JR相模線寒川駅北口を出て、県道47号線のT字路を左折、その次の交差点を右折して北東方面へ10分ほど行くと、左に真言宗・安楽寺への参道が見えてくる。
参道の左には石仏が並び、大樹、小樹、生垣などが適宜配置され、ともすればお屋敷の庭の雰囲気も漂わせている風。とりわけ本堂前の桜の老樹と本堂左の松の存在感が際立っている。
本堂はそれほど古くはなく、すっきりとした屋根とその下に浮き出すような扁額の金文字に目が行く。それでいて控えめな佇まいなのが、徳の高ささえも感じさせる。
創建年代は不明ということだが、往年は寒川神社の別当を務めていた。江戸期には十八もの末寺を抱え、寒川のみならず海老名、藤沢にまでそれらは分散していた。大きな寺だったのだ。
本尊の大日如来像は、その作風から平安時代のものと言われている。
境内には大きな岩で囲った池がある。そこを覗いていると、カワセミが岩に止まって水面を見つめていた。お寺でカワセミを見るのは初めてだ。カメラに収めようと準備しているうちに、飛んで行ってしまった。
[神奈川県高座郡寒川町岡田2387]