ワダさんが自治会長に決まり、残る三役は副自治会長だけとなった。
これを乗り切れば、もっとも面倒な役回りだけはなんとか避けられる格好だ。
副自治会長は2名。
(本当は副理事長も2名なのだが、諸事情により1名だけで良い事になった。
事情は本編には関係ない理由なので割愛する)
「副自治会長は…シバタさん、あんたやってくれますか?」
またもやエンドウさんが名指しした。
さきほどエンドウさんとタッグを組んで、前期の役員と闘った人だ。
「いいよ」
シバタさんも即決だった。
ワダさんの時と同様だ。
…あらかじめ根回しが済んでいたかのようだ。
もし根回しが済んでいたとしたら…。
そう考えれば、前期役員が勝手に次の自治会長を決めようとした時、
猛反発したのも納得がいく。
用意されたビジョンが潰されそうになり、慌てたのかもしれない。
そんな事を考えていたら、ふいに矢が飛んできた。
「副自治会長、あんたはどうです? …カゲオさんだっけ?」
背筋が凍った。
残り一枠。
なんとしても避けなければならない!
「いやぁ…ボクはちょっと…」
さきほどと同様、必死な気持ちを押し殺して軽~くかわそうとしたその時。
予想もしなかった方向から二本目の矢が飛んできた。
「ええっ !? やらないのぉ !?」
…ワダさんが悲鳴のような声を響き渡らせた。
<続く>
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