『落語を聴いてみたけど面白くなかった人へ』連載中の月刊『望星』6月号が発売に! | 「絶望名人カフカ」頭木ブログ

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『絶望名人カフカの人生論』『絶望読書』『絶望図書館』、NHK『絶望名言』などの頭木弘樹(かしらぎ・ひろき)です。
文学紹介者です(文学を論じるのではなく、ただご紹介していきたいと思っています)。
本、映画、音楽、落語、昔話などについて書いていきます。

『落語を聴いてみたけど面白くなかった人へ』を連載させていただいている、

月刊『望星』(発行・東海教育研究所 発売・東海大学出版部)の6月号が発売になっています!

 

 

 

 

http://www.tokaiedu.co.jp/bosei/

 

よろしかったら、ぜひ。

 

今回は、

アフリカ大陸のコモロ諸島から、

口から口にずっと伝わってきて、

日本で落語になったお話をご紹介させていただきました。

 

落語というと、日本だけのものと思われがちですが、

原話をたどると、それは世界に広がっています。

世界の口承文学が、

今も現役として生き残っているのが落語なのです!

 

コロモ諸島でも今もお年寄りによって語られているようですが、

やはり滅びる寸前とのこと。

日本の昔話と同じです。

そういう中で、

日本の落語だけは、語り芸として、今も現役で残っています。

この貴重さは大変なものです。

世界中の口承文学の生き残りを日本人は耳で聞けるのです。

文字でないのが値打ちです。

 

なお、アフリカから日本に渡ってくる過程で、

話がさまざまに変化します。

そこも面白いです。

また、まったく変化しないところもあります。

そこもまた面白いです。

そこに、文字で記録された文学ではない、

口承文学の醍醐味があります。

 

コモロ諸島というと、

アロマオイルのイランイランが有名ですが、

落語にもじつはコモロ諸島産のものがあるのです。

 

着物に扇子という、純和風な落語ですが、

その背景には世界があり、

世界中から集まってきた面白い話の結晶であることを

感じていただければと願います。