『落語を聴いてみたけど面白くなかった人へ』連載中の月刊『望星』7月号が発売に! | 「絶望名人カフカ」頭木ブログ

「絶望名人カフカ」頭木ブログ

『絶望名人カフカの人生論』『絶望読書』『絶望図書館』、NHK『絶望名言』などの頭木弘樹(かしらぎ・ひろき)です。
文学紹介者です(文学を論じるのではなく、ただご紹介していきたいと思っています)。
本、映画、音楽、落語、昔話などについて書いていきます。

『落語を聴いてみたけど面白くなかった人へ』を連載させていただいている、

月刊『望星』(発行・東海教育研究所 発売・東海大学出版部)の7月号が発売になっています!

 

 

 

 

http://www.tokaiedu.co.jp/bosei/ 

 

よろしかったら、ぜひ。

 

今では、文学作品は、

ひとりの作家が作って、

そのオリジナルを著作権などでしっかり守る

というのが主流です。

誰かが作り変えたりしたら、怒られますし、訴えられます。

 

でも、物語というのは、

以前は、

大勢が長い時間をかけて作り上げるものでした。

 

以前にご紹介したように、

ナイル渓谷で生まれた物語が、

いろんな国を渡って変化していって、

ついに江戸落語になったりしたように。

 

こうして、時間をかけて、

みんなでよってたかって作った物語には、

ひとりで作った物語にはない、素晴らしさがあります。

 

こうした物語が、現在はほとんど失われてしまっているのは、

大変な損失です。

ひとりが作った物語しか読まないなんて、

むしろ非常に偏ったことだと思います。

 

そして、落語だけは、

今でも、みんなでよってたかって作りあげられています!

これは本当に貴重で素晴らしいことだと思うのです。

 

今回は、古今亭志ん生から金原亭馬生へ、

そしてさらに桂米朝に語り継がれていった

「天狗裁き」を例に、

みんなでよってたかって噺を作るとはどういうことのか、

追ってみました。

物語好きの方は、ぜひ読んでみていただけると嬉しいです。