ボストン美術館
ボストンの著名な女主人。
赤いイブニングドレスはアメリカ製ですが、
前述のフランスのデザイナー
シャルル・フレデリック・ウォルトのデザインを
ヒントにしたものだそう。
ジョゼフ・フロランタン・レオン・ボナ(フランス)
《メアリー・シアーズ(後のフランシス・ショー夫人)》
キャンバスに油彩 1878年 126.4×75
ボストン美術館
アルフレッド・ステヴァンス(ベルギー〔フランスで活動〕)
《注意深い聞き手》
板に油彩 1879年 52.2×30
ボストン美術館
第2章の《音楽室で休む若い女性》といい、
こちらといい、
ステヴァンスの作品はなぜか気になってしまう。。。
なので、動画も紹介しちゃいます
【アルフレッド・ステヴァンス作品集】
人物の衣裳を見ているだけで楽しいわ
この章には、
ベル・エポック(「良き時代」)の寵児
ジュール・シェレのポストカードも展示されてますよ。
◆ 第4章 芸術をとりまく環境―制作者、モデル、ミューズ
19世紀、伝統的な美的教育機関である
アカデミーの権威が衰えるにしたがって
印象派など革新勢力が台頭し、
美術界は大きな変化を遂げます。
新しい表現や展示の場が生まれ、
女性の中には制作者になる者、
芸術家の想像力をかきたてるミューズとして
モデルになる者も現れました。
メアリー・スティーヴンソン・カサット(アメリカ)
《縞模様のソファで読書するダフィー夫人》
板に油彩 1876年 34.29×26.67
ボストン美術館
フランスのベルト・モリゾと並び、
19世紀に活躍した女性画家のひとり。
上流階級の女性が
読書や裁縫などをして過ごす家庭での情景は、
カサットの得意とするモチーフとのことです。
◆ 第5章 モダン・シーン―舞台、街角、スタジオ
19世紀後半以降、パリではミュージックホールや
キャバレーが次々に開店、
多くの人々が集まるようになりました。
女性は、こうした場所での
歌手やダンサーとしてだけでなく、
文学・映画・ファッション・スポーツなど
さまざまな分野で活躍するようになります。
そして、その活動的な姿が
作品の中にも見られるようになります。
パヴェル・チェリチェフ(アメリカ〔ロシア生まれ、フランスでも活動〕)
《ボンジャン夫人》
キャンバスに油彩 1930年 73×49.8
ボストン美術館
ボンジャン夫人の夫は
クリスチャン・ディオールとともに
パリで画廊を経営していて、
そこで画家チェリチェフの作品も扱っていたそう。
当時、流行の最先端だった「ギャルソンヌ」
と呼ばれるボーイッシュなスタイルで描かれています。
この章ではまた、
当時のパリの風景や風俗を描いたポストカード、
写真、デザイン画も紹介されてますよ。
フランス革命→ナポレオン帝政→第一次・第二次大戦と、
歴史の荒波を乗り越え、常に時代の先端をいくような、
華やかでおしゃれな雰囲気を醸し出している街、パリ。
そのパリを支えてきたのは、
ほかならぬ「パリジェンヌ」たちだった…
という内容でございました
おまけ〜
★ エッフェル塔のライブカメラ →
★ エッフェル塔のサイト →
・Twitter →
・Instagram →
・Facebook →
『ボストン美術館 パリジェンヌ展 時代を映す女性たち』
◆2017年6月10日(土)-10月15日(日)
名古屋ボストン美術館
(世田谷美術館、広島県立美術館に回ります)
【名古屋ボストン美術館は2018年10月8日にて閉館しました】
★ ボストン美術館 →
【追記】
ところで、名古屋では
もうひとつファッション関連の展覧会を開催中〜
ヤマザキマザック美術館
『もっと知りたい名画の世界 よそおいの200年』
17世紀後半から20世紀初めにかけての
フランス絵画、
衣裳(神戸ファッション美術館のコレクション)、
扇、化粧道具などが展示されているそうな
興味のあるかたはどうぞ!
『もっと知りたい名画の世界 よそおいの200年』
◆2017年4月22日(土)-8月27日(日)
ヤマザキマザック美術館
・テーマ「肖像画・人物画」の記事一覧 →
『ボストン美術館 パリジェンヌ展 時代を映す女性たち』(2017年)
花の都、芸術の都、パリ。
そのパリで生まれ育った「パリジェンヌ」

彼女たちの生き方や装いが
多くの人々の憧れの的になっているのは、なぜ…?
ボストン美術館が所蔵する18世紀ロココの時代から
20世紀までのコレクションを通して、
「パリジェンヌ」の魅力に迫る展覧会です。
(全5章、展示総数123点)
魅惑的な女性がたーくさん登場しますが、
今回のイチ押しは、こちら
ウィリアム・モリス・ハント(アメリカ)
《マルグリット》
キャンバスに油彩
1870年 128.27×94.93
ボストン美術館
第3章に展示されています。
まず、正面から描いてないところがイイ
なんかね、彼女が何を思っているのか気になるのよね。。。
その心の内をあれこれ想像できるのもよいです。
モデルはベルト・ウィリアムズという少女。
少女の手元の帽子に飾られているのは、
フランス語でヒナギクを意味するマルグリットの花。
(白いヒナギクの花言葉は「無邪気」だそう)
【ウィリアム・モリス・ハント作品集】
そのほかのお気に入り作品もどうぞ
◆ 第1章 パリという舞台―邸宅と劇場にみる18世紀のエレガンス
1715年にルイ14世の治世が終わると、
宮廷のあるヴェルサイユに代わり
パリが文化の中心地となります。
個人の邸宅では、
しばしば女主人が文化人の集いを主宰。
「サロン」と呼ばれるその集いは
彼女たちの個性を繁栄し、
人々の交流や新しい考え方を広める場になりました。
ドレス(3つのパーツからなる)
緯浮織のシルクカネル、シルク糸のあるブロケード
フランス/1770年頃
ボストン美術館
布全体にリボンや花かご、
小枝の模様を織り出したシルクのドレス。
袖口と胸の上部に施された花びら状のレースは、
生地に匹敵するほど
高価な装飾だったのではないか…とのこと。
この章では、ファッションをテーマにした
18世紀の版画も紹介しています。
◆ 第2章 日々の生活―家庭と仕事、女性の役割
18世紀のフランス革命と、
その後のナポレオンの統治下で社会は大きく変化します。
フェミニズムの運動が起こる中、
仕事に就く女性も現れますが、
結婚して母となり、家庭を守るという
伝統的な価値観はいまだ根強い。。。
美術においては、
労働者階級や中流階級の日常生活を描いた風俗画が
数多く制作されるようになります。
オーギュスト・トゥルムーシュ(フランス)
《読み方のレッスン》
キャンバスに油彩 1865年 36.5×27.6
ボストン美術館
身なりや室内の装飾に気をつかい、芸術をたしなむ、
当時の理想的な女性の姿。
女性として必要な素養を子どもに教えるという、
育児での母親の役割を描いた作品です。
アルフレッド・ステヴァンス(ベルギー〔フランスで活動〕)
《音楽室で休む若い女性》
キャンバスに油彩 制作年不詳 40×61.2
ボストン美術館
この章には、
当時の女性解放運動やファッションを風刺した版画も
展示されていますよ。
◆ 第3章 「パリジェンヌ」の確立―憧れのスタイル
1852年、ナポレオン3世による第二帝政が始まります。
この時代、パリの街は大改造が行われて近代化が進みました。
パリではファッション業界が重要な位置を占め、
さまざまな商品の消費が拡大。
パリジェンヌのスタイルは憧れの対象となり、
パリの流行は海外にも広がっていきました。
フランツ・クサーヴァー・ヴィンターハルター(ドイツ)
《ヴィンチェスラヴァ・バーチェスカ、ユニヤヴィッチ夫人》
キャンバスに油彩 1860年 156.1×124
ボストン美術館
ポーランドの貴族ユニヤヴィッチ夫人は
ナポレオン3世の皇妃ウジェニーをお手本にして、
皇妃お気に入りの宮廷主席画家ヴィンターハルターに
この肖像画を依頼したそうな。
ドレス(5つのパーツからなる)
シャルル・フレデリック・ウォルト(イギリス〔フランスで活動〕)
ウォルト社のためのデザイン
経縞模様の平織シルク(ファイユ)、刺繍を施したシルクのシェニールで縁取ったコットンボビンレース、シルクとコットンの裏地
フランス/1870年頃
ボストン美術館
高級仕立屋のウォルト&ボーベルクは
1858年、パリに開店。
シャルル・フレデリック・ウォルトが
ウジェニー皇妃の専属デザイナーになると、
顧客が店に殺到したそうです。
鮮やかな紫色は19世紀に開発された
アニリン染料によるもので、
当時の最新流行だったとか。
ジョン・シンガー・サージェント(アメリカ)
《チャールズ・E.インチズ夫人(ルイーズ・ポメロイ)》
キャンバスに油彩 1887年 86.36×60.64
ボストン美術館
ボストンの著名な女主人。
赤いイブニングドレスはアメリカ製ですが、
前述のフランスのデザイナー
シャルル・フレデリック・ウォルトのデザインを
ヒントにしたものだそう。
ジョゼフ・フロランタン・レオン・ボナ(フランス)
《メアリー・シアーズ(後のフランシス・ショー夫人)》
キャンバスに油彩 1878年 126.4×75
ボストン美術館
アルフレッド・ステヴァンス(ベルギー〔フランスで活動〕)
《注意深い聞き手》
板に油彩 1879年 52.2×30
ボストン美術館
第2章の《音楽室で休む若い女性》といい、
こちらといい、
ステヴァンスの作品はなぜか気になってしまう。。。
なので、動画も紹介しちゃいます
【アルフレッド・ステヴァンス作品集】
人物の衣裳を見ているだけで楽しいわ
この章には、
ベル・エポック(「良き時代」)の寵児
ジュール・シェレのポストカードも展示されてますよ。
◆ 第4章 芸術をとりまく環境―制作者、モデル、ミューズ
19世紀、伝統的な美的教育機関である
アカデミーの権威が衰えるにしたがって
印象派など革新勢力が台頭し、
美術界は大きな変化を遂げます。
新しい表現や展示の場が生まれ、
女性の中には制作者になる者、
芸術家の想像力をかきたてるミューズとして
モデルになる者も現れました。
メアリー・スティーヴンソン・カサット(アメリカ)
《縞模様のソファで読書するダフィー夫人》
板に油彩 1876年 34.29×26.67
ボストン美術館
フランスのベルト・モリゾと並び、
19世紀に活躍した女性画家のひとり。
上流階級の女性が
読書や裁縫などをして過ごす家庭での情景は、
カサットの得意とするモチーフとのことです。
◆ 第5章 モダン・シーン―舞台、街角、スタジオ
19世紀後半以降、パリではミュージックホールや
キャバレーが次々に開店、
多くの人々が集まるようになりました。
女性は、こうした場所での
歌手やダンサーとしてだけでなく、
文学・映画・ファッション・スポーツなど
さまざまな分野で活躍するようになります。
そして、その活動的な姿が
作品の中にも見られるようになります。
パヴェル・チェリチェフ(アメリカ〔ロシア生まれ、フランスでも活動〕)
《ボンジャン夫人》
キャンバスに油彩 1930年 73×49.8
ボストン美術館
ボンジャン夫人の夫は
クリスチャン・ディオールとともに
パリで画廊を経営していて、
そこで画家チェリチェフの作品も扱っていたそう。
当時、流行の最先端だった「ギャルソンヌ」
と呼ばれるボーイッシュなスタイルで描かれています。
この章ではまた、
当時のパリの風景や風俗を描いたポストカード、
写真、デザイン画も紹介されてますよ。
フランス革命→ナポレオン帝政→第一次・第二次大戦と、
歴史の荒波を乗り越え、常に時代の先端をいくような、
華やかでおしゃれな雰囲気を醸し出している街、パリ。
そのパリを支えてきたのは、
ほかならぬ「パリジェンヌ」たちだった…
という内容でございました

おまけ〜
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『ボストン美術館 パリジェンヌ展 時代を映す女性たち』
◆2017年6月10日(土)-10月15日(日)
名古屋ボストン美術館
(世田谷美術館、広島県立美術館に回ります)
【名古屋ボストン美術館は2018年10月8日にて閉館しました】
★ ボストン美術館 →
【追記】
ところで、名古屋では
もうひとつファッション関連の展覧会を開催中〜
ヤマザキマザック美術館
『もっと知りたい名画の世界 よそおいの200年』
17世紀後半から20世紀初めにかけての
フランス絵画、
衣裳(神戸ファッション美術館のコレクション)、
扇、化粧道具などが展示されているそうな
興味のあるかたはどうぞ!
『もっと知りたい名画の世界 よそおいの200年』
◆2017年4月22日(土)-8月27日(日)
ヤマザキマザック美術館
・テーマ「肖像画・人物画」の記事一覧 →






























)
































でした。








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