「自治会長はワダさん、あんたにやってもらおうと思う」
エンドウさんは言った。
「私に務まるかなぁ…ミハラさんみたいにはいかないと思うけど…」
ワダさんはやや困惑したような口調ではあるが、すでに受ける事を前提としている。
「皆でバックアップするから」
「わかりました。では、よろしくお願いします」
エンドウさんとの短いやり取りだけで、ワダさんは自治会長に就任した。
その時は早く決まってよかったなぁ…程度にしか感じていなかったが、
よくよく考えてみるとなんだか出来レースっぽい気もしないでもない(笑)。
しかしまぁそれでも、ワダさんはかつて共に人命救助に当たったパートナーである。
この人が自治会長ならやりやすいかなぁ…。
その時は本気でそう思っていた。
いやもう…それがまぁ…なんとも甘い考えであった事は、すぐに明らかになる。
二つ目の王冠をかぶったこの人物こそ、今期自治会の台風の目となるのだ。
<続く>
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