感動的なのでもう一度言いますが、
“新刊として”
『ミレナへの手紙』の邦訳が届きました!
ミレナへの手紙/白水社

¥3,465
Amazon.co.jp
前に邦訳が出たのは、
『決定版カフカ全集』(新潮社)の第8巻としてで、
1981年のことですから、
じつに、32年も前です。
その『決定版カフカ全集』の第8巻の邦訳は、
1959年刊行の『カフカ全集』(新潮社)の第5巻の訳文に、
訳者である辻瑆氏が手を入れられたものです。
ですから、
まったくの新訳としては、
1959年以来ということで、
54年ぶりです。
カフカの『ミレナへの手紙』が、
誰でも簡単に買える新刊として、
手に入るようになったというのは、
じつにもうなんというか、
素晴らしいことです!
これまでずーっと、古書でしか入手できなかったのですから。
訳が2種類に増えたのも、
嬉しいことです。
訳者によって、
「これが同じ原文!」と驚くほどに、
ちがってくるものですから。
辻瑆訳と、
池内紀訳の
どちらがいいかは、
これはもう人によるでしょう。
私としては、
両方を読むほうがいいと思います。
昔、CMで、
THE BLUE HEARTS の曲を、
宮崎あおいさんが歌ったことがありました。
翻訳とはそんなふうなものでしょう。
曲のよさはちゃんと伝わっていると思います。
でも、誰が歌うかで、印象はそうとうちがってきます。
宮崎あおいさんなのか、永六輔さんなのか……。
なお、
本が出る前に、
予想を書いたりしましたが、
http://ameblo.jp/kafka-kashiragi/entry-11521548233.html
今回の翻訳は、
ユルゲン・ボルンとミヒャエル・ミュラー版でした。
これに続いて、
『フェリーツェへの手紙』や、
その他の友人や家族に宛てた手紙の翻訳も、
出るといいなーと、切に願います。
そのためには、この『ミレナへの手紙』が売れてくれることが肝心で、
(そうすれば、他も出そうと、出版社が思ってくれます。売れないと……)
カフカに興味をお持ちの皆さん、ぜひお買い上げをご検討ください。