『繍と織』 | 華月洞からのたより

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ひとこと多い華月(かげつ)のこだわり

 

 

 

 

 

 

企画展『繍(ぬい)と織(おり)』

華麗なる日本染色の世界

根津美術館(東京・南青山)へ行ってきました。

 

 

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根津美術館は実業家・根津嘉一郎(1860~1940)の

私邸の跡地に昭和16年(1941)開館しました。

日本、東洋の古美術の蒐集で知られた

喜一郎のコレクションをもとに、

国宝7件、重要文化財88件、重要美術品95件を含む

7600件を収蔵する美術館です。

 

 

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『多様な織(おり)と繍(ぬい・刺繍)は、装飾品の加飾技法の中でも古くから日本では格式高いものとして捉えられてきました。また時代がくだると、刺繍は染めと組み合わされて小袖を彩り、重厚な織は能装束に多様されました。』(パンフレットより)

 

今回は、法隆寺や正倉院伝来の上代裂

袈裟や打敷などの仏教染織、

唐織りや縫箔といった能装束、

江戸時代の小袖まで、

幅広い時代の染織品の中から織と刺繍の技が光る作品が並んでいました。

 

どの作品も彩りが美しいこと!

 

織るにも刺繍するにも、

まずこれほど美しく糸を染めわける技術が

奈良時代には確立されていたことに

何度でも驚嘆します。

 

撮影不可、カタログも買わなかったのですが

パンフレット写真からいくつかご紹介。

 

 

上代裂(じょうだいぎれ)

パンフレットの左下写真の方が色が実物に近いですが

シックな色調が素敵でした。

 

 

小袖の刺繍された一部を額に入れて

展示されたものもありました。

 

 

 

能装束

舞台衣装らしい大胆な柄。

こういう「どうだっ!」と、はったり効いた柄も好きです。

 

 

 

能装束は見応えありますね。

金糸を織り込んだ地に手の込んだ刺繍、圧巻でした。

これも能舞台で映えたでしょうね。

 

 

 

これも凄かった。

鳳凰が刺繍だったり、鹿子絞り(シルエット)

だったりするのです。

裾から這い上がる草花の刺繍も美しい。

振袖だそうですが裾に綿が入っていました。

唯一黒地のお着物は薄い生地で絽(?)、

透けていました。

 

 

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私の中で

年末年始は1年で一番「和」の気が満ちる時。

こういう企画展に行きたくなります。

 

 

 

エントランスには、

シルクロードを渡ってこられた

彫りの深ーいガンダーラ美術の仏像も

おわしました。

(脳内で喜多郎の「シルクロード」が自動再生)

 

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根津美術館は見事なお庭でも有名です。

行ってみましょう。