『落語を聴いてみたけど面白くなかった人へ』を連載させていただいている、
月刊『望星』(発行・東海教育研究所 発売・東海大学出版部)の7月号が発売になっています!
![]() |
望星 2017年 07 月号 [雑誌]
Amazon |
http://www.tokaiedu.co.jp/bosei/
よろしかったら、ぜひ。
今では、文学作品は、
ひとりの作家が作って、
そのオリジナルを著作権などでしっかり守る
というのが主流です。
誰かが作り変えたりしたら、怒られますし、訴えられます。
でも、物語というのは、
以前は、
大勢が長い時間をかけて作り上げるものでした。
以前にご紹介したように、
ナイル渓谷で生まれた物語が、
いろんな国を渡って変化していって、
ついに江戸落語になったりしたように。
こうして、時間をかけて、
みんなでよってたかって作った物語には、
ひとりで作った物語にはない、素晴らしさがあります。
こうした物語が、現在はほとんど失われてしまっているのは、
大変な損失です。
ひとりが作った物語しか読まないなんて、
むしろ非常に偏ったことだと思います。
そして、落語だけは、
今でも、みんなでよってたかって作りあげられています!
これは本当に貴重で素晴らしいことだと思うのです。
今回は、古今亭志ん生から金原亭馬生へ、
そしてさらに桂米朝に語り継がれていった
「天狗裁き」を例に、
みんなでよってたかって噺を作るとはどういうことのか、
追ってみました。
物語好きの方は、ぜひ読んでみていただけると嬉しいです。