安部公房と「プリズナーNo.6」 | 「絶望名人カフカ」頭木ブログ

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文学紹介者です(文学を論じるのではなく、ただご紹介していきたいと思っています)。
本、映画、音楽、落語、昔話などについて書いていきます。

『安部公房伝』安部ねり(新潮社)
を拾い読みしていたら、

安部公房とねりさんが、
夜遅くテレビの前で並んで、
テレビドラマ「プリズナーNo.6」
が始まるのを待っていたという記述が。

そうか、やっぱり好きだったか、
そうだろうなーと、
なんだか嬉しい。

「プリズナー№6」は私も大好き。
1回目の地図の「mountain」を見て、
すっかりとりこになりました。

これから観る人のために詳しくは書きませんが、
イギリスのテレビドラマで、
「刑事コロンボ」でも何回か犯人役をやっている
パトリック・マクグーハンが
主演・企画・監督をすべてひとりでやっています。

理由もわからないまま、
どこにあるのかわからない村に連れて行かれ、
ナンバー・シックスという番号を与えられる主人公。
その村を脱出しようとするが、
どうしても出ることができない。
まるでカフカの『訴訟(審判)』と『城』を混ぜたような設定。
(城の場合は、城に到達できないのですが、
「プリズナー№6」の場合は、村から出ることができません)

こういうテレビドラマが作られて、
日本でもNHKで放送されたのですから、
奇跡的だと思います。

DVDも出ています。

プリズナーNo.6 Vol.I [DVD]/パトリック・マッグーハン

¥3,990
Amazon.co.jp

ちょっと懐かしかったので、
ご紹介してみました。