小津安二郎「東京物語」Blu-ray発売!元になった映画「明日は来らず」もぜひ! | 「絶望名人カフカ」頭木ブログ

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文学紹介者です(文学を論じるのではなく、ただご紹介していきたいと思っています)。
本、映画、音楽、落語、昔話などについて書いていきます。

小津安二郎監督生誕110年記念として、
「東京物語」のニューデジタルリマスター版が
Blu-rayで発売されます!



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「スキャニングしたひとコマひとコマを丁寧に傷消しや色調整を行い」ということですから、
素晴らしい画質になっていることでしょう。

内容の素晴らしさに関しては、
もはや説明は不要でしょう。
10年に一度、世界の映画監督358人が投票で決める最も優れた映画に
選ばれたそうです。
実際、多くの監督が、小津安二郎を敬愛し、
代表作として「東京物語」をあげる人が多いですよね。

ただ、
小津安二郎と言えば、
代表的なのは、娘が結婚する話であり、
「東京物語」は、
むしろ異色な感じもあります。

というも、
じつはこの映画には元ネタがあるからです。

それがこの、「明日は来らず」です。


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ご覧になるとわかりますが、
まさに「東京物語」です。

「でも、こっちは有名じゃないから、
 あんまりデキがよくないんだろうな」
と思われるかもしれませんが、
決してそんなことはありません!

観て驚きましたが、
ハリウッド映画とは思えない、
むしろ日本映画的な、
年寄りの悲しさをしみじみ描いた、
名作です。

あまり有名ではないのは、
この映画がアメリカでは大コケしたためでしょう。
まあ、当然だろうと思います。

また、この映画の監督のレオ・マッケリーは、
娯楽大ヒット作を連発した人なので、
かえって、この映画が埋もれてしまったのではないかと思います。

実際、
この「明日は来らず」が大コケしたのと同じ年に、
レオ・マッケリーは、
『新婚道中記』というケーリー・グラント主演のスクリューボール・コメディで、
アカデミー賞を受賞しています。
(監督賞を受賞し、他に5部門もノミネートされています)

レオ・マッケリーは、
「『明日は来らず』のほうに賞が与えられるべきだった」と言ったそうです。

小津安二郎の「東京物語」がお好きな人は、
ぜひこの「明日は来らず」もご覧になってみてください。
大切な一本になるはずです。

なお、レオ・マッケリーは、
「邂逅」
「我が道を往く」
もいいです。
古きよき映画を観たという気持ちにさせてくれます。