国広 悌二(原子核理論) | 科学カフェ京都(特定非営利活動法人)

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◆◆ 科学カフェ京都 第144回定例会 ◆◆




日時: 2017年 10月 14日(土) 2時~4時30分


話題: 「真空の相転移 -超高温・高密度で起こること-」


講師: 国広 悌二 先生
京大大学院学理理学研究科教授
専門:原子核理論
http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~teiji.kunihiro/indexj.html

会場: 京都大学理学研究科セミナーハウス
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_n.htm
(上記地図の番号10の建物です)


概要:
『この講演では、まず原子核や「素粒子」およびそれを構成しているクォークについてお話します。ここで「素粒子」と呼んでいるものは陽子や中性子、あるいは中間子を含むハドロンと総称される小さな粒子のことです。ハドロンというのはあまり聞き慣れないことばだと思いますが、後で説明しますように陽子や中性子など「強い相互作用」をする粒子のことで、さらに、下部構造があり、クォークでできていることが分かっています。それで「素粒子」とカギ括弧「」を付けました。
素粒子は、区別できるいくつかの種類の相互作用をします。「強い相互作用」、「弱い相互作用」、電磁相互作用、それから重力です。そのうちの「強い相互作用」の基礎理論というものが1970年代に解明されました。その理論の教えるところのことを次に簡単に説明します。その理論の教える奇妙な事実の一つに、「真空」というものが空っぽじゃなくて、非常に複雑な物質性を持っているということがあります。それはまさに2008年に南部陽一郎先生がノーベル賞を受賞されましたが、その南部理論に関係する話です。「真空」というのが物質性を持っていて、普通の金属あるいは固体が、温度を変えたり圧力を加えると、相転移をして強磁性体になったり超伝導体になったりするように、この素粒子の「真空」も環境の変化によって変わるということになります。つまり、温度や密度が変わると、そこに見えてくる素粒子というものの性質が変わってくるという話をします。』



講演資料:
http://kagakucafe.org/kunihiro171014.pdf

講演ビデオ:


質疑応答:



参考:
https://www.youtube.com/watch?v=gM3caYk4KrE