前書の表紙は漆黒でしたが、
今回は、半分はゲーテなので、半分は白です。
白と黒のハーフ&ハーフになりました。
なぜ今回、カフカだけ、あるいはゲーテだけの名言集にせずに、
二人の名言集にしたかというと、
いろいろ理由はあるのですが、
まずは、対比したほうが、両者の言葉の魅力がより伝わってくるからです。
ひとりの人の言葉を集めた名言集はたくさんあります。
たくさんの人の言葉を集めた名言集もたくさんあります。
でも、二人の人物の言葉を対比させた名言集はありません。
これが不思議でした
黒があってこそ、白の輝きは増します。
白があってこそ、黒の深みも増します。
反対色である緑と赤が並べられることで、はじめてクリスマスのあの独特の雰囲気が出ます。
「ボトルにまだ半分も酒が残っている」と
「ボトルにもう半分しか酒が残っていない」は、
二つ並べて読むことで、はじめてそれぞれの意味合いが際立ちます。
「虎穴に入らずんば虎児を得ず」と
「君子危うきに近寄らず」は、
片方だけでなく、両方を知っていてこそ、自分なりの判断を下せます。
ゲーテとカフカは、明と暗の絶妙の対比を見せてくれます。
ゲーテの希望も、カフカの絶望も、お互いの存在によって、より味わいを増します。
それをぜひ味わってみていただければと思います。
希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話/飛鳥新社

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