アンニョンハセヨ~
先日完走した「ノクドゥ伝」のチャン・ドンユン氏があまりにも大好物だったので、現在おかわり3杯めに入り、沼底を徘徊中ですw
※画像はご本人の事務所公式Instagramより
この兼司僕ver.の軍服姿が 尊い尊すぎる
おかわり視聴の合間に、今日の記事に関するリサーチをしたり、「チャン・ドンユン」で検索したYouTube動画を片っ端から見まくっているので、いつも以上に寝不足の日々(昨日はカメラオフで参加していたZoom会議で半分寝ていた)
ほかの出演作品も観たいのですが、ピンとくるものがなくて困っています(期待されていたであろう「朝鮮駆魔師」は残念なことになったし)。
今のところ一番興味を持った最新作の「サーチ」は、まだ配信サイトではラインナップされていない
あとはチョイ役らしいけど、マイリストに入れている「ミスター・サンシャイン」にも出演しているので、Netflixに戻ったら観なきゃ(※16話以降出演との情報)
……と、独り言を吠えまくったところで、閑話休題。
今日は、「ノクドゥ伝」の感想の続きというか、後日談?を投稿します。
ドラマの感想は
「雲が描いた月明り」の時もそうだったように、時代劇視聴後は関連の史実を調べるのも楽しみの一つです(本来は理解したうえで視聴すべきですが、まだビギナーなので)。
以下は、下記ムックを中心に、Wikipediaや各種ネット情報の拾い集めです。できる範囲でファクトチェックしていますが、誤った内容がある場合は教えていただけると幸いです。
■作家が着想した記録の存在
当時の非公式記録(文臣の日記『避難行録』)に「1592年5月12日に(当時は世子だった光海君の)嬪宮が出産された」とあるそうで、原作者のヘ・ジニャン氏はそのたった一文からこの物語を着想したらしいです。
『避難行録』の筆者である鄭琢は、壬辰倭乱のときに宣祖や光海君とともに避難した文臣なので、出産自体には信ぴょう性がありそう
その後、その子は公式記録には一切登場せず、公式で初めて光海君の子どもについて言及されたのは「1596年に産室を作る命令を出した」という話だそうです。
歴史のたった一文にだけ登場した赤ちゃんがノクドゥかもしれないと思うと、めちゃくちゃロマンがありますよね~
それにしても、たった一文からここまでの物語を作るなんて、いつも思うけど作家の頭の構造ってどうなっているんだろう
このエピソードを知って、真っ先に思い出したのは「星から来たあなた」。
同作も『朝鮮王朝実録光海君日記』に記載された「1609年に未確認飛行物体が目撃された」という、たった一文から着想されました。
王の名前を赤字で示したように、「ノクドゥ伝」と「星から来たあなた」(の過去シーン)は、同じ時代の物語です。
実は現在「星から来たあなた」も再視聴しているのですが、驚くべき「ノクドゥ伝」との共通点があったので後述します。
■年号設定を確認
史実との照らし合わせで自分的に重要なのが、物語の設定年と、キャラクターの年齢(生まれ年)。
というわけで、順を追って記載します(ドラマ内だけの設定は赤字)。
●1592年5月12日
「(当時は世子だった光海君の)嬪宮が出産された」という非公式記録あり。
●1592年~1593年
壬辰倭乱(文禄の役)
●1593年11月19日
ノクドゥとユルムの誕生日。
※2人の誕生日設定についての疑問点を後述します。
※本物の仁祖の誕生日は1595年12月7日。
●1599年?
ドンジュ誕生。
一家が処刑されたときの年齢について、使用人が「お嬢様は10歳にも満たなかった」と言っていたので、当時9歳で算出。
●1606年
宣祖の嫡男である永昌大君誕生。
●1608年
宣祖崩御&光海君即位。
物語設定年の6年前、ドンジュ一族が処刑される。
(ドンジュ祖父が隠した宣祖の遺言は、大提学にすぐに見つかってしまったということですね)
●1609年
光海君が、実兄(臨海君)を謀殺。
※この年、「星から来たあなた」のベースとなった未確認飛行物体の目撃情報。
●1611年
(本物の)仁祖、16歳で婚姻(妻は17歳)。
●1614年
●1623年4月11日
仁祖反正(27歳)。
ドラマ内の仁祖は29歳。
光海君王妃が死去(流刑先の島で自殺)。
ドラマ内の王妃は、ノクドゥたちの住む島へ渡る。
物語が着想された非公式記録では、ノクドゥのモデルとされる赤ちゃんは1592年生まれなので、1年ずらした意味は何なのか?
■王座にこだわる理由
●光海君
各所のセリフでちょこちょこ表現されていましたが、改めてまとめると、
・第14代国王宣祖の庶男で次男。
・兄の臨海君は、性格が粗暴で王の資質に欠けていたため 、宣祖は壬辰倭乱で活躍した光海君を世子にした。
・次男であるため、明が光海君の即位を認めなかった。
ドラマのセリフで「王になった後も、常に薄氷を踏む思いだ」と言ったり、ノクドゥとユンジョの親子の絆をうらやましく思うような表現があったのは、このような背景からくるこじらせがあったから。
ドラマでは、こじらせ背景がそこまで描かれていないので、光海君がノクドゥを捨てた理由や再び殺そうとする行動に対して、「は?? そんな理由で実子を殺す???」と感じてしまうかもしれないけど、史実や背景を理解した上で視聴すると、各キャラクターの心情にもっと共感できて、ドラマがさらに面白くなる。
しかし、その宣祖自身も庶子で苦労したため、嫡子を王位に就けたいという願望が強かったそうなので、一概に誰が元凶か、どこで軌道修正すればノクドゥが捨てられずに済んだのか、言い切ることはできませんね
光海君は、実兄や異母弟を謀殺&継母を幽閉したというエピソードから、暴君としてキャラだっているので、ドラマのキャラクターとして気になる存在でした(だから「王になった男」を観たいと思った)。
●仁祖
・宣祖の庶5男の長男(光海君の甥)。
・光海君に実弟を殺された(これがクーデターの根底)
王宮の権力争いがメインのドラマではないので、光海君のこじらせ理由と同様、ユルムがなぜあれほど王の座にこだわったのかが描かれていなかったのが少し残念だった。
史実では、仁祖クーデターの背景には、息子を殺された仁穆王后(大妃)の光海君に対する強い恨みもかなり影響を及ぼしたようだけど、ドラマで永昌大君を殺したのは仁祖だったので、彼女の描き方が中途半端になってしまったかな。
■ファンタジー設定ならではの希望的描写
●ノクドゥを助けた理由
ノクドゥ(義)父が赤ちゃんを助けた理由は、謀反でもなんでもなく、人間の本能として、生まれたばかりの赤ちゃんを助けたかっただけということ。
残念ながら妻(ノクドゥの義母)にはその思いが伝わらなかったようだけど、血のつながらない息子への愛情が本当の父親以上だった。
●寡婦村
当時は寡婦があんなにひどい境遇とは全然知らなかったので、けっこうショックだったけど、寡婦村やムウォル団の存在意義として説得力があった。
実際に寡婦村があったのか、調べてみてもいまいちわからなかったけど(現実的には難しいですね)、もしファンタジーならばとても夢のある設定。
ラストシーンも、ムウォル団が新たに寡婦村を作ったという展開が希望に満ちていたし。
当時は夫を偲んで自殺した寡婦を出した家や村には、名誉となる「烈女門」が建てられたり、褒賞や免税などの待遇があったそう。
ギャクパートとして面白かったけど、本物のキムさんの舅が嫁を必死に探していた理由はこれだったのか
ちなみに「星から来たあなた」でも、404年前のヒロイン(15歳の少女)が寡婦設定で、まさに義母から『烈女伝』を筆写させられ、自死を強要されるシーンがあったのです(この投稿の前半で後述すると書いたのはこのこと)。
●妓生
本来なら過酷な境遇であるはずの妓生たちが力強く生きて、楽しく幸せそうに描かれていることがよかった。
「雲が描いた月明り」のときは、内官の存在がコメディすぎる点に違和感を感じたけど、今となっては、妓生や内官、ひいては寡婦を明るく描くことで、ファンタジーの中では幸せな人生を送らせたあげたかったのかなと思えた。
■疑問点
●房子は女官ではないのか?
ドンジュが王宮へ入り込むために得た職が、雑役を担当する房子(パンジャ)。
「王宮で働く女性=王の女」と思っていたので、視聴中はドンジュがノクドゥと恋愛をすることがOKなのか疑問だった。
視聴後に調べてみると、同じような最下層雑役である「ムスリ」は奴婢の身分が担うため、女官とは異なり結婚もできて、宮殿の外に暮らしているという情報がありました。
だから房子も同じ扱いなのでしょうか
時代劇を視聴すると、その周辺人物のことも気になったりして、マイリストが増えてしまいますが、本格時代劇を視聴するにはまだまだ勉強不足なので、しばらくは軽めのファンタジー史劇で経験値を積んでいきたいと思います