ヤナーチェクのオペラ『イェヌーファ』が2月~3月に東京で上演されます!
それもオリジナルのチェコ語での上演(字幕付)!
貴重です!
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/jenufa/
じつは、このオペラ『イェヌーファ』は、カフカにも関わりがあります。
ヤナーチェクは遅咲きの人で、世界的に有名になったのは、65歳のときにウィーンで上演された、この『イェヌーファ』によって。
そして、有名になるきっかけとなったドイツ語版は、じつはブロートが翻訳したものなのです。
このブロートというのは、カフカを有名にした、あの親友のブロートです。
ブロートには「埋もれた天才を見出す」という才能があって、彼が有名にしたのはカフカだけではありません。ヤナーチェクにも尽力しているのです。
ブロートは音楽にも造詣が深く、楽器も演奏できました。
アインシュタインと合奏もしています。
『イェヌーファ』というタイトル(ヒロインの名前)も、ブロートが変えたもので、もともとは『彼女の養女』というタイトルでした。
そして、『イェヌーファ』の翻訳に関して、ブロートはカフカに相談しているのです。
そして、カフカも数々の助言を与えています。
ここは直したほうがいいとか。
つまり、ブロートの訳は、カフカの監修版とも言えるのです。
とはいえ、やはりオリジナルのチェコ語での上演のほうが貴重です。
なにしろ、ヤナーチェクは 「楽器から出る音には真実が少ししかない」と「歌声」を重視し、いつもノー トを持ち歩いて、鳥の歌声や人々の会話を五線譜にメモし続け、ノー トがない時は自分の袖口にメモし、自分の娘が死ぬ間際に発した声まで五線譜に写したそうです。
なお、この娘のオルガは、まさにヤナーチェクが『イェヌーファ』を作曲しているときに病に倒れ、最期の願いは、『イェヌーファ』の全曲の演奏を聴きたいということでした。
その願いをかなえてすぐに、オルガは亡くなったそうです。
東京で『イェヌーファ』を観劇できるという、この得がたい機会、
駆けつけられる人は、ぜひ駆けつけておいたほうがいいのではないかと思います。
私もなんとか行けないものか、思案中です。
『イェヌーファ』の内容については、
こちらに音楽ジャーナリスト・評論家の林田直樹さんが書かれた、
とてもわかりやすい解説があります。
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/jenufa/interview/interview01.html