コロナの影響も大きいのでしょう。
従来から当院には、パニック障害やうつ病などでお悩みの患者さんが多く訪れていますが、今年は特に増えています。
そんな中で、皆さんにお伝えしたいことがあります。
こんなことを言ってしまうと、人によっては不安に思われるかもしれません。
しかし、あえて言わせてもらえば、どんな病気であっても、確実に治せるものはありません。
何回治療すればよくなるだとか、何カ月治療すれば治るだとか、そんなこともはっきり言ってわかりません。
1+1=2のように、簡単に答えが出る世界ではないのです。
いろんな病がありますが、心の病は簡単には治りません。
というよりも、現代人の病の多くは心の問題が絡んでいるものなので、そもそも多くの病は簡単に治らないと言ってもいいでしょう。
パニック発作や、うつ症状という目に見えて症状が現れるまでに、深く深く心や魂を傷つけてしまったがために起きるものです。
深く深く傷ついたものが、数回の治療で治るでしょうか?
そんなはずがないんです。
はじめの数回で症状がよくなりかけたと喜んでいたのに、途中で少し調子を崩してしまっただけで、簡単にあきらめてしまう方もおられます。
こういったケースも、そもそも病気を治すということを簡単に考えすぎだからこそ、起きることだと考えています。
もっと酷いケースだと、何年かけても治らない患者さんだっているのです。
そうだとしても、私は鍼を続けることは意味があることだと考えていますし、来るべき時に、癒される瞬間が訪れると信じて鍼を打っています。
いつも患者さんには伝えていますが、私の治療は1回1回の治療で、何かの症状を緩解させようとか、そういった意識で行っているわけではありません。
じっくりと、少しずつ、傷ついてしまった心・身体・魂を癒すために鍼をしています。
その結果として、症状が緩解したり、病が治癒に至るのです。
こんなことを言うと、何か怪しげなものと勘違いされるかもしれませんが、私は飽くまでも東洋医学・伝統医学という「医学」を学び、実践しているものです。
しかし、どんな医学でも、その根底には「祈り」だとか「癒し」というものは不可欠だと考えています。
どんな病であれ、こういった根本的な部分が共有されていないと、特に治りにくい病を治すときには難しくなることが多いので、あえてここで書かせていただきました。
深く心・魂を傷つけてしまった方に、おススメの動画があります。
興味のある方は、ぜひ一度ご覧になって下さい。
私の尊敬する安冨歩さんは、マイケル・ジャクソンを20世紀最大の思想家の一人として研究しています。
マイケルの、その驚くべき能力と影響力の深さを考えたとき、彼に匹敵する人物は世界でたった一人、 モーハンダース・カラムチャンド・(マハートマ)・ガンディーしか思いつかない、と言います。
《プロフィール》 京都大学出身。経済学の研究員・助教授としてロンドン大や名古屋大を経て、現在は東大の東洋文化研究所で教授を務めている。 《主要著書》 「生きる技法」 青灯社、2011年 「超訳論語」 ディスカヴァー・トゥエンティワン、2012年 「誰が星の王子さまを殺したのか モラル・ハラスメントの罠」 明石書店、2014年