アンニョンハセヨ~
ヨ・ジング版のドラマがとっても良かったので、そのリメイク元となる映画も観てみました。
予想に反してドラマとは全く別の展開だったので、終始新鮮な気持ちで楽しめました
どちらを先に視聴しても楽しめると思いますが、映画脳がない自分は、先にドラマを視聴したおかげで映画への理解が深まりました。
※画像は公式facebookより
■視聴時期
2022年7月
■お気に入り度(5点満点)
★★★☆
■視聴方法
Amazon prime
■公開年
2012年
※以下はあくまでもkabo個人のたわ言です。マイナス点も挙げていますのでご容赦ください。
※以下よりネタバレありです。ドラマ版のネタバレも含まれますのでお気をつけください。
感想は、ドラマとの比較の覚書が中心です。
●史実に忠実な脚本
ドラマが完全なフィクションであるのに対し、映画はかなり史実ベースのようでした。
ネットの拾い情報ですが、興味深かったのは、光海君が在位期間中に空白の期間があることが、史実として明らかになっていること。
後半に都承旨が持ち出した“15日間の日記”がそれに該当するようですね。
映画の冒頭によると「光海君日記」の1616年2月28日に、「隠すべきことは朝報に載せるな」と書かれているそうですが、それが空白期間と関係しているのかまではわからず。
いずれにしても、光海君のニ面性を表現するのに、その空白期間をきっかけにして
・途中から“偽物”が政治を行ったのか。
・誰かの言動に影響を受けた“本物”が手腕を発揮したのか。
どちらの設定も抜群に面白かったです。
●ハソンは王にならない
最大の違いはこれですね。
正式に王に就任したドラマ版とは違い、映画は身代わりとして置かれた15日間の物語であること。
よって、ドラマのように王妃との本格的なラブラインや激しい政権争いはないし、政策についても感情のままに意見を述べただけで、正式に実施するには至っていないんですよね。
しかもその“意見”は“空白の15日間”の出来事なので、記録に残っていないというオチが見事!!
ハソンも側近も、最初から最後まで“王様ごっこ”をしているだけのスタンスなのが面白かったです。
だからハソンのキャラクターも、民としての憤りや正義感ではなく、完全に報酬狙いでやっているという小賢しさのほうが強調されていました。
そもそもキャラクターの年齢設定がぜんぜん違うから、どっちの設定もそれぞれに良かったです。
●映像のリアリティと周囲の反応の違和感
韓国時代劇の映画を観たのは初めてだったので、白飛び映像ではない、キラキラしていない、ちょっと汚い感じの朝鮮王朝の様子が新鮮でした。
登場人物のヒゲや皮膚の感じなどが生々しく、また電気のない時代の宮殿の暗さや、OSTのない静けさが、当時の様子をありありと表現しているようでした。
それに反して、ハソンが調子に乗って雑に“王様ごっこ”をしている様子に、周囲の人間が全然違和感を持たないので、少しモヤモヤしました(もちろんそこまで描ける尺はないけど)。
でも、“荒れた手の節”に疑いを持った武官の着眼点はリアリティがあった!
本来なら、庶民は日焼けしているから、顔の皮膚感も王様とはぜんぜん違うはずですけどねw
●ドラマ版ラストシーンに少し納得
ドラマ版ラストでハソンとチャン武官が襲われ、チャン武官があっけなく死んでしまったシーンに納得できなかったのですが、映画では2人の関係が重要なファクターだったので、あえてあのシーンを入れた理由がわかりました。
映画版では、唯一“偽物の王様”に忠誠を誓ったキャラクターだったとは
とはいえ、ドラマでは必要なかったと思うけど……。
今回のト部将はずんぐりしていてむさ苦しいだけでなく、最期のシーンで映った手が汚くてごつくて、これが本物の武官なんだなとちょっと幻想が壊されましたw
キラキラしたドラマ版だとシュッとしたイケメン武官が定番ですが、肉体派の汚れ仕事だから本来はト部将のようなイメージなんでしょうね
●キャラクター・キャストの横断
チョ内官が同一人物だったのでめっちゃ嬉しかったです
ドラマ版のキャスティングした人、GJ
ドラマも映画も癒やしの存在でした
あと、都承旨役のリュ・スンリョン氏が「星から来たあなた」で同じ都承旨役としてカメオ出演されていることを知って、再視聴したくなりました
「星から来たあなた」も、着想のベースが「光海君日記」の一節からきているんですよね
その件は、この投稿の後半に書いています。
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次はBSで録画していた「サーチ」を視聴予定です
ではまた