すっかり紫陽花ちゃんたちの花盛り。

あちこちで色とりどりの紫陽花を見ることができるのが、梅雨のいいところ。




さて。

『ヴィレット』シャーロット・ブロンテ

やっと上巻の12章に辿り着きました。だいたい全体の4分の1くらい。1853年の作品です。


”両親のないルーシー・スノウ。名付け親であるミセス・ブレトンのところに滞在し穏やかに過ごしていたある日、ミセス・ブレトンの亡くなったご主人の遠縁にあたる小さな女の子がやってくる。その子は母親がおらず、父親は気鬱を治療する旅に出るため、預かることになったのだ。少しばかり変わったそのポーリーナは、ミセス・ブレトンの息子である10も歳上のグレアムをおかしなほど大好きになった。

しかしポーリーナは回復したヨーロッパの父親のところへ行ってしまった。


そのすぐ後、ルーシーは名付け親のもとから、親戚のところへ帰って行った。

しかしルーシーは酷い揉め事に巻き込まれ、その結果天涯孤独となる。

親切な資産家のミス・マーチモントのところでお世話係として身を寄せるが、そのミス・マーチモントもあっけなくこの世を去る。


進退窮まったルーシーは北の空に輝くオーロラの下で、心の声を聞く。「この荒野から立ち去れ」「そしてここから出て行け」”




ここまでのルーシー、同じ作者の「ジェイン・エア」のジェインにどことなく似ています。天涯孤独であること、進退窮まった際に心のうちから力強い声が背中を押すこと。



“ルーシーはとりとめもない情報を手掛かりにまずはロンドンへと出て行く。そして決然とした大胆な行動をとる。ヨーロッパ大陸行きの船にあっという間に乗り込むのだ。船で、身勝手で我慢というものができないそれでいてどことなく面倒をみたくなってしまうミス・ファンショーと交流を持つ。世間知らずの若いルーシーが危なっかしくも冷静に様々なアクシデントを乗り越えて、ラバスクール王国の首都ヴィレットに辿り着く。


そこでルーシーは運と知性と冷静さで女子寄宿学校の英語教師という職を得る。マダム・ベックという抜け目ない経営者とうまく渡り合い、ハンサムなドクター・ジョンとも知り合う。”



ルーシー・スノウはヒロインとは言い難い人物です。感情の起伏は穏やかで、感激することも泣き叫ぶこともしない。いつも落ち着き払っていて、堅物で、気難しい。もちろん口数も少ない。外見に関する描写はないものの、一度たりとも男性から関心を払われたことがないと自らを評しているので、おそらくジェイン・エアのように地味で飾り気のないクエーカー教徒のような風采なのかと。

しかし本当は彼女には自分がいつも鎮めようとしている性質があり、渇望の叫びがあるのです。

「胸も痛むばかりに熱望したー何かが私を現在の状態から連れ出してもっと高くへ、もっと前方に導いてくれることを。」



ルーシーはどうなるのか…

19世紀半ばの、おとなしそうな外見のうちに秘めた熱さを持つ女性。やっぱり、ジェインに似てる。ね。


⬇️話の途中ですが、気になってしまってお問い合わせ


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