引き続きまして、夜の部のレポートです。


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新春浅草歌舞伎

平成23年1月2日(日)~26日(水)


1月16日(日) 夜の部 15時開演


お年玉〈年始ご挨拶〉

坂東新悟


一、壺坂霊験記

座頭沢市  片岡 愛之助
女房お里  中村 七之助


二、猿之助四十八撰の内 黒手組曲輪達引

番頭権九郎/牛若伝次/花川戸助六  市川 亀治郎
三浦屋揚巻  中村 七之助
同 新造白玉  市川 春 猿
白酒売新兵衛  市川 寿 猿
三浦屋女房お仲  市川 笑三郎
鳥居新左衛門  中村 亀 鶴
紀伊国屋文左衛門  片岡 愛之助
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お年玉〈年始ご挨拶〉

新悟さんのご挨拶は、12日に拝見したときと同じ内容でしたので、

気になる方は12日夜の部の拙レポート をご覧くださいませ。


夜の部 幕間のイヤフォンガイド


【亀治郎】

(「じゃじゃ馬ならしのキャタリーナを演じられましたが、メイクはご自分でなさったのですか?」との質問に)

自分でしました。その日の気分で変化することはあります。

洋装は、ペチコートが大変でした。それから、ブーツは足が痛くなりました。


理想の女性は原節子さん。

お互いに干渉せず、独立自尊な関係がいい。


カレーが好き。インドカレーや日本風のカレーが好きで、ココナッツとかスープカレーはあまり好きではない。


尊敬する共演者は、ストイックな人であったり、雰囲気作りまで気を配っている人。

藤原紀香さんとか。さすが一流の人は違うと。紀香さんは雰囲気作りが素晴らしく、役に対しても真剣。

一流と呼ばれる人は、まず”居方(あり方)”からして違うなと思った。


【七之助】

兄の勘太郎は今月歌舞伎に出演していないが、歌舞伎が好きな人なので、自分が歌舞伎をやっているという

だけで悔しいと思っていると思う。


ディズニーで好きなキャラクターは、ドナルドダッグ。あのサービス精神が好き。


前の歌舞伎座は音響が素晴らしかった。新しい歌舞伎座は、見やすく、音の聞こえがいい劇場になってほしい。

あったかい芝居小屋になってほしい。


役者以外でやってみたい歌舞伎の仕事は、義太夫。


【亀鶴】

(「休みの月は何をしていますか?」という質問に対して、)

次の準備をしている。


(「中村亀鶴という役者をどう評価、どう見ていますか?」という質問に対して、)

・・・わかりませんねえ。というか、この質問をした人と話してみたいですよ!

楽屋で話してみたいです。

生の自分は、自分では見られないので、わからない。


歌舞伎初心者の人に言うならば、「心で見て」ほしいということ。

プログラムを一読して、あとは自由に見てほしい。


スイーツ好き。クリーム系が大好き。堂島ロールとか、一人で1本食べて気持ち悪くなったこととかある。

ミルクレープも好き。

コンビニで一番スイーツが美味しいのは ・・・ サンクスです。


【愛之助】

車だけでなく、バイクも好き。40歳になる前に、大型バイクの免許を取りたいと思っているが、

昨年は取れなかった。


歌舞伎以外の舞台を見に行く機会は、休みの日がないのでなかなかないが、

最近見たもので一番印象に残ったのは「広島に原爆が落ちた日」。

筧さんと亀次郎さんが輝いていた。筧さんがとにかく素晴らしくて、ファンになった。


(「強引に頼みごとをしてくる人と、泣き落としで頼んでくる人と、どちらが断りやすい?」との質問に対して、)

そういう人は、どっちも断る。


10代、20代、30代で演じたい役は変わっていた。最近は、芝居は一人では出来ないということがよくわかって

きたので、やみくもに「あれやりたい」というのはなくなった。共演者も必要だし、やりたい役というよりも、

お客さんが見たいかどうか、ということを考えるようになった。



歌舞伎見人(かぶきみるひと)


歌舞伎見人(かぶきみるひと)


歌舞伎見人(かぶきみるひと)


おしまい。

浅草歌舞伎、3度目の通しをしてまいりました。


この日は愛之助さんが二日間の休演後、15日に復帰されたその翌日で、復帰後初の「年始ご挨拶」がある

ということで、どんなお話が聞けるのだろうと思いながら出かけました。


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新春浅草歌舞伎

平成23年1月2日(日)~26日(水)


1月16日(日) 昼の部 11時開演


お年玉〈年始ご挨拶〉

片岡愛之助


一、三人吉三巴白浪

   お嬢吉三  中村 七之助
   お坊吉三  市川 亀治郎
伝吉娘おとせ  坂東 新 悟
 手代十三郎  中村 亀 鶴
  和尚吉三  片岡 愛之助


二、猿翁十種の内 独楽

独楽売萬作  市川 亀治郎

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歌舞伎見人(かぶきみるひと)

お年玉〈年始ご挨拶〉

片岡愛之助


幕が上がると、「待ってました!」の温かい拍手。愛之助さん、きっとまだ完治されたわけではないだろうと

思うのですが、見たところ非常にお元気そうなご様子でした。

まず最初に、2日間休演してしまったことへのお詫びをおっしゃっておいででしたが、

「愛之助、体調不良により休演、と報道されてしまったときには、一体どんな重病にかかってしまったんやろ、

と驚きましたが、インフルエンザですので。もう染りませんから、ご安心くださいね」と、笑いをとりつつ

説明しておられました。お元気そうで何よりでした。


また、この後のお芝居の説明をされながら、詳しいことはプログラムやイヤホンガイドをご利用ください、

という宣伝トーク、携帯電話は静かな場面でよく鳴るものですから、電源オフにしてくださいね、

静かな時に限って、「ンー、ンー」となるものですから、という説明の後、

お芝居は、舞台と客席と双方で盛り上げるものなので、とにかく楽しんでください、

好きなだけ泣いて、笑って、(ただし常識の範囲内でお願いします)楽しんでくださいね、では、拍手の練習を

してみましょうか!? という流れになりまして、「はい、1階の方、拍手ー!」という音頭の元、お客様拍手。

「続いて、2階の方、拍手ー!」「お待たせしました、3階の方、拍手ー!」 ・・・と、一しきり拍手の練習タイムが

ありました。


ちなみに、この後、愛之助さんが和尚吉三で登場されたのは11:25くらいでしたので、15分くらいでワーッと

拵えをなさるわけですね。


 

昼の部 幕間のイヤフォンガイド

14日から、イヤフォンガイドの内容が変わったということで、再び借りてみました。

覚えていることを書き連ねさせていただきます。


【亀治郎】

(「どんな人に惹かれますか?」という質問に対して、)

背伸びをしない人。自分のやるべきことを心得ている人に出会うと、この人と一緒に仕事をしたいなと思う。


(「京都、奈良でおすすめの場所を教えてください」という質問に対して)

京都は観光客に荒らされてしまっているので、自分は行かない。奈良の、人のいないところが好き。

山奥とか。室生寺はおすすめ。


(「独楽を上演するにあたり、猿之助さんからどのような助言があったか」という質問に対して)

この録音をしている時点では、まだ稽古が始まっていないので、何も。

初めて踊ったのは平成元年、22年前のことだったが、その時は、具体的なことで注意をもらった。

振りは、古いお弟子さんからうつしてもらった。


(「得意な料理は?」という質問に対して、)

料理はしません。


(「最近初めて知ったことがあれば教えてください」という質問に対して、)

最近は、勉強を怠っているというか、とにかく忙しいので、最近初めて知ったこと・・・はない。

海外や日本を旅してみたいです。



【七之助】

(「衣装は新調することが多いのですか?」との質問に対して、)

新調することもあれば、ある衣装を使うこともある。

最近では「爪王」のときに衣装を作った。


尾上松也がキャプテンをつとめるフットサルのチームでの背番号は「7」


(「勘太郎さんのお子さんが生まれたら、何と呼ばせますか?」との質問に対して、)

甥・姪にまかせます。

ちなみに、親戚の子には「ちちゃいにいに」と呼ばれている。


2011年は、いろんな役者さんと仕事をしたいと思っている。色々な立役さんとやりたい。


【亀鶴】

(「美声を保つ秘訣は?」との質問に対して、)

何もしていません。若い頃は、煙草をやめたりしてみたが、今は、何もしていない。


(「巡業の思い出は?」との質問に対して、)

氣志團のコンサートに遭遇。ファンの人たちの凄い髪形を見て、歌舞伎と変わらないなと思った。

歌舞伎は元々、芸術ではなかったのだし。


(「どんなファッションの人が好きですか?」との質問に対して、(

個性的なファッションの人が好き。


【愛之助】

(「らぶりんという愛称についてどう思うか?」という質問に対して、)

最高!38にもなって「らぶりん」とは、ありがたい。(笑)


(「浅草での楽しみは?」という質問に対して、)

そりゃ、歌舞伎でしょう。そうじゃなくて?なら初詣かな。


最近はお酒を飲むとすぐ眠くなる。ご飯を食べてもそう。


(「職業病だな、と思うことはなんですか?」という質問に対して、)

一人でいると台詞をつぶやいていること。

あと、お酒を飲みに行くと、声がでかくなる。ほかの役者さんもそうだと思うけど。

今まで何度も、お店の人に注意されたことがあります。


(「歴史上の人物になれるとしたら誰になりたいですか?」という質問に対して、)

聖徳太子。たくさんの人の話が聞けるから。



夜の部につづく。


引き続きまして、夜の部のレポートです。


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新春浅草歌舞伎

平成23年1月2日(日)~26日(水)


1月12日(水) 夜の部 15時開演


お年玉〈年始ご挨拶〉

坂東新悟


一、壺坂霊験記

座頭沢市  片岡 愛之助
女房お里  中村 七之助


二、猿之助四十八撰の内 黒手組曲輪達引

番頭権九郎/牛若伝次/花川戸助六  市川 亀治郎
三浦屋揚巻  中村 七之助
同 新造白玉  市川 春 猿
白酒売新兵衛  市川 寿 猿
三浦屋女房お仲  市川 笑三郎
鳥居新左衛門  中村 亀 鶴
紀伊国屋文左衛門  片岡 愛之助
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↓2階席下手最後列からの眺め。さすがに花道が近いですね~
歌舞伎見人(かぶきみるひと)


お年玉〈年始ご挨拶〉

坂東新悟


新悟さんの年始ご挨拶は、とても初々しく、清潔感があって、また場馴れしていない感じもかえって好印象

でした。(笑)よく考えてみましたら、20歳の青年が、これだけ立派に大勢のお客さんを相手に、場をまとめて

おられるのですから、御立派だなあと思わずにはいらせません。


新悟さんの挨拶の内容は、新悟さんが浅草歌舞伎に出演するのは7年ぶり、2度目になるということ、前回は

中学一年生で、ちなみに今は(老けてみられるが)20歳。

ここで、10代、20代のお客様に挙手を求められた後、こ「のようなことをお尋ねしましたのは、亀治郎さん曰く、

浅草歌舞伎は、そろそろ次の世代にバトンタッチしなくてはならない、それは演者のみならず、お客様も同様

ですとのこと」、という、亀治郎さんらしい、ブラックな笑いを含めた説明があり、若い世代の方にもどんどん、

浅草歌舞伎を見に来ていただきたい、というお願いが新悟さんから述べられた後、

「先ほど挙手されなかったお客様におかれましては ・・・(数秒の間)  近頃益々寒くなっておりますので、

 (どっと笑い起こる)お体ご自愛いただきまして、一日でも長く、(再び笑い) 歌舞伎の舞台に足をお運び

くださいますよう」 ・・・というような話であったかと思います。よく準備された挨拶でしたね。(笑)


そして最後の締めは、自分は昼の部のみの出演で、夜の部には残念ながら出演していないので、

よろしければ昼の部も、見にお越しくださいませ、という宣伝で締めくくられました。



二、猿之助四十八撰の内 黒手組曲輪達引

権九郎オンステージ、の場面では、初日同様、福山雅治さんのツアーのバックコーラスに入れてもらおう、

というネタでした。


昼の部のレポートにも書きましたように、この日のお客様は「歌舞伎初めて」という方が多かったようで、

水入りの場で、舞台上に大きな本水入りの桶がセットされているのを見ただけで、ドヨドヨ・・・というざわめきが

起こり、また、揚巻が助六に水を飲ませようと天水桶に近づいて行きましたときには、

「ま、まさか、あの花魁も水の中に入るのか!?」という驚きのどよめきが起こっていて、新鮮でした。



ちなみに、公会堂の喫煙スペース脇の休憩室では、このような絶景を目にすることができます。
歌舞伎見人(かぶきみるひと)


↓手前は、『染模様恩愛御書』の数馬が勤めていた、伝法院です。
歌舞伎見人(かぶきみるひと)


おしまい。