江田健二 他「電力・ガス業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書」 | 世界文学登攀行

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世界文学の最高峰を登攀したいという気概でこんなブログのタイトルにしましたが、最近、本当の壁ものぼるようになりました。

仕事で太陽光関係の会社に行くことになったので、そもそも電力業界についてちょっと勉強してみる気になった。
ガス業界についても書いてあるけど、それは流し読み。

知らなかっただけで、今、電力業界は過渡期であると知った。
面白さを感じるほど、熱い業界だった。

無知な人間の覚書なので、あまり面白くならないかもしれないけど、今回はご容赦ください。

①電力業界の主な柱(P42-43)
・発電部門(電気を生み出す部門)
・送配電部門(発電所から消費者まで、発電した電気を届ける送電線・配電線などの送配電網を管理する部門。インフラ)
・小売部門(消費者と直接やり取りし、料金プランの設定や契約手続きなどのサービスを提供する部門)

②2016年小売全面自由化(P22)
発電部門を持たない小売業者が成り立つのは、電力の取引ができるJEPX(日本卸電力取引所)の存在があるから。
かなり整備された市場で、電力の先渡市場もある。

③電力自由化の影響(P60)
かつては10の大手電力会社が電気事業を独占していたが、自由化により独占が認められなくなり、多くの事業者が参入するようになった。
しかし、大手電力業者は組織的に分離しているものの、発電・送配電・小売を押さえており、依然として力を持っている。

④2050年カーボンニュートラル宣言の影響(P30)
日本政府は2020年10月、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにするという脱炭素宣言を行った。
化石燃料による火力発電への依存から、CO2を排出しない電源へのシフト、再生可能エネルギー(再エネ)へのシフトが喫緊の課題。
主な再エネ発電
・太陽光発電
・風力発電
・水力発電
・地熱発電
・バイオマス発電

⑤多様な素材利用や設計革新により用途が広がる太陽電池(P186)
再エネの旗手として期待される太陽光発電は、技術革新もすごい勢いで進んでいる。
今、イメージするような太陽光パネルだけではなく、プロベスカイト素材を使った太陽電池を使って平面ガラスとして採用が可能であったり、道路の路面に太陽光パネルを埋め込む技術や、量子ドットと呼べれる微小な半導体粒子を使った太陽電池なども開発されている。

太陽光関係の会社に行く前のまとめ。
現在の電力業界は、自由化により、多くのビジネスチャンスが生まれている。
中でも、再生エネルギーは国家の政策として注目されており、市場はこれから拡大していくことが見込まれる。
ただし、それだけに、競争者が数多くあらわれる可能性がある。また、各国の研究者も注目している分野のため、常にゲームチェンジャーとなる新たな技術の可能性による脅威がある。

たまたまなのだが、この本を読み終えたくらいの時から、ニュースでエネルギー計画見直しのことが取り上げられるようになった。
勉強したことは聞いていてわかる。
学ぶことは楽しいことだと改めて思った。