気管挿管されても抜管を諦めない | 幸せの条件

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筋萎縮性側索硬化症(ALS)の妻と二人の子供(小学生)の事を綴ります。

年末から年始にかけ、突然大変な事になった。息子から始まった風邪(後にコロナと判明)が私を含め家族一巡し、最後に妻に罹患した。
呼吸筋が弱っている事から咳も痰も出せず、呼吸困難になり意識を失う寸前に。
救急車を呼んで酸素吸入させてもらうと少し落ち着いた。並行して入院先を救急隊に探してもらったが、ALSのコロナ患者の受け入れ先も無く、一度自宅待機に。
苦しいというのでHOTの機器をレンタルさせてもらい酸素吸入で様子をみていたら、常時120回/分以上の頻脈となり呼吸も苦しそう。
夜中に保健所と連絡をとって入院を懇願するも、やはり受け入れ先無く。
意識朦朧の妻を励ましながら、朝になりコロナ発熱外来を受診すると、肺炎且つCo2ナルコーシスを起こしている事が判明。
「コロナウイルス性肺炎の可能性が高く、まず気管挿管による人工呼吸器管理をしないと最悪命の危険がある。但し、気管挿管による管理は長く続ける事が出来ず、持病のALSによる呼吸筋力が弱くなっている事から早いうちに気管切開による人工呼吸器管理を判断する。一旦人工呼吸器をつけると外す事ができないが良いか。」
などと、矢継ぎ早に医者から説明受け、パニックになったが、後ろ髪を引かれる思いで仕方なく同意書にサインして一旦帰った。

家に帰り、眠れない中、冷静に考えてみた。
まだ呼吸障害及び嚥下障害も無かったはずの妻がもう気管切開をする?そんなバカな話があるか。ALSだからと杓子定規に決めつけられるのはおかしい。

翌日ICU病棟に電話して、肺炎が治った時点で早期に抜管を試みて欲しい旨伝えた。気管切開は最後の手段として欲しいとも。

私の想いは伝わり、2日後にはコロナも陰性となり抜管も出来た。抜管後はNHFも付けていたがこれも外せた。呼吸器が無くてもSpO2値は安定している。
本当に良かった。

まずは呼吸の問題はクリアできたが、解決できていない問題がある。痰の喀出が上手く出来ないのだ。

コロナの後遺症か急に痰が多くなった。この入院中にも痰を詰まらせて、心停止するという事件も起こった。幸いにして心停止は1分程度であったので後遺症等も無く済んだ。

痰はALS患者の命を突然奪う最たるものと聞いた事はあったが、今回あらためて非常に恐ろしいものと認識させられた。

今後は私もこの痰吸引をマスターしないといけないが、鼻からの痰吸引は妻が本当に辛そうだ。おそらく気管カニューレからの吸引より辛いと想像する。
吸引があまりに多いようだと、痰問題の為に気切も考えなければならない日が来てしまうのだろうか。

今後、在宅で痰吸引がいつでも出来る体勢を整えない事には退院が出来ない。今は家事メインヘルパーとなっているが、今後は見守り介護メイン体制への再構築が必要だ。
また排痰補助装置は必須だろう。排痰補助装置を保険適用で導入するためには、最低でもNPPVを導入しなければいけない。NPPVを導入するには訪問医を設定しなければいけない。
などと、考える事が山積みだ。

妻の入院病棟からブログを書いてみた。年始より仕事は一か月間程度休むと会社に申請はしたが、私が仕事復帰出来そうなビジョンはまだ見えない。