19_レバーブローの連打 | 日陰で絵日記

日陰で絵日記

イラスト描きとその家族の日記

日陰で絵日記-caprissio 19





 「あんた、やりませんか。副自治会長」



   日陰で絵日記-oshituke



 「いやぁ…」


 脇の下を冷たい汗が流れる。


 ボクは必死に断る理由を考えた。





 「こ、広報がやりたいので…」



    日陰で絵日記-oshituke



 「広報は管理組合の役職名です。副自治会長と兼務できますよ」



 「え…いや…」


 考えろ。考えろ。えーと…





 「自治会に参加するのも初めてなのに、そんな大役は…」


   日陰で絵日記-oshituke

 「副自治会長は二名です。そこまでの大役じゃありませんよ。

  それに皆でバックアップするから大丈夫です」




 追撃の手はゆるまない。

 それがワダさんの悲鳴の効果である事は間違いなかった。




 「し、仕事が忙しいので…」


    日陰で絵日記-oshituke


 「仕事を持っている方は多いですよ。私もそうです」







 「子供が二人いて、まだ小さいですし…」


   日陰で絵日記-oshituke


 「自治会の仕事をする時間帯がお子さんが寝た後にすればいい。

  夜なら少しは時間ができるでしょう?」




 夜はイラストの仕事があるし、ブログも書きたい。

 マヨとビールを飲みながらテレビを観るのも大切な時間だ。



 だがそんな言い訳は聞き入れてもらえそうにない。





 「共稼ぎなんですよ。だから家事もあるし、他にも…」



   日陰で絵日記-oshituke


 「できる時間でできるだけの事をやってくれればいいんです。

  できない事をやってくれとお願いしているわけじゃない」




 段々と退路を断たれていく。


 冷静に、淡々と。


 じわじわと、確実に。



 必死に浮かべた笑みが、凍りついていくのが自分でもわかった。



    

 <続く>  






 人気ブログランキングに参加中!

 1クリックお願いします。


 日陰で絵日記-banner_24[1].gif  日陰で絵日記-ichihime