岩井 吉彌(森林経済学) | 科学カフェ京都(特定非営利活動法人)

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◆◆ 科学カフェ京都 第179回定例会 ◆◆




日時: 2024年 5月11日(土) 2時~4時30分


話題: 『日本の森林・林業のあり方』ー国際的な視点からー


講師: 岩井 吉彌 先生
(元京都大学農学部教授 専門:森林経済学)
https://fm-kyoto.jp/blog/morning_sprite-post109374/
https://researchmap.jp/read0013027

会場: 京都大学理学研究科セミナーハウス
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_n.htm
(上記地図の番号10の建物です)



概要:
我が国の林業の主な樹種は、スギとヒノキですが、近年これらの森の手入れが出来ずに、荒廃が進み、山からの土砂流出による水害、山崩れが頻発し、それに緑のダム機能、さらに二酸化炭素の吸収機能が十分に果たされずに大きな課題となりつつあります。その最大の原因は、林業経営の採算が採れないために、山林所有者が間伐などの森の手入れをしなかったり、伐採した後に植林もせずに裸山のままで放っておくことにあります。林業の採算が採れないのは、世界広しといえども日本だけであって、その原因は、日本でスギやヒノキの森を育てるのには、世界で最も高いコストがかかり、またそれを伐採して切り出すのにも世界一高いコストがかかるからです。それは、我が国は気候的に温暖多雨であること、地形的に急峻な山岳地帯で林業が行われていることの二つがネックになっているのであり、いわば、自然条件の悪さから採算が採れないのです。つまり、我が国は、林業を行うには世界で最も不利な条件にあるので、自由貿易の中では、外国の林業との競争に負けてしまうのです。では、このような困難な条件の中で、日本の林業はどのようにして維持していけるのかに
ついて奇抜ともいえる方法を提案してみたいと思いますが、ここでは字数の関係でとても書ききれませんので、当日お話ししたいと思います。

参考文献