自分が手術をして以来、
スプラッターも受け付けなくなってしまいました。
被害者に気持ちがいきすぎて。
ただ、ゾンビは大好きなのです。
ゾンビものなんて、
スプラッターの極致ですし、
ホラーが苦手な人が好むものでもありません。
それなのに、なぜかゾンビにはひきつけられます。
きっかけは、中学生のときに、
大のゾンビ好きがいて、
無理矢理に映画館に連れて行かれて、
途中で逃げようとしても、羽交い締めにされて、
何本も観させられたことにあります。
あと、やっぱり
ロメロ「ゾンビ」という映画が、
すごい名作だったということも大きいですね。
そして、さらにひきつけられるようになったのは、
これは逆に病気になってからで、
死の影がちらちらしたりすると、
死んでも死なないゾンビというのは、
カッコいいというか、あこがれるというか。
いえ、ゾンビになりたいわけではないんですけどね
こんな理由でゾンビを好きな人はあまりいないだろうなと思っていたら、
川原泉のこのマンガの主人公が、ちょっと似たことを言っていると教えられました。
コメットさんにも華がある (ジェッツコミックス)/川原泉

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このマンガには、ゾンビ好きの女子高生が出てきます。
そして、こう言います。
「手がちぎれよーと
足がもげよーと
頭部を破壊されるまで
前進を止めない不屈の姿に
感動して元気付けられた」
たしかに、近いかも。
カフカが好きで、ゾンビが好き。
そんな人はあんまりいないだろうなーと思っていました。
次のようなベン図を描いたとして、

Aがカフカ好きで、Bがゾンビ好きとして、
AとBの重なりのところにいる人は、
あんまりいないのではないかと。
ところが、今回、『絶望名人カフカの人生論』を担当してくださった編集者のSさん。
この方は、私を発掘してくださった、大恩人なのですが、
この方もカフカが好きで、ゾンビが好きなのです。
なんと、『絶望名人カフカの人生論』の他に、
この本も担当しておられます。
ウォーキング・デッド/ロバート・カークマン

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ウォーキング・デッド2/ロバート・カークマン

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2巻は出たばかりです。
さらに続きます。
アメリカでもドラマ化されて、ヒットしています。
Sさんは、その前にもう目をつけられたらしいですが。さすがです。
ドラマは日本でも放映されています。
ウォーキング・デッド公式サイト
最近よくある変化球的なソンビものではなく、
すごくストレートなゾンビもので、
こういうやり方がまだ残されていたかと、
最初は逆に意表をつかれた感じがしました。
ただ、これの特徴は、長く続いていくということです。
「世界中、ゾンビだらけになりました。終わり」ではなく、
ゾンビと戦って終わりでもありません。
ゾンビだらけの世の中になって、
そこでずっと生きていくとしたら、
いったいどういうことになっていくのか?
怖いのはゾンビなのか、人間なのか。
深い作品です。
ぜひ読んでみてください。
話はぜんぜんちがいますが、
私がいま住んでいる沖縄の離島は、
夜になると、本当に暗いです。
すごく街灯が少なくて、しかも光が弱いんです。
東京に慣れていると、ビックリします。
足元もよく見えないので、段差でつまずいたりします。
「夜は暗いもの」という当たり前のことが、
ここではそのまま続いているのかもしれません。
で、島の人は大変にお酒に強いです。
その分、大量に飲む人も多いです。
しかもアルコール度数の高い泡盛。
そうすると、酔っ払い方が、
これも東京の酔っ払いと動きがちがいます。
東京の酔っ払いは、ぐたっとして、
あっちにふらふら、こっちにふらふらですが、
そういうのとはちがいます。
どんなふうかというと、
これがまさにゾンビのような動きなのです。
両手を不規則に振り上げて、
足はちょっとひきずる感じ。
ぎこちなくて、ゆっくりした動きだけど、
なんだか不気味で、力強い。
最初に、夜の暗い道で、
むこうから酔ったおじさんがやってきたときには、
「ゾンビだ!」
とビックリしました。
闇の中を、あの動きで、だんだん近づいてくるんですから、
怖いのなんの。
夜はゾンビの島になるような気がして、
ますます私好みです(^^)