千年雛めぐりⅣ 極小雛の世界 | 華月洞からのたより

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ひとこと多い華月(かげつ)のこだわり

 

百段階段 雛まつり2024

「千年雛めぐり」

 

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「星光の間」

『極小雛飾り 川内由美子コレクション』

 

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雛のご馳走と食器

 

『ここにあるもの全てが雛道具とは言えないでしょうが(略)

江戸時代には「ぎやまん」と呼ばれたガラスの手彫り切子細工で

雛道具としてとても珍しいものです。』

雛道具以外の用途があったとは思えませんけど。

 

写真ですと尺がわからないですが、上段右端のガラスの器が

直径3cmほど。超絶技巧にも程がある。

ご馳走もお菓子も美味しそうすぎる。

 

 

鯛はわかりますけど、ざる蕎麦召し上がってたんですか(笑)。

 

 

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雛人形の極小化には理由がありました。

江戸時代中期以降、度々出された贅沢禁止令により、雛人形の

材料、大きさが厳しく規制され、八寸(24cm)以上の雛人形は禁止されたのです。それに反発して精密な細工を施した極小の雛人形「芥子雛」(けしびな)が流行り始めます。

江戸っ子職人たちの意地と悪ノリに

拍車がかかっていきました。

 

 

建具との対比でご覧ください。

この5点の段飾りは

時代が下って明治中期から昭和初期の芥子雛段飾り。

小さいにも程がある。

 

ガラスケースの中を見ていきましょう。

 

 

 

 

 

極小「胡蝶」発見!

胡蝶は鼓持たないけど、まるっと舞人イメージで作られたのでしょう。お内裏様もお姫様も万歳みたいなポーズ。ひゃっほーい!

 

 

 

 

 

・・・これ作っていてメンタル病みませんでしたかと

心配になるレベル

 

 

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芥子雛は

小さく精緻であることによって

贅沢品になってしまいました。

 

「象牙製芥子雛と七澤屋の雛道具」

 

『人形の顔と手は象牙で作られています。

雛道具は江戸上野池之端にあった七澤屋製。

当時の文献に

『その値は実に世帯を持つより貴し』と記された逸品です。』

 

 

平安貴族は教養が命。

七澤屋さんの精緻なお仕事が光ります。

 

三味線?そこは琵琶じゃないの?(笑)。

 

 

左は普通のお花。

 

極小で表現されたお雛様の世界。

今回一番の驚きでした。