カート・ヴォネガットの新刊が出ました!『これで駄目なら』翻訳は円城塔! | 「絶望名人カフカ」頭木ブログ

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文学紹介者です(文学を論じるのではなく、ただご紹介していきたいと思っています)。
本、映画、音楽、落語、昔話などについて書いていきます。

カート・ヴォネガットの新刊が出ました!
タイトルは『これで駄目なら』
惹きつけられるタイトルです。


これで駄目なら 若い君たちへ――卒業式講演集/飛鳥新社

¥1,728
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卒業式講演集なのですが、
こんなにいつもちがうことを語っていたのかと驚かされます。

子供から大人になって、これから社会に出ていく学生たちに、
社会でもまれまくった大人歴の長いヴォネガットが語っているわけですが、
じつに味わい深いです。
若い人は語られる側として、
大人は語る側として読むと、
またいっそう味わい深いような気がします。

翻訳は、円城塔さん!
あとがきには、
文章には声(ヴォイス)があり、
ヴォネガットの声を日本語にうつしたという意味のことが書いてあります。

目次から一部、ご紹介しましょう。
1 金の稼ぎ方、愛の見つけ方!
3 百万長者だって持っていないもの
6 大学に行ってないとか気にするな!


私の好きな言葉もちょっとだけ引用を。

「彼(キリスト)の言葉が素晴らしいなら、
 本人が神かどうかはどうでもいいんじゃないか?」

「わたしが知る唯一のルールというものはだね
 ──人には親切にしなさいってことだ」

「絶望はオリジナリティの母」

巻末には、箴言集もついています。